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【決定版】『現代文読解力の開発講座』の使い方とレベル

『現代文読解力の開発講座』の習得レベル

レベル1:設問の50%以上を、理屈がわかった上で正答できる

レベル2:設問の80%以上を、理屈がわかった上で正答できる

『現代文読解力の開発講座』の使い方

あくまでも「読解力の開発」が目的であり、「多くの問題をこなすこと」が目的ではないため、一問一問に時間をかけてじっくり解き、一周した後も何周か繰り返しましょう。

1周目

まずは自力で問題を解いてみましょう。問題自体は決して易しいものではないため、少し苦労するかもしれません。特に要約の設問は、はじめからできなくて当然です。わからないからといってすぐに解答を見るのではなく、じっくりと思考と疑問を重ねたうえで解説を見ましょう。正答率にこだわるより、「現代文読解力の開発講座」のコンセプトである「論理的読解の力」を丁寧に身につけることに重点を置きましょう。

偏差値の高い大学を目指す受験生ほど、現代文が自らの「感覚」や「知識」でなんとなく解けてしまうために、現代文の勉強をおろそかにすることが多いです。しかし、それでは本当の「読解力」はつきません。難関大学の入試では、どんな文章が出題されても対応できるような力が求められていますし、その力を養成することこそが「現代文読解力の開発講座」の目的です。

2周目

一周すると現代文読解の方法が徐々にわかってくると思います。二週目ではそれを実践するつもりで一つ一つの設問に取り組みましょう。「たしか一周目でやったときは答えがコレだったから」という解き方はNGです。二周目とはいえ、初見の文章と対峙しているような気持ちで臨みましょう。

3周目

3周目以降は、「読解力開発問題」つまり要約問題だけ取り組みましょう。

『現代文読解力の開発講座』の対象

入試で国語の問題に取り組む受験生全般が対象となります。

その中でも特に、要約問題を出題する大学を志望する受験生・現代文を読んでいても目が行の上を滑るように感じている人にお薦めの参考書となります。

『現代文読解力の開発講座』に入るタイミング

入試問題を解く前の段階(高2の秋冬~高3の春)が目安となりますが、特段内容が難解というわけでもないため、時間のある高1から少しずつ読み模試で試してみる、ということを繰り返してもOKです。

『現代文読解力の開発講座』の構成

前提として『現代文読解力の開発講座』の筆者は、読者が「論理的に文章を読んでいって筆者のイイタイコトをつかまえる」ことができるようになることを期待しています。細かい「方法」や「秘策」のようなものを覚えるのではなく、どんな入試にも対応できるような読解力を身につけることが大事だと書かれています。

この本は「急がば回れ」を体現したような参考書です。現代文の成績は一朝一夕には向上しません。基本に立ち返り、本文の要旨をつかむことが読解の第一前提であるということが強調されています。

「問題編」と「解答・解説編」の二冊に分かれています。

「問題編」には、第一問から第九問・補問、合わせて十問の現代文の論説問題が収録されています。主に有名私立大学の入試問題を中心に、センター試験や東大の入試問題が出典となっています。

形式は、選択式から記述式、段落整序など様々。入試問題がそのまま収録されているのに加え、各論説文に「読解力開発問題」として100字程度の要約の設問が設けられています。この要約問題がこの参考書の大きな特徴となっていると言えるでしょう。入試に要約問題がない大学の志望生も、これに取り組むことによって現代文読解の力が鍛えられることは間違いありません。

「解答・解説編」では、十個の読解問題の解説が「Lecture」というタイトルで書かれています。この参考書の最も大きな特徴は、解説が10ページ以上、長いものでは30ページある点です。解説は参考書の筆者が語りかけてくるような調子で書かれており、その名の通り「講座」という印象が強いです。途中「Point」という形で、読解のエッセンスが散りばめられており、現代文を読む上で欠かせないポイントを学ぶことができます。また、解説の途中には、問題文のテーマごとに「雑音〈ノイズ〉」という著者自身が書いたコラムがあり、教養を得ることができると同時に、飽きずに問題集を解き進められます。

『現代文読解力の開発講座』を使う際の注意点

この本にいわゆる「小手先の技術」は書かれていません。あくまで「読解力開発のエッセンス」があるだけです。

「キーワードを追って読む」「逆説語には印をつける」など、細かい技術的な面が知りたいという人にとっては期待外れでしょう。筆者が伝えたいことは現代文読解の「表面」ではなく「本質」です。この点には注意しましょう。

この「本質」とは、具体的には、論理的に読解するための根本的な方法のことです。例えば「君の頭の中の常識によって判断せず、必ず文脈に沿って理解せよ」「現代文でまず身につけるべきなのは、同値・対立の関係をとらえる対比能力と、段落ごとに内容を整理できる能力だ」など、当然すぎるが故に実践されていないことの多い事項に焦点が当てられています。このような読み方の基礎の基礎となる部分が、読解の本質に繋がっています。

また、問題の量をこなしたいと思っている人には向いていません。この参考書はもっぱら「読解力の開発」に眼目がおかれており、量より質が重視されています。そのため、受験直前の演習中心となってくる時期に取り組むのはおススメしません。遅くとも3年の秋前には完了することが望ましいです。

『現代文読解力の開発講座』の完了基準

「読解力開発問題」つまり要約の設問を、自力で、解説どおりに書けるようになれば完了と言えるでしょう。解説に頼らず自力で書けるようになるまで何周も繰り返し、読解力を定着させましょう。

『現代文読解力の開発講座』の添削について

かなり解説が丁寧なので、自分の解答と模範解答を照らし合わせることが第一に重要です。解説が丁寧な分、第三者による添削は必ずしも必要ではないですが、複数回読みこんだ後に、自分の解答が模範解答よりも要点を得ていると感じるのであれば一度見てもらうと良いでしょう。筆者は読解のエッセンスを伝えてくれますが、筆者の模範解答が絶対に正しいということはありません。信頼できる複数人の解答を比較してみることも、客観的な読解のヒントとなるでしょう。

『現代文読解力の開発講座』の著者について

現代文の参考書・問題集を選ぶ際に、著者がだれであるか調べておくことは必須です。なぜなら、現代文という科目の性質上、問題の答えや解釈が先生によって異なることがあるからです。マイナーな著者が書いたものの中にも、たしかに素晴らしいものも存在します。しかし、リスクが大きいとも言えます。より信頼できる著者が書いた参考書・問題集には基本的にハズレがありません。一冊の参考書・問題集に取り組むとき、読者は筆者に身を委ねなければなりません。そう考えると、より実績のある、頼れる著者の書いたものを選ぶのが賢明でしょう。

『現代文読解力の開発講座』の筆者は駿台予備校講師の霜栄(しもさかえ)さんです。「基本を深く、難問を楽しく」を方針に多くの受験生を指導しており、著書も多数執筆していて信頼できます。

松濤舎における『現代文読解力の開発講座』の扱い

松濤舎では本書『現代文読解力の開発講座』を指定教材として指定していません。

なぜなら、国語は時間をかけただけ伸びる科目でないため、もっと具体的かつ即点的な読み方を教えてくれる教材のほうがよいからです。残念ながらそういった教材が市販にないため、オリジナルで製作しています。

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