▼受験観
・客観的事実として、出身大学の評価が高い方が社会的に認められやすく、また関わる人間の平均的なレベルも上がりやすいと考えていた。
・また個人的にも、結果を出すかどうかで今後の人生の方向性も変わると考えていた。そのため結果を出さなければと常に考えていた。
・ただし逆に失敗しても、運の要素もあるためそれほどおおごとではなく、またどこに行っても面白い人はいるだろうとも考えており、結果を出すことを目指しながらも思いつめないように気楽に考えようとしていた。
・とは言え気分は上下するものなのでコントロールすることを意識していた。苦手分野をつぶすことは受験において最重要であるが、坂道を上るようなしんどい過程であり、逆に得意科目を伸ばすことは平たんあるいは下り坂を走るような爽快なものだった。なのでこれらを使い分け、坂を上るためにどのようなコース取りをして足を残しながら走るかを意識していた。
▼記憶観
・エビングハウスの忘却曲線の理論は、理論としても経験としても理にかなっていると考えていた。そのため、理にかなった復習のサイクルを常に意識して実行した。(夜にインプットし朝に復習する、翌日の復習、3日後の復習、1週間後の復習、2週間後の復習などと定期的に復習するなど)
・覚えられないのは頭が悪いからではないので落ち込まないようにしていた。どれだけ繰り返すか、どれだけ様々な文脈で触れるかに尽きる
・覚えられるものと覚えられないものがあるので、すべて均等に復習せず、特に覚えられないものを残していくイメージで記憶作業を行った
・人に教えると記憶に残るのは本当なので、人に教えずとも独り言で解説などしていた。実際は本当に人に教えた方が、感情的なコミットメントが行われるのでさらに長期記憶に残りやすい気がする。
▼モチベーション観
・モチベーションの高低を自分で意識しないようにしていた。モチベーションが低いというのは自分が逃げの合理化を行っているのであって、実際にモチベーションが上下しているわけではないと考え、それに左右されないルーティンの徹底を意識していた。
・それでもやる気が出ないときは諦めて休んだり、公園にいったりして、モチベーションを回復するルーティンをつくった(ブランコに乗る、ダッシュする、自分を励ますなど)。
・1分をどう過ごすかをすごく大事にしていた。勉強時間に目が向けられがちだが、質が違えば当然同じ時間勉強しても差が出る。自分より濃い1分を過ごしている人がいれば負けてしまうので、1分1秒の質にこだわることでモチベーションは特に気にならなくなる
▼国語観
現代文
(評論)
・基本的には構造化の力がものをいうと考えていた。とくに論理的文章は「論理」にどのようなパターンがあるかをきちんと理解すれば解ける。
・抽象的に「センス」と言われているものの正体は、評論においては言葉を知っているか、論理を追えるかという2点が主だと思う。要は頭を使って読書をしてきたかが重要。読んでいないなら勉強しないといけない。
(小説)
・小説は、小説そのものを自分で解釈すると、出題者の意図から離れる場合があるので、小説にのめりこまず、出題者の意図をメタから考察し、同意できなくてもその意図通り答えることで正答率が上がると考えていた。
・「この出題者の解釈は曲解な気がするけど一応意図通り答えてやるか」といった俯瞰した皮肉なマインドで回答しているとだいたい正解している
古文
・感覚でも読める部分と読めない部分があるような気がしていた。読めない部分は知識不足なので補い、読める部分は放置した。
・言語なので、知識不足の多くは単語。文法は基本的なことは押さえておくのは当然。単語と古文常識と現代文力があれば、だいたいは大丈夫。
漢文
・暗記とテクニックですぐに習得できるものだと思っていた。事実そうだった。構造がわかりやすいので簡単。
▼数学観
・苦手意識があった。当初は、ひらめきが重要な科目だと考えていた。
・しかし学習を進めていくと、数学は積み木のようなものだという見方になった。どういうことかというと、基礎のうえにまた基礎を重ねていくことで高い(難しい)問題にも手が届くということ。またその基礎は、一つ一つが盤石なものでないと、つまりそれぞれの基礎がきちんと理解していないと、高く積み上げたときに崩れてしまう、つまり難しい問題に対処できないという意味もある。
