目次
- 特別企画|第1回共通テストの振り返り
- 【総括】2021年度共通テスト英語の総評・難易度
- 共通テスト対策|共通テストの英語の特徴(正式発表)
- 共通テスト対策|共通テストの英語の配点(正式発表)
- 共通テスト対策|共通テストの英語の試験時間(正式発表)
- 共通テスト対策|共通テストの英語の回答方式(正式発表)
- 共通テスト対策|共通テストの英語リーディングの特徴(試行調査を踏まえた予想と、第一回共通テストの比較)
- 共通テスト対策|共通テストの英語リーディングの特徴(第1回共通テスト、試行調査、センター試験の比較)
- 共通テスト対策|共通テストの英語リスニングの特徴(試行調査を踏まえた予想と、第一回共通テストの比較)
- 共通テスト対策|共通テストの英語リスニングの特徴(第1回共通テスト、試行調査、センター試験の比較)
- 共通テスト英語リーディング対策
- 共通テスト英語のリスニング対策
- 共通テスト英語対策|参考書・問題集
- 共通テスト英語|予想問題集
- 共通テスト英語|直前対策
特別企画|第1回共通テストの振り返り
【総括】2021年度共通テスト英語の総評・難易度
共通テスト英語(リーディング)
・難易度:標準的
・総評:大学入試センターによる公式発表では「読解問題のみ出題」とは明記されていませんでしたが、試行調査や各予備校の予想問題通り全問が読解問題でした。一部、初見の問題形式があり難易度が高いものもありましたが、概ね予想通りで難易度も標準的でした。
なお、ある生徒の高校では、260名の学年平均が約80点で、例年のセンター試験並みだったそうです。このデータからも標準的な難易度だったと結論づけてよさそうです。
共通テスト英語(リスニング)
・難易度:やや難化〜難化
・総評:昨対比で、読み上げ語数が約1,100語(30分)⇒1,500語(30分)と約33%増加しました。その結果、スピーキングのスピードが速く、解答時間は短くなり、難易度は上がりました。河合塾の共通テスト模試やZ会の実戦模試と比較しても難易度は上がっており、普段取っている点数より若干低かった人が多かったと思われます。
2021年度共通テスト英語(問題)
2021年度共通テスト英語(正解)
共通テスト対策|共通テストの英語の特徴(正式発表)
各予備校から発表されている予想ではなく、大学入試センターが発表する正式情報がもっとも正確です。
大学入試センターから正式発表された確定情報の中で、知っておくべきものは下記となります。
- CEFR*のA1~B1レベル相当の問題が出題される(英検3級合格〜準1級合格未満に相当)
- 発音・アクセント・語句整序を単独で問う問題は出題されない
- 「リスニング」では英文が1回だけしか読まれない問題も出題される
参考:大学入試センター|大学入学共通テスト
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/index.html
⇒実際、第1回大学入学共通テストの英語では、リーディングは長文問題のみであり、リスニングでは1回だけしか読まれない問題も出題されました。
第2回大学入学共通テストの英語も、この形式は踏襲されると考えてください。
共通テスト対策|共通テストの英語の配点(正式発表)
- リーディング:リスニング=100点:100点
センター試験では、リーディング:リスニング=200点:50点でしたが、共通テストではリーディング:リスニング=100点:100点がデフォルトとなりました。
この傾斜は大学によって変わるので各大学の募集要項を確認しなければなりませんが、多くの大学が1:1です。つまり、リスニング対策がより重要になったということです。
共通テスト対策|共通テストの英語の試験時間(正式発表)
- 試験時間:リーディング80分、リスニング30分
センター試験と変わりありません。
しかし、試験時間が変わらないのにリスニングの比重が高まったということは、時間あたりに読まれる語数が増え、速くなったということを意味します。
実際に第一回共通テストもセンター試験と比較したら難易度はやや上がっていました。
共通テスト対策|共通テストの英語の回答方式(正式発表)
- 解答方法:全問マーク式
センター試験と変わりがないため、特に気にする点はありません。
共通テスト対策|共通テストの英語リーディングの特徴(試行調査を踏まえた予想と、第一回共通テストの比較)
2回行われた試行調査をもとにした予想が下記でした。
- すべて読解問題
- 設問文がすべて英語
- 読む単語量がセンター試験の4,200語から5,200語程度に大幅増加
- 大問数は6題で、センター試験と同じ
- 「あてはまるものをすべて選べ」問題が出題(You may choose more than one option for each box.)
