[推奨]松濤舎の指定問題集です。
『日本史の論点』とは?
日本史の論点は、国公立大学の二次試験に出題される論述対策のための参考書兼問題集です。
『日本史の論点』の特徴
- 合計120 以上の論点について説明文と要約問題が掲載されており、これ一冊をしっかりこなせば多くの国公立大学二次試験の論述に応用できる“歴史的な見方”が身に付く
- 教科書に載っていない詳細な説明や、事項や年号の暗記などといった表面的な学習では見落としてしまうような”視点”を学ぶことができる
- 指定された文字数に解答をまとめるため、情報を取捨選択する練習になる
『日本史の論点』の対象者
特に長文の論述問題が課せられる大学の対策に使えます。
東大はもちろん、京大の過去問にも似た論点がこの本で挙げられていたので、幅広い大学で過去問の復習に使うことができます。
『日本史の論点』を使う時期
二次試験用といっても、一つ一つのトピックの内容が深いので、直前に詰め込むというよりも、春・夏ごろから、基本的な事項の学習を終えた単元について使用し始め、半年〜一年かけて完成させるような使い方がおすすめです。
『日本史の論点』は復習用に使用する
本書『日本史の論点』は予習用として使うには向きません。
なぜなら、本書『日本史の論点』は受験日本史の範囲から特に論述問題に頻出のトピックを抽出しており、必ずしも日本史の流れを完璧に押さえているわけではないからです。
そのため、一通り日本史の流れを学習し終えてから取り組むか、学習し終えた単元から取り組むか、どちらにせよ復習の形で使用することなります。
『日本史の論点』の使い方
日本史の論点は、各トピックに数十行の説明文があり、それを120字で要約する【課題1】と、90字で要約する【課題2】がついています。トピックによっては、【課題1】が90字、【課題2】が60字のものもありますが、要約問題は一題解くのに結構な時間がかかってしまうので、文字数の多い【課題1】だけ解いてください。
この要約問題を解くことを通して、トピックの中でも特に重要な部分はどこか、自分で探っていきます。この際、マーカー等で細めに要約に使いたい部分に線を引いておくとわかりやすいです。
STEP.1 で作った要約の答え合わせをします。
付属の例文集に要約例が載っているので、自分の解答と照らし合わせて足りなかった部分やまとめきれずに文字数が多くなりすぎてしまった部分などをチェックしていきます。
その際、ノートに赤ペン等で訂正したり、要約例を参照しながら自分なりの正解をつくったりすることも重要ですが、ノートだけではなく本体の方にも書き込みを行ってください。
具体的には、本文のうち、要約例に用いられていた部分にマーカーを引いていきます。自分が解く際に目印に引いた下線より派手な色にし、また引き方も細めではなくペン幅を使って目立つようにするとよいです。
要約例には、本文の長めの文・フレーズがそのまま使われている部分と、キーワードのみを抽出してそれを一見本文とは少し違った繋げ方をしていたり、本文とは別の表現に置き換えてられていたりする部分があります。
前者の場合には、該当する部分にそのまま線を引くだけで問題ありません。
しかし、後者の場合には、そのまま使用されているキーワードに線を引いた上で、言い換えられていると思われる部分を推測し、そこにも細く線を引いていきます。また、文字数の少ない【課題2】の要約例も参照し、課題1の要約例には使用されていても課題2の要約例にはしようされていない部分には、点線でマーカーを引きと、重要度の順位付けをしてください。
STEP.1とSTEP.2を一通り解き終えたら、2周目に入ります。ただし、STEP.1でも述べたように、論述を行うのには時間がかかるため、本文を読み、要約例と照らし合わせたらOKです。
読む際は、STEP.1で自分が論述する際に引いたマーカー、STEP.2で要約例を参照して引いたマーカーに注意しながら読み、重要な点を復習します。
また、日本史の論点の説明文には、要約例に使われている部分でなくとも、教科書に載っていない詳しい説明や表面的な学習では見逃しがちな知識が含まれていることがあります。そういった部分で、特に理解に役立ち、また重要であると思ったところには、また別の色でマーカーを引いておくのがおすすめです。
