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【決定版】中学受験組の勝ちパターン

松濤舎では、以下の知見をもとに指導しています。

はじめに

松濤舎では、多くの中高一貫進学校の生徒を指導していますが、彼らには共通する合格パターン*があります。

それを踏まえ、中高一貫進学校の生徒がやるべきことが、大きく分けて3つあります

*タイトルではわかりやすく”勝ちパターン”としましたが、受験に勝ち負けはないため、本文中では合格パターンと言い換えています。

やるべきこと①:典型問題を網羅し瞬殺する

中学受験組は、数少ない難しい問題を解きがち

松濤舎には、鉄緑会や駿台、河合塾に通っていたが、何かしらの理由で転塾してきたという子が多いです。最近は高1からの入塾も増えてきましたが、高1途中から、あるいは高2,高3の途中からという子が大半です。

彼らの特徴は、数少ない難しい問題は解いてはきている、ということです。

基本問題、典型問題は比較的すっ飛ばし、当該分野の難しめの問題を解くという学習を行ってきています。

その結果、ついていけなくなったり消化不良になったりし、思ったように成績が伸びず、転塾に至ったという経緯が多いです。彼らはまるで、最上位だけ完成しているビルのようです。基礎工事と低層階を”差し込む”だけで、わかりやすく成績が伸びます。

中学受験組は、理解も暗記も得意

この点は特に強調しておきたいのですが、地方公立高校生と比べて、理解も暗記もよくできます。

毎年、地方公立高校から国公立医学部などの難関大に現役合格を多数出していますが、中学受験組の方が理解スピードや暗記スピードが速いと言ってよいでしょう。

しかし、基本的な問題からステップ・バイ・ステップで進めるということが出来ておらず、穴が多く、感覚で解くという状況から抜け出せていません。

必要なのは、典型問題が網羅的に解けるようになっておくことであり、その結果得られた豊かな知識体系なのです。

基本問題でも初見は難しい

数少ない難しい問題をやってきた人たちでも、基本問題や典型問題は初見では解けない、あるいは瞬殺できません。

都内の中高一貫進学校の生徒に典型問題を網羅してもらっている理由は、実際に受験生なら絶対に解けてほしい基本問題・典型問題を出題したとき、解けなかったり、解けても非常に時間がかかるケースが非常に多いからです。

基本問題でも、初見は難しいです。典型問題となれば、初見では解けない問題ばかりと言ってもよいでしょう。だから事前に解けるようにしているわけです。

  • 基本問題や典型問題とはいえ、初見で解けない問題が多い
  • 基本問題や典型問題が瞬殺できないと、試験時間に間に合わない
  • 基本問題や典型問題の類題 or 組み合わせで入試は出来ている

以上のような理由から、難しい問題にどれだけ取り組んでも大学受験ではうまくいきません。基本問題や典型問題を徹底するのは、絶対的な必要条件なのです。

逆に言うと、すでに難しい問題を解いているので、基本問題や典型問題を埋めるだけで面白いように成績が伸びるのも、中学受験組の共通項でもあります。

基本問題+典型問題だけで偏差値65は超える

定量的なお話をすれば、そもそも基本問題+典型問題だけで偏差値65*は超えます。これは、ほとんどの大学で合格者平均を超えています。

偏差値65というのは、上位6.7%であることを意味しています。すなわち、95%くらいの受験生は基本問題や典型問題すら徹底できていないというのが実情なのです。

*全統記述模試(河合塾)の偏差値を、松濤舎では採用しています。

おそらく中学受験組は、中学受験という激しい競争を経験した結果、大学受験に対し”構えすぎている”のではないかと思っています。

あれだけ中学受験が大変だったのだから、大学受験はもっと大変だろうと。都内大会が全国大会になったらより熾烈で、一層難しい問題を解いておかないといけないのだろうと思っているのかもしれません。

しかし実際は、中学受験が一部の教育意識の高い層における熾烈な競争だったのに対し、大学受験は全国を対象として、やるべきことをちゃんとやってきた人を選抜する競争という認識に変えていただきたいです。大学受験で求められる人材は、文科省の決めた学習指導要領に沿い、真面目に穴なく学んできた人です。お金を払って塾でしか教わらないテクニックやマニアックな知識がなければ通過できない試験ではまったくないのです。

全国区で偏差値65とは、都内で偏差値60くらいのイメージです。中学受験で偏差値60以上に確実に合格することを目指す感覚というと、中学受験組にはわかりやすいかもしれません。

やるべきこと②:理社対策に重きを置く

中学受験組は、塾で1~2科目のみ勉強することが多い

学校の勉強より塾の宿題を重視する傾向にあるため、「受験勉強は塾任せ ⇒ 1~2科目のみ受講する」というケースが多いです。その結果、未受講の科目は軽視されやすいのです。

よくあるのは、英語の成績はよいが、数理は苦手というケースです。

大学受験において、英語が出来ることは非常にアドバンテージです。しかも、指導経験上、英語は放置しても比較的成績の下がらない科目です。できるだけ英語以外に時間をかけた課題にするだけで、成績はわかりやすく伸びます。