- 2つの文章を読み比べる問題が出題(第1,2回試行調査)
実際は、次のような試験でした。
- すべて読解問題
- 設問文がすべて英語
- 読む単語量は5,400語程度と予想以上に多かった
- 大問数は6題で、センター試験と同じだった
- 「あてはまるものをすべて選べ」問題は出題されなかった
- 文章とプレゼンテーションが与えられる問題が出題
ほぼ予想通りでしたが、難易度が上がりすぎることを懸念してか、「あてはまるものをすべて選べ」という問題は出題されませんでした。
もしかしたら第2回共通テストで出題されるかもしれないので、念のため注意が必要です。
共通テスト対策|共通テストの英語リーディングの特徴(第1回共通テスト、試行調査、センター試験の比較)
第1回共通テスト
大問 | 特徴 | 解答数 | 配点 |
---|---|---|---|
第1問 | 短文・資料の読解 | 5 | 10 |
第2問 | 資料の読解 | 10 | 20 |
第3問 | Q&Aやポスターの読解 | 5 | 15 |
第4問 | 説明的な文章・資料の読解 | 5 | 16 |
第5問 | 伝記的な文章・資料の読解 | 5 | 15 |
第6問 | 説明的な文章・資料の読解 | 8 | 24 |
合計 | 38問 | 100点 |
第2回試行調査
大問 | 特徴 | 解答数 | 配点 |
---|---|---|---|
第1問 | 短文の読解 | 5 | 10 |
第2問 | 資料・短文の読解 | 10 | 20 |
第3問 | 随筆的な文章の読解 | 5 | 10 |
第4問 | 説明的な文章・資料の読解 | 6 | 16 |
第5問 | 伝記的な文章の読解 | 8 | 20 |
第6問 | 説明的な文章・資料の読解 | 9 | 24 |
合計 | 43問 | 100点 |
センター試験(2020年度本試験)
大問 | 特徴 | 解答数 | 配点 |
---|---|---|---|
第1問 | 発音・アクセント | 7 | 14 |
第2問 | 文法・語法・語彙・整序 | 19 | 47 |
第3問 | 文脈把握 | 6 | 33 |
第4問 | 説明的な文章・資料の読解 | 8 | 40 |
第5問 | 物語文の読解 | 5 | 30 |
第6問 | 説明的な文章の読解 | 9 | 36 |
合計 | 44問 | 200点 |
第2回試行調査と比較し、第1回共通テストでは問題数が5問減り、配点も若干変わりました。
各大問で文章だけでなく資料の読み取りがほぼ入ってくるのも特徴でした。
英語の文章が読み取れるだけでなく、情報処理が必要な試験となっていました。
共通テスト対策|共通テストの英語リスニングの特徴(試行調査を踏まえた予想と、第一回共通テストの比較)
2回行われた試行調査をもとにした予想が下記でした。
- 大問数がセンター試験の4問から6問に増加
- イラストや表、グラフを伴う問題が増加
- 「設問自体を聴き取る」問題が出題(=問題冊子に設問の記載なし)
- 「あてはまるものをすべて選べ」問題が出題
実際の第1回共通テストは、下記のようになっていました。
- 6問に増加
- イラストや表、グラフを伴う問題が増加
- 「設問自体を聴き取る」問題は出題された
- 「あてはまるものをすべて選べ」問題は出題されなかったが、複数使っていい選択肢はあった
上記のように、ほぼ予想通りでした。
共通テスト対策|共通テストの英語リスニングの特徴(第1回共通テスト、試行調査、センター試験の比較)
第1回共通テスト
大問 | 特徴 | 解答数 | 配点 | 放送回数 |
---|---|---|---|---|
第1問 | 短い発話 | 7 | 25 | 2 |
第2問 | 短い対話 | 4 | 16 | 2 |
第3問 | 短い対話 | 6 | 18 | 1 |
第4問 | 長い発話、複数の発話 | 9 | 12 | 1 |
第5問 | 長いモノローグ | 7 | 15 | 1 |
第6問 | 長い対話 | 4 | 14 | 1 |
合計 | 37問 | 100点 | − |
第2回試行調査
大問 | 特徴 | 解答数 | 配点 | 放送回数 |
---|---|---|---|---|
第1問 | 短い発話 | 7 | 24 | 2 |
第2問 | 短い対話 | 4 | 12 | 2 |
第3問 | 短い対話 | 4 | 16 | 2 |
第4問 | 短いモノローグ | 9 | 12 | 1 |
第5問 | 長いモノローグ | 9 | 20 | 1 |
