結論
結論としては、地理Aのほうが地理Bより難易度は低いので、選択できるのであれば地理Aを選択するとよいです。しかし、両者に明確な違いがあるわけではないため、やるべき対策は大差がないというのが現実です。
範囲
学習指導要領で正式に発表されている「内容」はありますが、抽象的であり、わかりやすい包含関係もありません。
地理A
(1) 現代世界の特色と諸課題の地理的考察
ア 地球儀や地図からとらえる現代世界
イ 世界の生活・文化の多様性
ウ 地球的課題の地理的考察
(2) 生活圏の諸課題の地理的考察
ア 日常生活と結び付いた地図
イ 自然環境と防災
ウ 生活圏の地理的な諸課題と地域調査
地理B
(1)様々な地図と地理的技能
ア 地理情報と地図
イ 地図の活用と地域調査
(2) 現代世界の系統地理的考察
ア 自然環境
イ 資源,産業
ウ 人口,都市・村落
エ 生活文化,民族・宗教
(3) 現代世界の地誌的考察
ア 現代世界の地域区分
イ 現代世界の諸地域
ウ 現代世界と日本
出典元:文部科学省
ざっくりですが、過去問を見た印象としては、確かに日常生活(食べ物など)や現代の社会問題(災害や環境、人口問題など)にかかわる出題は多いと感じました。つまり、地理Aでは現代社会の課題や日常生活との関連がより重視されており、系統地理の理論的な部分はやや軽くなっているようです。
しかし、全体としては地理Bと変わらず広範で、地形図の読み取りをはじめ資料問題も多々出題されており、明確に学習範囲を減らせるものではないと結論いたしました。過去問では地理Bと共通した問題も出題されています。
また、地理Aでは地誌重視という情報も見かけましたが、典型的な地誌の大問は1問程度で、結局は総合的な基礎が必要になっています。
難易度
地理Aの方が基礎的で、地理Bの方がやや細かい知識を要求する内容になっています。
どちらを選ぶか
地理Aが選択できるのであれば地理Aを選択しましょう。ただし、範囲に差がなく参考書も地理B向けを用いるため、地理B受験に比べ学習時間を大幅に削ることは期待できません。
対策法
地理Aに特化した参考書はほぼないので、地理Bの参考書を利用することになります。
過去問演習は地理Aで行いましょう。
注意
受験校に大きな制限がかかるので、地理Bを要求する大学を受験する可能性が少しでもある場合は、地理Bの受験を前提とした学習を進めておく方が無難です。