『基礎問題精講 数学』の使い方
もし『基礎問題精講 数学』を使用するのであれば、まずは基礎問(例題)を見て問題が解けるか確認し、解けなければすぐに下の解説を読みます。「精講」というコンテンツにはその手の問題のポイントが書かれているので覚えるようにしましょう。
その後、解説を理解したら再び自分で解けるか、解答を隠して手を動かし確認します。できたらそのまま下の演習問題(類題)を解いてください。
解けたら◯、解けなかったら×を付け、一度◯のついた問題は少なくとも模試までは放置するようにしてください。
『基礎問題精講 数学』の代替問題集
新興出版社啓林館
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『Focus Gold』を推奨します。『Focus Gold』を推奨する理由は3つあります。
1つは、『基礎問題精講 数学』『標準問題精講 数学』を内包している点。『基礎問題精講 数学』と同レベルの問題が解きたければ星マークが1,2個の問題を解けばよいです。『標準問題精講 数学』レベルは星マーク3,4個の問題が該当します。さらに「Step Up問題」「章末問題」「Level Up問題」もあり、『標準問題精講 数学』より高いレベルまで問題を解くことができます。あらゆるレベルにおいて『Focus Gold』の方が網羅性が高いのです。
もう1つは、『基礎問題精講 数学』から『標準問題精講 数学』までをシームレスに扱っているため、段階的にレベルを挙げられる点があります。レベルで本が分断されていることは本質ではありません。同じ本で特定テーマを基礎から応用レベルまで上げることができ、1冊で国公立医学部合格レベルまで実力を上げられるのは『Focus Gold』の素晴らしい特徴です。
最後は『Focus Gold』のコラム(まとめ)が秀逸である点です。基本問題から典型問題、そして応用問題までを網羅しているからこそ、問題どうしの関係性がコラムとしてまとめることができます。
もし数学に伸び悩んでいるのであれば、典型問題の知識に穴があることをまずは疑ってください。センスでも難しい問題の演習量が足りないのではありません。
一度『基礎問題精講 数学』『標準問題精講 数学』に取り組んだ人も、『Focus Gold』をひと通り解き、知識の整理をし、再び足元を固めることを推奨します。
『基礎問題精講 数学』に関する前提
数学において典型問題を解くことは大変重要です。網羅的に典型問題を解くことで、多くの問題に手が出るようになります。
その点、『基礎問題精講 数学』は網羅性という点で言うと穴が多いと言わざるを得ません。
確かに典型問題を極限まで絞るとしたら本書の選出は大変優れているのですが、難関大学受験において極限まで絞ることはそこまで意味を為しません。薄いからすぐに基礎固めが終了するというメリットはありますが、厚い問題集でもやるべきものはやるべきです。
また『基礎問題精講 数学』の次にやる『標準問題精講 数学』との接続性の悪さも難点です。『標準問題精講 数学』から一気にレベルが上がるため、上滑りする人が続出します。基礎から標準レベル、応用レベルまでシームレスにレベルを上げていくことができないという点が欠点です。
そもそも『基礎問題精講 数学』と『標準問題精講 数学』の著者は違いますので、原理的に接続が悪いのでしょう。
最終的に『標準問題精講 数学』レベルまで実力を上げたいのであれば、本書ではなく『Focus Gold』の使用を推奨します。