第6問 | 長い対話 | 4 | 16 | 1 |
合計 | 37問 | 100点 | − |
※長いモノローグ・対話でも1回放送される可能性があることに注意しましょう。
センター試験(2020年度本試験)
大問 | 特徴 | 解答数 | 配点 | 放送回数 |
---|---|---|---|---|
第1問 | 短い対話 | 6 | 12 | 2 |
第2問 | 短い対話 | 7 | 14 | 2 |
第3問 | 長い対話 | 6 | 12 | 2 |
第4問 | 長いモノローグ・議論 | 6 | 12 | 2 |
合計 | 25問 | 50点 | − |
上記から、特徴や回答数は予想通り、配点もほぼ予想通りでした。
1回しか放送しない大問が予想より1つ多かったというのが特徴でした。
第2回共通テストもほぼ同じ可能性が高いので、第1回共通テストを確認しておきましょう。
共通テスト英語リーディング対策
単語暗記は超重要
長文読解力と語彙量の間の相関係数は0.78ほどあることが科学的に知られています。つまり、どれだけ語彙量があるかを調べればどれだけ長文問題が解けるかを精度高く予想できるということです。共通テストでは長文読解問題がほとんど占めると予想されますので、シス単や単語王を覚えることは当然のこと、模試や問題集で出てきた新出単語はノートにまとめておき、徹底的に語彙量を増やしていってください。
文法知識も必要
センター試験では「文法知識を問う文法問題」が出題されましたが、共通テストでは文法問題が単体では出題されない可能性が高そうです。ですが、従来の文法知識を間接的に問うような問題がリーディング(あるいはリスニング)で問われる可能性が高いです。よって、『POWER STAGE 英文法・語法問題』のような文法問題集を1冊しっかりやる必要があります。もともと、多くの大学の個別試験で従来どおり文法問題が出題されることが予想されるため、個別試験対策が共通テスト対策を内包する形にはなるでしょう。共通テスト対策のための特別な文法対策は不要です。
音読・パラレルリーディングで「音韻処理の自動化」を
長文読解対策は「概要把握のための速読」と「設問解答のための精読」を使い分ける必要があるのですが、特に重要なのは「概要把握のための速読」です。「概要把握のための速読」をするためには、日本語と語順が”逆”の英語をその語順通り理解していく必要があるわけですが、これが難しいのです。特に、返り読みすると読解速度が遅くなってしまいます。そこで、パラレルリーディング(テキストを見ながら音を聴き、音の通りに発音する)や音読(テキストを見ながら声に出して読む)をすることで、返り読みせずに意味を読み取る練習をします。また、パラレルリーディングや音読をすることが音韻処理(文字を心のなかで読み上げ、意味を想起する処理)を自動化します。自動化というのは、その脳内処理が無意識かつスムーズに行えるようになることで、速読に大きく影響します。
日本語を介さずに英語が理解できるまで繰り返し読む
最終的に、「英語を見たとき、日本語を介さずにその意味が理解できる(情景が思い浮かぶ)状態」になったらOKです。この状態になるまで、何度も長文を読みましょう。松濤舎では受験生の場合、1日1長文ずつ新しい文章を読み、この状態になるまで繰り返します。これこそ、エビデンスがあり多くの難関大合格者が実戦している長文対策です。
試行調査と予想問題、共通テスト模試を解き、形式慣れする
最後に、形式慣れするために試行調査(特に第2回試行調査)と、各予備校・出版社の出す予想問題、共通テスト模試を解き、形式慣れしましょう。
様々な出題形式・出題方法にあらかじめ触れ対策を立てておくことで、試験本番に落ち着いて対応できるようになります。
共通テスト英語のリスニング対策
リーディング対策がリスニング対策になる
先のリーディング対策がリスニング対策も兼ねます。それでも点数が取れない場合は、シャドウイング(文章を見ずに復唱する)やリスニング(音を聴いて内容理解しようとする)まで行えば対策としては十分です。
共通テスト英語対策|参考書・問題集
英単語
※上記に準じる単語帳であればOK
英文法
※上記に準じる英文法問題集であればOK
長文読解・リスニング対策
※上記はいずれも「音声付き」「解説が充実」という点が特徴です。
共通テスト英語|予想問題集
過去問がないに等しいこと、そしてどんな形式で出題されても動揺しないために、予想問題集は必須となります。Z会の共通テスト実戦模試を使うことをオススメします。