
A. 残念ながら効果的ではありません。
学校の小テストで有名なものは英単語や古文単語の小テストですね。
これらは単純に暗記する必要があるため、分散学習による長期記憶の形成が重要です。
しかし、小テストとなると一夜漬けで乗り切ろうというインセンティブが働くため、全く意味がありません。短期的に詰め込む小テストによって、自宅の学習時間が大きく奪われることは絶対に避けるべきです。
学校側は「真面目に勉強しない人」に合わせて、「どうせ勉強しないくらいなら、小テストでもやらせて勉強させたい」と思っているのでしょうが、真面目に長期記憶を目指している人にとっては、邪魔でしかありません。教師側が「やっている感」を感じるだけの、効果のない教育の典型例です。
小テストは要領よくやり過ごす程度にしましょう。
小テストの目的とその限界
小テストの目的は、プラスに捉えれば「学習習慣をつけるため」ですが、ネガティブに捉えれば「勉強しない生徒を強制的に勉強させるための動機づけ」であり、「短期記憶がインセンティブになる、粗悪な学習機会」と言えます。
たとえ、強制的に勉強させたり勉強習慣のきっかけになったとしても、最終的に短期記憶につながる学習になることに変わりはありません。結局、小テストは学習効果が非常に低いものだと言わざるを得ません。
効果的な学習法とは?
長期記憶につながる学習がすべて効果的な学習法と言えます。
長期記憶にもっとも直結するのが「有意味暗記」です。つまり、理解の伴う暗記のことで、精緻化という「知っている知識に紐づける方法」であったり、体制化という「情報を整理して覚える方法」が主に挙げられます。
有意味暗記できないものは、理屈抜きで覚えなければなりませんが、そういったものは「分散学習」といって、集中的・短期的に復習するのでなく、期間を置いて復習するのが効果的であることがわかっています。
また、なんにせよ「想起学習」という、テスト形式で勉強していく方法が長期記憶に寄与することも科学的にわかっています。
こういったことを押さえた学習が効果的な学習です。
短期記憶と長期記憶の違い
短期記憶と長期記憶の違いはその名の通りです。
短期記憶とは、十数秒程度で忘却してしまう記憶のことを指します。作業記憶(ワーキングメモリ)という情報処理を行う領域に一時的に保存された情報というのは短期記憶で短命を終えます。
長期記憶とは、半永久的に記憶するものを指します。受験で言えば数ヶ月〜数年は保持できる記憶も長期記憶と呼んでいいでしょう。作業記憶(ワーキングメモリ)から長期記憶に移行させることで定着します。長期記憶に移行させるためには、先述のような工夫、有意味暗記や想起学習といった「工夫」が必要となります。
学校教育におけるテストの役割
学校教育においてテストの役割は非常に重要です。
学校によっては、定期テストが教科書傍用問題集を徹底するための動機づけとして、完璧にデザインされているところがあります。教科書傍用問題集を徹底していれば定期テストで点数がとれ、その結果、模試や入試で合格点が取れるようになっているのです。こういった学校に通っているのであれば、塾など一切不要で、定期テストで得点するために教科書傍用問題集を徹するのみなのです。
小テストを活用する方法
小テストは意味ないとはいえ、やらないと評定が下がったり、学校の先生からの心象が悪くなります。小テストを活用する方法というより「仕方なくやるもの」ではあるのですが、活用するとしたら、「普段は、分散学習や想起学習で勉強しているが、小テストのタイミングでは出題範囲のみを優先的に復習する」といったものになるでしょう。
学習時間の効率的な使い方
学習時間を効率的に使うとは、成績に直結する勉強に全ての時間を使うということを意味します。
成績は知識量で決まるので、知識量を増やすべく、とにかくすでに解ける問題を解かないことが重要になります。よって、普段勉強している時から、解けた問題には⚪︎マーク、解けなかった問題には×マークを累積しており、一度も⚪︎マークがついていない問題を優先的に復習するという勉強がもっとも効率的です。
また、このような学習をすることで学習スケジュールも非常に立てやすくなります。
受験生におすすめの勉強法
⚪︎×マークを用いた問題マネジメント以外では、各問題集の正しい使い方をすることと、習得レベルを意識して勉強することの2つが挙げられます。いずれも各参考書の使い方ページに詳しく記載していますので、よく読みながら進めていくとよいでしょう。