冒頭で『日本史の論点』が「参考書」兼問題集であると書いた最大の理由は、本書が二次試験の問題演習で答え合わせをする際に活用しやすいからです。
特に東大の問題に関していうと、日本史の論点の著者の一人は、いわゆる赤本の東大日本史の著者でもあります。そのため、赤本の解答のまとめ方や用いられているキーワードが『日本史の論点』の本文・要約例と類似しています。
また、日本史の論点は60個あるトピックそれぞれにつき2つ以上の論点について説明しているため、合計120以上というかなりの数の論点を掲載していることになります。そのため、東大に限らず多くの国公立大学の日本史論述問題の出題ポイントを押さえてあり、入試問題を解いた際に重複・近似しているトピックを見直すと、着目しなければいけない点がどんどんわかるようになり、論述問題が解きやすくなっていきます。
例えば、本文のうち過去問に登場したことがある部分にはボールペンで下線を引いたり、復習しやすいように付箋を貼っておくとよいでしょう。
入試問題の復習に限らず、別の教材や授業で得た知識を、本文に補完する形で書き込んで自分なりにカスタマイズしていくのもおすすめです。
『日本史の論点』と教科書の違い
日本史対策でメインに使用することが多い教科書ですが、本書『日本史の論点』は教科書とは視点の提示の仕方が異なっていることが多い上、教科書ではなあなあにされていたりさらっと流されてしまっているようなことを補完してくれます。
教科書レベルの事項や見方なら、高校や塾などで授業を受ければ身につけられますが、東大など国公立の論述でほかの受験者と差をつけるためにはより多角的な視点を身につけた方が良く、教科書を繰り返しやるよりもおすすめです。
『日本史の論点』の習得レベル
レベル1:本文を読み、要約文を頭の中で作ることができる。
レベル2:ポイントを掴んだ上で、模範解答とほぼ同じ要約が作れる。
『日本史の論点』の目次
トピック | 内容 |
---|---|
1 | 原始社会の墓制 |
2 | 律令国家の土地・人民支配 |
3 | 律令国家の地方支配 |
4 | 律令国家の中央行政 |
5 | 律令国家と天皇 |
6 | 律令国家の対外関係 |
7 | 古代の文化と対外関係 |
8 | 古代の仏教 |
9 | 中世社会の形成 |
10 | 武家政権と朝廷 |
11 | 鎌倉幕府の運営 |
12 | 鎌倉幕府の軍事動員体制 |
13 | 古代・中世の物資流通 |
14 | 南北朝の動乱 |
15 | 室町幕府の全国支配 |
16 | 中世後期の対外関係 |
17 | 中世後期野村 |
18 | 中世後期の一揆 |
19 | 戦国大名 |
20 | 中世の仏教 |
21 | 太閤検地 |
22 | 江戸幕府の大名支配 |
23 | 江戸幕府の政治機構 |
24 | 江戸幕府と朝廷 |
25 | 中世・近世移行期の対外関係 |
26 | 江戸幕府の鎖国制 |
27 | 江戸時代の村 |
28 | 江戸時代の町 |
29 | 江戸時代の経済と大坂 |
30 | 江戸時代の地域経済の発達 |
31 | 江戸時代の貨幣制度 |
32 | 財政問題と幕政改革 |
33 | 江戸時代の経済と株仲間 |
34 | 江戸時代後期の内憂外患 |
35 | 安政の五カ国条約 |
36 | 明治新政府の成立 |
37 | 大日本帝国憲法の制定 |
38 | 明治憲法体制下の内閣 |
39 | 明治憲法体制下の軍隊 |
40 | 明治憲法体制下の議会 |
41 | 明治憲法体制下の政党政治 |
42 | 大正デモクラシー |
43 | 地租改正 |
44 | 資本主義経済の成立 |
45 | 明治期の貨幣・金融制度 |
46 | 大戦景気 |
47 | 金輸出解禁 |
48 | 昭和恐慌からの脱出 |
49 | 戦時経済体制 |
50 | 財閥の形成と展開 |
51 | 経済の民主化と復興 |
52 | 高度経済成長 |
53 | 明治期の日清関係 |
54 | 帝国への成長 |
55 | ワシントン体制と日本 |
56 | アジア太平洋戦争 |
57 | 朝鮮戦争 |
58 | 日米安保体制 |
59 | 近現代の教育 |
60 | 琉球・沖縄 |