
A. 勉強可能な時間を把握し、1問あたりの所要時間を理解すれば、計画から大きく外れることはありません。
そもそも自分で適切な課題を設定できなければ、課題を終えることはできません。1日5時間しか勉強時間が取れないのに、8時間かかる課題を作ってしまえば当然終わらないのです。
したがって、適切な課題を設定することから始めてください。
まずは自分の勉強可能な時間を把握しましょう。机に向かって勉強できる時間が1週間で何時間あるかを把握することが重要です。次に、各問題集の1問を解くのにかかる適切な時間を把握しましょう。これは松濤舎の各問題集の使い方ページを参照してみてください。そうすることで、解くことができる問題数が自動的に導き出せます。その問題数を1週間で解くべき問題数として自分に課題を設定すれば、大きな計画倒れを避けることができます。
効果な勉強時間の管理方法
勉強時間の管理は手帳一択です。
特に、松濤舎で推奨している手帳(ラコニック A5ウィークリー)は1週間の予定を見開きで確認でき、タイムラインに書き込めるので勉強時間や学習管理が非常にしやすいです。
マンスリーやアニュアルでの予定管理もしやすいため、長期的目線を持って受験勉強が進められます。
適切な課題設定のポイント
適切な課題というのは何ら難しくありません。基礎から穴なく積み上げていくのみ、だからです。基礎をおろそかにはできませんし、基礎から積み上げていけばどこかで解けない問題にぶち当たり、それを解けるようにする勉強が最適な勉強になります。
勉強時間の最適配分については、全科目で合格者平均偏差値が取れるよう、問題集を習得していくのみです。
・偏差値と問題集の習得レベルの関係
・問題集に載っている問題数、1問あたりにかかる平均時間
は松濤舎の記事で紹介しているため、それを元に計画してみるとよいでしょう。
問題集の効果的な活用法
問題集の効果的な活用法については、各問題集の「使い方・レベル」の記事をご覧ください。
計画倒れを防ぐためのコツ
計画倒れを防ぐコツは3つあります。
目標達成しなくても、それは計画倒れではない
まず多くの人が勘違いしていますが、目標を達成できなくても、それは計画倒れではありません。
どういうことかというと、例えば「1ヶ月後に英単語を新たに1,000語覚える」という目標というのは、達成できるかどうかはわかりません。なぜならその子の記憶力によって変わるからです。勉強は「こうありたい」に対して必ず到達できるものではありません。目標はあっていいものの、それに到達するための適切な学習計画が遂行できたらOKで、遂行したけど目標に届かなかったのは問題ないのです。
勉強可能時間を算出する
勉強に充てられる時間をきちんと算出します。「平日5時間、休日8時間×2日で、合計40時間は確保できる」のようなものです。これ以上は勉強できないので、この中で計画を立てることになります。
問題数と、1問あたりにかかる平均時間を確認する
あとは、やりたい問題数と、1問あたりにかかる平均時間を松濤舎の各問題集の使い方ページから確認すれば、1週間や1ヶ月で何問問題を進められるかが簡単に計算できます。それが、1週間なり1ヶ月なりでやるべき問題数なのです。
あとは手帳などで計画を立て、淡々と遂行するのみです。
これが正しい計画の立て方になります。
勉強の質を向上させるテクニック
勉強時間が大事なのは当然ながら、質を上げたいと考えている人も多いはずです。勉強の質を向上させる方法は様々ありますが、特に「課題を終わらせる」という観点でいくと、1問あたりにかける時間を意識することにあります。
例えば、松濤舎では『Focus Gold』や『青チャート』の1テーマ(=1例題+1練習)にかける時間を30分と決めています。理由は、解けても解けなくても30分以内に切り上げることがベストだからです。
・解けるなら、30分以内で解けないと遅い
・解けないなら、30分以上かけて解説を読んでもわからないものは、次の周回にまわすべき
このように、1問にかける時間を決めておくことが、質の高い学習に繋がり、ひいては計画通りな学習に繋がるのです。
時間を有効に使うための習慣
習慣化することで迷う時間が減ったり、いつも同じ動作を繰り返すことになるので無駄が削られるようになります。習慣化することが時間を有効活用するために非常に有効です。
後悔する
習慣にするためには、習慣化できなかったことに対して「強く後悔すること」が必要だと考えています。ここら辺が鈍感な人は、いつまで経っても「今のままでいいか」と思いがちです。
・夜更かししたら朝起きるのが辛くなって後悔する
・勉強すべき時間に動画を見て後悔する
このような後悔を強く感じるからこそ、それを避けるべく習慣化しようと思うようになります。
見越す
習慣は、度重なる失敗と後悔の末、「これをやるときっと未来にこうなってしまう」と見越せるようになってから、スタートします。
・サボると、サボった後の自己嫌悪が辛いから、勉強しよう
・夜更かしすると、次の日の朝が辛くなるのが不快だから、早く寝よう
といったように、だんだんと自分のことが見越せるようになります。こうなったら、あとはやるだけです。
淡々とこなすことに充足感を得る
習慣化するには、習慣化した行動をすること自体に楽しさや心地よさを感じる必要があります。そうでなければ長続きしません。高校生や浪人生は自己コントロールが難しい年齢ですが(それが良さでもあるのですが)、毎日やるべきことを考えたり、変えたりすることより、同じことを淡々と続ける楽しさや心地よさに目を向けましょう。
自己管理能力を高める方法
無理のない適切な出してもらい、それを毎回達成していくことで自己効力感・自己コントロール感が高まり、結果的に自己管理能力が高まると考えています。
つまり、先に「達成した」という成功体験の積み重ねがあってこそ、「やればできる」という感覚になり、結果的に自己管理ができるようになっていきます。決して、最初に「自己管理能力を高める魔法」のようなものがあり、それがあるから「達成できる」というものではないのです。
計画通りにできたという成功体験を、まずは積んでみてください。