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【公開】Fさん(東大理系)の学習観

▼受験観

合格最低点を超えれば合格できるから、合格最低点を超えるために各科目にどう時間配分するのが最適か考えて勉強していた。時間という限られたリソースの最適配分をするのが受験においてもっとも重要なファクター

・とはいえ、受験校を決めるのは高2秋くらいでそれまではボトムアップで勉強するしかない。大事にしていたのは、定期テストで出題範囲が難しい問題でも解けるようになること。その結果、学年順位が上位になっていれば東大には合格できると思っていた(進学校だったので例年何位以内に入っていればどれくらいの大学に入れるかわかるようになっていた)

・なお、国公立の場合は学習指導要領から外れた出題は原則ない。よって、公立高校の定期テスト対策が志望校合格に繋がるという確信(安心感)を持って定期テスト勉強に取り組んでいた。

・進学校の理数科だったので(=半分くらいが医学部に進学する)、定期テストの出題は青チャートレベルで出されるから青チャートをやっておけと言われていた。それでも自ら青チャート以上にレベルの問題集までやって試験に臨んでいた。学校によっては、特に非進学校では、定期テスト対策で出される課題をやっていても足りないことがあるが、進学校の人でも青チャートレベル以上の問題集に取り組んで定期テストに臨んでいるということを知っておくべきだし、言われなくてもやるべき

・他の人が落とすところで自分が落としても問題ない。だが、皆んなが解ける問題は絶対に落としてはいけない。ということは、みんながやってそうな問題集を人より徹底的にやり、プラスで難しい問題集までやれば東大はいけると思っていた。なお、網羅性の高い問題集をやることが重要だと思ったのも上記の信念からである

・定期テストで出題範囲を徹底しても必ず忘れる。模試は過去に習った全範囲が出題されるため、模試対策のタイミングで出題範囲をすべて確認するようにしていた。ただし、すでに解ける問題を解くこと(思い出すこと)に時間をかけるのは自己満であり無駄が多いので、まだ解けない問題を解くことに時間をかけるべき

・理系でも高2秋までは英数国が模試で出題されるため国語に時間をかけがちだが、理系の大学の多くは国語の配点は低いため(共通テストのみなら1割ほど)英数理に時間をかけるべき。一方、現代文対策は、文章の読み方本などを読むのは楽しいし、古文は古文常識を読むのは楽しいし、漢文も背景知識を入れることは楽しかったので、時間に余裕のある高1から少しずつ、楽しみながら勉強するのがよい

・英語のように、できるようになるまで時間がかかる科目はできるだけ早く始めるべき

▼記憶観

有意味暗記が長期記憶に繋がるため、有意味暗記できるものはした

・壁に貼っておくと勝手に覚えるので、トイレや机の壁は徹底的に有効活用した。特に古文単語や漢文の漢字などは時間をかけたくなかったので壁学習をよく活用していた。有意味暗記できないものは回数で覚えていた

▼モチベーション観

・田舎から出てきていたので、合格実績を出すことが後輩たちの可能性を広げることにも繋がると思い、勝手に使命感を持って勉強していた

・「バスケットボールマンが他の人に負けちゃいけない」という気概で勉強していた

・「悪い成績からのし上がる」はしんどい。自分の場合、はじめから良い成績を取ったので「学内順位下げたくない」という気持ちで勉強していた

・田舎の高校だったので、都会の中高一貫校の優秀な人が必死に勉強しているところを妄想し、一分一秒無駄にしない気持ちで勉強していた。実際、模試の返却結果の全国順位上位に名前が載ると嬉しかった

・親元を離れて下宿していたので、人よりお金がかかっていて親に申し訳ないという気持ちがあったから、その分勉強で成果を出して喜んでもらおうと思っていた

・普通の人が想定する”モチベーションの高低”のようなものはなかった。淡々と継続して勉強していたように思う

▼国語観

現代文観

骨(著者の主張)が1割で、9割肉からなるという認識があった。だから、とにかく肉を削いで著者の言いたいことだけを探していく読み方をしていた。なお、接続詞に注目したり文章構造に注意しながら読む読み方がよく参考書に載っているが、「木を見て森を見ず」になりがちだし、目的と手段が逆転しがちだったのでやらなかった。ただ、そういう読み方もトライしてみたからこそ肩の力を抜いて読めるようになったようにも思うので、まずはやってみるとよい

評論の文章は必ず2つに分けられる。それは「前の主張と同じ内容」か「主張を発展させる内容」かである。同じ内容は捨て、新しい情報を付加して読んでいた

・高校の現代文の授業は教科書の文章の解説だけで、応用性の高い読み方を教えてもらわないため受講する意味を感じなかった。早く読み方指南系の参考書を買って読み、定期テストや模試で試して正しい読み方を定着させていくべき。高1からやっておくとコスパよい

古文観

古文常識が頭に入ってないと「読めても理解できない」状態になるので、簡単でいいから当時の風習や常識、考え方については目を通してインストールすべき。古文単語315や古文単語330には巻末に載っているので目を通すとよい

・古文単語は「今も使われているが、今と昔で意味が違う単語」だからこそ覚える必要があるし、問われると思って、そういったものは確実に覚えるようにした

・古文文法は普通に全部覚えるだけ

・単語も文法もわかっているのに文章が読めない、という場合の失点原因は2種類ある。1つは単語の意味が覚えられていないこと。特に、第一義では文脈上おかしくなるものは、必ずコアイメージまで覚える必要がある。もう1つは主語が見つからないこと。この2つの失点をなくすためには、古文と全訳を1つ1つ照らし合わせ、単語の意味あるいは主語探しでどう間違えたのか、どんな知識(単語の意味含め)がなかったのかを確認する作業をするとよい