・そのため、基礎固めを徹底的に行った。例えば、言葉それぞれの定義を完璧に理解し覚えたり、公式をすべて0から導くことができるようにする、など。
・覚えている問題を解けても、根幹の論理や定義があいまいだと、初見の難問には太刀打ちできない。とにかく基礎をおろそかにせず、問題が解けたとしてもあいまいなところはつぶしておくようにする。
▼化学観
・化学基礎に関しては、問われていることを理解すれば問題自体は簡単だと思った。なので内容理解に力を入れた。
▼生物観
・暗記科目。理科基礎科目の中で一番簡単だと考えていた。学校の授業と教科書くらいで、力を入れすぎないようにした。
▼英語観
単語
・単語が最重要だと思っていた。単語さえわかれば文の構造の理解も楽になり、全体像の把握もかなりしやすいため。なので受験レベルを超えたような単語も見るようにしていた。
・単語の理解度が非常に重要だと考えており、理解度の低いものから、見たことある→訳が一つ思い浮かぶ→訳が複数思い浮かぶ→作文で使えるといった理解度のレイヤーを考え、単語によってどこまでの理解度を目指すかを考えながら、一部割り切って大量の単語を学習した。
・受験に出る単語の優先度が高いことは確かだが、出ないものを覚えてはいけないわけではない。言語である以上単語帳に乗るような単語はどこかで使われるため、趣味程度に覚えておくのもよかった。
・Duoのほぼ全文をそらんじられるようになると、リスニングやライティング含めすべての英語力が飛躍的に向上した。今になってもDUOで使われていた英文は実際の英語で使われるものであり、役に立ったと思う。
・和訳は絶対ではないので、ニュアンスや語感をつかむことも大事。
文法
・最重要なようで最重要でないと思っていた。難解すぎるものもあるため。ただし一橋大のレベルであれば基本的なことはすべて理解し、発展的なものも初見にならないようにしなければとは思っていた。文法を意識すると読解が遅くなる気がしていた。
・文法問題を落とすようでは長文も読めないと思っていた。ただし難解なものもあるため、そういう問題を見分けられるように意識し、無理だと思ったら捨てることもありだと思っていた。
・早慶などの一部学部では重視しているところもあるので、直前の対策でなんとかした。国公立ならこまごま聞いてくることはあまりないので基礎以外は別にいらない。
和訳・精読
・問題の出し方として多いので重視していた。単語と文法の両者の力が求められると考えていた。精読は構造化と単語理解だけでいいが、和訳は、構造を理解している事を示すべきだと考えていた。
・構造が理解できないときは、なるべくそれをごまかすため、「自然な訳にするために構造を捨てました」的な回答をしていた。点を捨てないためのテクニック。単語知らないのはバレる。
和文英訳・自由英作文
・一橋ということもあり重視していた。自由英作文で使えるようになった単語や熟語は最高の理解度に達しているものとして考えていた。文法についてもしかり。
・理解度を測るものとして自由英作文が重要だと考えていた。そのため週に3本~10本ほど、長めの英作文に取り組んでいた。
・学校や塾にいるネイティブに添削をお願いしていた。概して日本人講師よりもアドバイスが身になったと感じている。
・語彙の難しさや内容の立派さよりも、論理的一貫性や整合性が重要だと考えていた。なので自分の本当の意見よりも、筋の通ったことを言いやすいような内容を選んでいた。これは特に、「賛成か反対か」といった問題で役立つ。
・自分の個人的経験などについてエッセイっぽく書かせる問題については、テンプレをいくつか持っておき、問題に即して少し内容を書き換えるような感じにしていた。テンプレと言っても丸暗記ではなく、使う表現や内容を頭に置いておく程度。これだけでも考える時間が減り、実際に作文する時間に充てられるのでよかった。
長文
・問題の出し方によって読み方が変わるものだと考えていた。細かい部分に関して聞いてくる設問が多ければ精読になり、全体についての設問が多ければ読み飛ばし・速読になる。前者は単語力や文法力があれば大丈夫だが、後者は長文そのものを読む練習が多く必要だと考え、数を読んだ。
・受動的に読むだけでなく、主体的に面白い表現や未知の単語を見つけることも、普段の勉強では重要。こういうところでも出会うことで記憶に残りやすくなる。
