『入試現代文へのアクセス』の使い方と注意点
『入試現代文へのアクセス』のおすすめの使い方としては以下のステップを踏んだ勉強法です。
この問題集は1度やっただけでは身につかないであろう解法のヒントがたくさん記載されています。
そのため何度も解いたほうが良いのですが、問題を解く際にコピーせずに問題集に直接、線を引いたり指示語にチェックしたりすると何周もできず、もう1回解こうにも前回のメモがたくさん残っていて頭まっさらの状態で解けなくなるのでコピーするのがおすすめです。
30分から40分ほどかけて自力で問題を解きます。問題を解く際、対比など文章の構造を意味段落などに分けて分析してください。初期の現代文の勉強では、文章の構造を分析することが大切です。
ここでいう分析とは「筆者がどのような主張をどのように展開しているか」を理解するということで、例えば起承転結の文章展開をしているのか、意味段落はどのように区切れるか、どういう根拠を持ってそのような主張をしているのか、2項対立の文章なのかを理解することなどをいいます。
さらに文中に出てくる指示語は何を指しているのかを見るのも分析の一つです。自力で問題文を分析して、その分析を基に設問を解いた後は解説とその分析を比較してください。意味段落の区切り方があっているのか、筆者の主張の展開の仕方は予想していたものと同じであったか、解法は解説と同じであったかを確認します。
『入試現代文へのアクセス』は構成の所で話したように、解説が詳しいです。他の参考書ではやっていないような問題文の解説が載っており、さらに問題文が意味段落で区切られているので、上記の分析にあたる「筆者がどのような主張をどのように展開しているか」が詳しくわかります。
問題文の分析の比較が終わったら、次は自分の解法と解説の解法を比較してください。
注意点としては、問題文の構造分析と解法の比較どちらも納得するまでやることです。なぜそのような分析になるのか、なぜそのような解答のアプローチをするのかを徹底的に理解してください。
受験生の中には「この問題はそう読めばいいかもしれないけど、初見の問題ではどう読めばいいかわからない」と思う人もいるでしょう。しかし、どんな文章であれ解法のヒントは文章の構造であったり、指示語の分析によって理解されるものです。分析練習を反復して初見の問題にも対応できるようにしましょう。
解説に納得できない場合は、国語の先生などに質問するのが良いでしょう。
『入試現代文へのアクセス』とは
本書『入試現代文へのアクセス』は、河合塾出版の現代文の問題集で、良問ぞろいで多くの受験生がこの問題集を使用して現代文の読解力を高めているベストセラー商品です。解説の詳しさや予備知識の解説、解答に至るまでの納得いく経緯などが評価されています。
『入試現代文へのアクセス』は『基本編』、『発展編』、『完成編』という3つに分かれています。今回はそれぞれのレベルの対象者、勉強の仕方、注意点などを紹介していきます。
『入試現代文へのアクセス』の対象者
『入試現代文へのアクセス』には3つのレベルがあります。
名前からわかるように基本編→発展編→完成編とレベルが上がっていきます。
受験生の中にはどの参考書が自分にあっているかが全く見当つかないという人もいるのではないでしょうか。自分の実力にあっていない参考書を使っても仕方ないので、まずは以下に示す自分の実力と対象を照らし合わせてみてください。
『入試現代文へのアクセス・基本編』は、本当に現代文の解き方がわからずフィーリングで点数を取ってしまう受験生、これから現代文の実力を上げていきたい受験生が対象です。または、共通テストの過去問で5割くらいしか取れず、模試でも全国偏差値が50台という成績の受験生が対象となります。
『入試現代文へのアクセス・発展編』は、特に現代文が苦手というわけではないが他の受験生と差をつけるまでは得意ではない受験生が対象です。共通テストの過去問得点率が6割、模試の全国偏差値で60台くらいの受験生が対象となります。
『入試現代文へのアクセス・完成編』は、国語が得意科目で、国語でほかの受験生と差をつけたい受験生が対象です。共通テストの過去問でも8割は安定していて、模試の全国偏差値が65以上の受験生が対象となります。
『入試現代文へのアクセス』の現代文ワードについて
入試で出る現代文のテーマは多種多様のように見えますが実はそうではありません。案外テーマは限られており、頻出テーマもあるほどです。
『入試現代文へのアクセス』では頻出語句の解説が詳しくなされているので、解説されている語句は必ず押さえるようにしましょう。
志望校によっては『入試現代文へのアクセス』に掲載されている語句だけでは足りません。その場合は現代文キーワードの参考書を追加しましょう。
『入試現代文へのアクセス』の完了目安
基本編:正答率が9割を超えたら発展編に移りましょう。
発展編:正答率が7割となったら完成編に移りましょう。
完成編:入試までに6割安定してとれるようになっている状態を目指したいです。
『入試現代文へのアクセス』の構成
それぞれのレベルに対して16問が収録されています。
問題文と設問に関しては全くといっていいほど他の参考書と同じ作りになっています。
特徴的なつくりとなっているのが、解説です。『入試現代文へのアクセス』の解説はまず、問題文中に出てきた重要な語句の意味が解説されています。
その次に、現代文における頻出で重要なキーワードが詳しく記載されており、一度出た語句は忘れないような構成になっています。
さらに特徴的なのは、設問に対する解説だけではなく、問題文の解説が載っていることです。この問題文の解説が『入試現代文へのアクセス』の1番の良いところといえます。