早めに理社に軸足を

現役生の場合、理系は理科、文系は社会に、高3から軸足を移していける状態を目指すとよいです。

そのためには高2時点で英数を一定の成績にしておく必要がありますが、このようなカリキュラムにするだけで、中学受験組の合格可能性はグンと高まります。

現役生は最終的に、浪人生とも戦わなければなりません。浪人生は基本、理社の成績が良いです。科目の性質上、時間をかければ伸びるからです。

現役生が浪人生に負けるとしたら理社の点数であることが多く、そうならないためにも、適切なタイミングで適切な時間を理社にかける必要があります。

やるべきこと③:定期テスト対策で既習範囲を潰していく

中高一貫校の進度が速いのは有利

都内の中高一貫進学校は、進度が速い点も共通しています。

この点は有利です。しかし、塾の宿題が忙しくて学校の勉強が疎かになってついていけなかったり、既習範囲の勉強がままならなかったりしているケースも多いです。

特に、塾で履修していない科目が手薄になった結果、高3時点で理社の知識がほとんどない、という状態になりがちです。

定期テストの範囲を、基本問題+典型問題だけでもいいから潰しておく

松濤舎では、定期テスト対策を非常に重視しており、定期テスト対策期間中は課題を止めています。

これは、地方公立高校のように「全員が定期テストに向けて勉強することが当たり前」の学校だけでなく、多くの人があまり重視していない都内の中高一貫進学校の子も同じです。

理由としては、既習範囲をその都度潰していくことが非常に重要だからです。

松濤舎では「借金を残さない」と表現しています。定期テスト対策期間中に放置した分野・問題は、必ず借金として残ります。いつかはやらなくては避けられないものなので、定期テストでいい点数を取るというモチベーションを活用して乗り越えるべきなのに、その機会も逃してしまうのは非常にもったいないです。

理想を言うと、定期テストの出題範囲を難しい問題集までやり込み、高い習得レベルにして定期テストを迎えてほしいのですが、時間的に難しいことがあります。その場合は、基本問題+典型問題まででOKです。薄く広くでもいいので、定期テスト対策期間に触れておくと、その後の復習が非常にやりやすいです。

中学受験組は、受験勉強のエンジンがかかるのが遅くなることも多いです。それは学校の雰囲気的に仕方ない部分もあるでしょう。だからこそ、定期テスト対策期間中に出題範囲を潰しておくだけで、後のち本格的に受験勉強に入った際に、非常にスムーズに進められるのです。

評定4.3以上を意識する

学校推薦型選抜は一般選抜と比べて、ハードルが下がります。

評定4.3以上あれば、ほぼすべての大学に出願できるので、定期テスト対策はきちんとやっておき、結果的に評定4.3以上ある状態にしておくと使えるカードが増えます。

地方公立高校の場合は地域枠があったりして、特に有利ですが、都内の中高一貫進学校の生徒も全国枠には出願できますし、大学によっては「祖父母が住んでいる県」でも地域枠で出願できることがあったりし、使えると非常に有利です。

受験に関係ない科目(家庭科や体育など)は適宜力を抜くにせよ、受験に必要な科目は定期テスト対策を普通にやっていれば評定5は取れ、総合4.3以上になることは難しくありません。

まとめ

都内の中高一貫進学校の子の合格パターンには共通項があり、次の3つを押さえた勉強が有効です。

  1. 基本問題、典型問題を飛ばさず網羅し、瞬殺できる状態にする。これだけで偏差値65に到達する。
  2. 全体バランスを見て最適に時間配分をする。例えば、高3からは理社に時間をかけたカリキュラムへ。
  3. 定期テスト対策期間中に、出題範囲を教科書傍用問題集などで潰しておく。評定4.3以上を意識する。

最後に

繰り返しになりますが、都内の中高一貫進学校に通う生徒さんは優秀な子が非常に多いです。

優秀というのは、その時点での成績ではなく、理解スピードや記憶スピードのことです。周りに優秀な人が多いため、主観的には「自分は全然ダメ」と思っている人も多いですが、客観的に全国区で見れば「全然いい」のです。

それでも、数少ない難しい問題を解く勉強をしてきたり、特定の科目だけ重点的に勉強してトータルでの最適化ができていなかったり、既習範囲を定期テストごとに潰していくことができていなかったりした結果、”穴だらけ”の状態になり、安定して偏差値が出ない=不合格といった状況に陥ってしまっています。

その一方で、地方公立進学校の生徒たちは塾に通わず、学校指定の教科書傍用問題集を徹底的に潰して、難関大学に現役合格しています。

この状況は、見ていて非常に歯がゆいのです。頭の良さとは別次元の、学習観や情報格差が、結果を左右している状況は、意思決定一つで、簡単に打破できるのです。

松濤舎では、知識を頭に入れていくことは生徒自身がやるべきものだと考えていますが、正しい努力をさせ、結果に導くことは、指導者の役割だと考えています。

これからも透明性高く、情報発信して参ります。

以上、参考になれば幸いです。

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