・大学によって様々な傾向があるため慣れと練習が不可欠。全部読んでから回答するのか、部分で区切って回答するのか、時間配分はどうするかなど、英語の中ではこういったことを意識した練習が最も必要とされるパート。
・現代文と同じで、論理を追うことが大事。特に英語は日本語よりも論理が明確な文章なので、構造問題を間違える=そもそも論理を追えていない=読めていないということなので構造問題は最重視していた。
リスニング
・リーディングなどに比べ著しく簡単だと思っていた。知っているかと耳が慣れているかだけが問題だと思っていたので、単語は音で覚え、耳ならしのためにすでに解いたリスニング問題を1.25倍速で聞くなどしていた。
・全体を聞くことが大事。部分で分からないことがあっても、知識不足だとあきらめて次を聞かないといけない。
・出題方法に依存して勉強法が変わるので、意識して勉強する必要あり。センターでつまづくレベルだとどこも通らない。
▼模試観
・結果を出すことを最重要視していた。力試しではなく、常に本番だと思って時間配分などを毎回考えながら解いた。
・試験そのものだけでなく、模試の日や前日含め、どう過ごすか、飲み物や糖分補給の食べ物は何にするかなどにも気を遣い、とにかく本番さながらに臨んだ。
・模試の失敗要因は徹底的に洗い、模試の復習のみならず過ごし方や試験中の心の持ちようなども反省した。
▼塾観/予備校観
・アウトプットは自分でもできるので、インプットの質を高める場所として理解していた。あいまいな部分を明確にする、知らないことを知る、など。なので理解が不十分な科目や事柄に関しては講習などを活用した。一方で問題を解くだけの授業などは一切取らなかった。
・競争の仕組みをつくっている場合はのっかった。自分の場合競争することで努力するタイプだったため。
・浪人時代は学校のように利用していた。友達がいないと気分が落ち込むため非常に重要。友達との競争関係は全く意識していなかった。一緒に受かる意識。
▼参考書観/問題集観
・最も詳しいが、最も難しい参照資料だと思っていた。網羅性は高いが、一人で読んでいても理解できないことも多いため、参考書単体で勉強すると非常につらい。なのでこれをいかに塾での講習や学校の授業など、他のものと組み合わせて活用するかが大事だと考えていた。実際、参考書でわからないことは様々な人に尋ねたり、わからないところをマークして他の参考書などと比較するなどした。
・その参考書のターゲット層に自分がいるかを認識することは重要。参考書のレベルと自分のレベルが乖離すると、取り組んでいても無駄になることが多いので、自分で書店でしっかり確認してから買うべき。
▼友人観
・友人は友人で、ライバルでもなんでもなかった。それぞれ目指すところは違っても、比較することなく尊重し励ましあった。マウントを取るような人とはそもそも付き合いがなかったため幸運だと思っていた。
▼学校観
・使えるところは使い、無駄なところは無駄だと割り切って利用していた。これは、科目や先生、授業のレベルによっても変わる。
・学校そのものは友人をはじめ様々な人と会える場所で、一人で勉強するよりはるかにリフレッシュの機会が多いのでなるべく行くようにしていた。
▼部活観
・部活も高校生活で最重要なものの一つだったため、秋までフルに参加した。人生を長い目で見た時に、部活を最後まで続ける方が自分に残るものは大きいような気がしていた。結果として浪人することになったが、まったく後悔なく浪人生活に入れた。
・よく言われることだが、部活を真剣にやっている人は続けた方が受験でも力を発揮できると思う。遊び半分でやっているならやめて受験にフルコミットでもいいと思う。
▼その他
一橋観
・社会科学、特に経営経済系は日本一だと考えていた。東大に商学部や経営学部がないことからも事実日本一に近い位置にいるため、ある程度プライドをもって勉強していた。
・2次は、苦手科目を落とさずに得意科目を伸ばしまくるという当たり前のことが大事。苦手科目で失敗しない事が最重要なので、苦手な数学に全勉強の50%くらいの労力をつぎ込んだ。一橋の英語は比較的簡単であり、得意科目でもあったため200点(8割)越えを常に意識していた。