漢文観

・句法と重要漢字を覚えるだけ

・「文脈で学ぶ 漢文 句形とキーワード」(Z会)に載っている、「よくある話のパターン」を知っていると漢文が読みやすくなるのでオススメ

▼数学観

・センスやヒラメキや数学力といった漠然とした能力を鍛えようとするのではなく、典型問題が網羅的に解ける状態を目指して勉強していた

数学はその場で解法を思いつくほど時間がない。知っている解法を適用する力が求められているから、「素早く使える解法を増やすこと」を意識して勉強していた

・典型問題よりひと回り難しい問題を解くことで、個々の典型問題を抽象化できると思っていた。より少ない知識でより多くの問題に対応できるようにすることを意識して勉強していた

・Focus Goldなどの問題集だけやると「縦」の学習はできるが、東大では分野を横断した「横」の解法を検討する必要がある。最終的にはこの「横」の関係や、出題テーマごとに解法をまとめることが重要で、そのための問題集を使っていた(いまだと『入試数学の掌握』のようなもの)

▼化学観

目に見えないミクロな(粒子を)現象を扱うのが化学だから、ミクロな世界で何が起きているのかを理解しようとしていた。その結果、化学の点数が飛躍的に伸びた

・式と実際の現象が結びついているかは常に確認していた。式の値を変えたとき、実際の現象はどのように変化しているのかを考えるようにしていた

・平衡定数の数値の大きさにも注目していた。例えば、平衡定数が10のマイナス何乗になっているということは、分母に比べて分子が圧倒的に少ないということだから、ほぼ電離していないんだ・・・といったように、式の意味していることや、式から実際のミクロな世界の状況が想像できるようにしていた

▼生物観

・教科書傍用問題集を複数やると、問われるところが決まっていることに気づく。これをまずは徹底するだけで点が取れる

教科書を重視するといい。生物の場合、生物をネタにした論理問題が東大の場合出題されるため、解くのに必要な知識を確定させるためにも教科書はしっかり読んでいた。そういう意味では、生物は物理化学と違って社会の勉強に近いところがあるかもしれない

▼英語観

単語

・とにかく語彙量。ただし、英語は日本語と1対1対応するものではないので多読多聴を通して”単語のもつニュアンスやコアイメージ”を掴んでいった

単語のコアイメージを掴むと複数の意味を覚えなくていい。しかも長文中に出てきたときに日本語にわざわざ変換しないので一石二鳥

・熟語も同様にコアイメージを覚えるべき。例えばpick upなど

・単語帳は、ニュアンスを掴むために英文が載っているものを使うべき

・単語帳でまずは英語と日本語を結びつけしたら、あとは多読をして長文中で何度も出会うことを通して、その単語の”角を取り”、コアイメージを掴んでいくべき

文法

・文法問題では落としたくないと思い、文法問題集は学校指定とは別に1冊購入し取り組んだ

和訳・精読

英単語の意味は日本語と1対1対応しないため、普段から英単語のニュアンスを掴むことを意識していた(そのために英文とセットで覚えていた)。そのため、和訳では、文脈を踏まえ、英単語のニュアンスを踏まえたナチュラルな和文を書いていた

英語独自の表現こそ和訳で問われると思っていた。そのまま訳すのではなく、必ず自然な日本語に訳せることを意識していた(例えば、無生物主語は絶対にそのまま訳さない、など)

・受験英語なので、問われていることを客観的に把握し、それがわかっていることをきちんとアピールしていた。特に文章構造は基本的に崩さず訳出していた

英訳・自由英作文

・英文集で、使える表現をとにかく覚えていった

長文読解しているときに出てきた”覚えたい表現”があったらノートにストックしていた

長文

・たくさん読むことで単語のニュアンスが掴めたり、文法知識のアウトプットになるためできるだけ早くから始め、累計で多くの長文を読んでいる状態を目指した

長文は英単語や英語表現の宝庫、という認識があった

長文は最悪、文章を読まなくても問いに答えられたらよい。よって、最初と最後の文を読んだ後、各段落の最初の文を読み、文章の可能性を絞ってから、問われているところを詳しく読むと、より的確に問いに答えられる。ただし、素早く意味を掴むためにも、ベースとして長文を素早く読める必要があると思っていたため、普段長文を読むときは全文きちんと読んでいた

・精読や和訳の延長線上に長文読解はないと思っていた。問われているところ以外は雑に読むことを意識していた

学校で多読多聴をしないため、ここが人に差をつけられるところだと思い、意識的に長文読解の量は確保していた

リスニング

・長文読解対策も兼ねるため、リスニングは重視していた

・音源のついている長文問題集を使い、耳で聞いて長文の意味がわかるまで聴き込んだ(聴いて理解できたら、読んで理解できるはず。リスニングは読解を内包する)

リスニングとは負荷を高めた長文読解である

その他出題形式

・東大で出題されない形式(長文中の単語の穴埋め問題など)は捨てていた

▼その他

東大受験観

東大は良い問題しか出さないという絶大なる信頼を置いていた。よって、本質的ではないと感じる問題は自分の判断でどんどん捨てていた。例えば、私大の過去問に出てくるような重箱の隅をつつくような問題は一切無視していた

部活観

・高校3年間は、勉強だけするには長いため、部活をすることでメリハリのついた勉強ができる。また、体を動かすことで気持ちが戦闘態勢になるので、部活に入ることはオススメ