前提
数学は、網羅系問題集である『Focus Gold』や『青チャート』『レジェンド』で、典型問題の解法をひと通り入れること(=8割以上の問題が瞬殺できる状態)で、偏差値67.5まで取得可能である。
つまり、網羅系問題集は数3Cまでで例題が約1,000問載っているため、約800問が解けるようになれば7.5割以上の国公立医学部の合格者平均を超えるということだ。
実際、松濤舎ではこの方法で指導しており、毎年多くの医学部・上位校合格者を出している。
ただし、網羅系問題集にも欠点がある。それは、網羅することを優先した結果、多くの人が苦手とする、より多くのバリエーションを通して理解を深めるべき分野が手薄になってしまうことである。
そのため、網羅系問題集を習得したあとは、多くの人が苦手とする分野ごとに集中的に潰していくのが効率的である。
ここでは、数3で多くの人が苦手とする体積問題を対象に、網羅系問題集を習得するだけでは足りないテーマの問題を収集した。
収集方法&選定方法
国公立医学部の過去10年分(2024〜2015年)を対象として問題収集した。うち、以下の問題を除いている。
・典型問題(=網羅系問題集で習得できる解法で対応できる問題)
・難易度が高すぎる問題(=本番で出題されても捨てるべき問題)
・計算が重いだけの問題(=本番で出題されても捨てるべき問題、かつ学習効率も悪い)
・学びが少ない問題(=その問題が解けるようになったところで次に繋がらない問題)
問題数
結果、回転体の体積、非回転体の体積でそれぞれ以下の問題数が選定された。
・回転体の体積・・・ 22題
・非回転体の体積・・・16題
問題一覧
回転体の体積
楕円の体積
鳥取大学 2019年 大問3(東進過去問データベース)
長崎大学 2016年 大問6(東進過去問データベース)
直線l周りの回転
長崎大学 2024年 大問7(東進過去問データベース)
信州大学 2016年 大問5(東進過去問データベース)
岡山大学 2019年 大問4(東進過去問データベース)
奈良県立医科大学 2017年 大問4(東進過去問データベース)
岡山大学 2024年 大問4(東進過去問データベース)
東北大学 2018年 大問6(東進過去問データベース)
直円柱との共通部分
大阪大学 2017年 大問5(東進過去問データベース)
東北大学 2022年 大問6(東進過去問データベース)
立体の回転
岡山大学 2017年 大問3(東進過去問データベース)
九州大学 2020年 大問5(東進過去問データベース)
神戸大学 2024年 大問4(東進過去問データベース)
京都大学 2020年 大問6(東進過去問データベース)
東京大学 2017年 大問6(東進過去問データベース)
平面の回転
福井大学 2023年 大問4(東進過去問データベース)
東京大学 2024年 大問5(東進過去問データベース)
京都大学 2016年 大問4(東進過去問データベース)
線分の通過領域
大分大学 2023年 大問3(東進過去問データベース)
東京大学 2022年 大問5(東進過去問データベース)
東京大学 2016年 大問6(東進過去問データベース)
京都大学 2023年 大問5(東進過去問データベース)
非回転体の体積
球の軌跡
富山大学 2019年 大問3(東進過去問データベース)
大阪大学 2015年 大問4(東進過去問データベース)
東京大学 2018年 大問6(東進過去問データベース)
円錐の一部
名古屋大学 2019年 大問1(東進過去問データベース)
東京大学 2020年 大問5(東進過去問データベース)
球を平面で切る
京都府立医科大学年 2017 大問3(東進過去問データベース)
福井大学 2017年 大問4(東進過去問データベース)
線分の通過領域
岡山大学 2020年 大問3(東進過去問データベース)
信州大学 2023年 大問7(東進過去問データベース)
四面体の共通体積
福井大学 2019年 大問4(東進過去問データベース)
福島県立医科 2021年 大問2(東進過去問データベース)
福島県立医科 2019年 大問2(東進過去問データベース)
初等幾何
新潟大学 2023年 大問2(東進過去問データベース)
山形大学 2022年 大問2(東進過去問データベース)
影部分の体積
九州大学 2015年 大問3(東進過去問データベース)
連立不等式で表された体積
大阪公立(市立)大学 2016年 大問2(東進過去問データベース)
所要時間
以下を参考にしてみてください。
・解答時間:25分以内/問 ※わからなければすぐに解答を見てOK
・採点時間:20分以内/問
すなわち、45分以内/問で進められるため、全38問を約30時間でひと通り演習できるということである。週末2日間で数3の体積問題が極められると考えたらコスパが高いだろう。
最後に
8割以上の体積問題が典型問題からの出題である。
つまり、ここにピックアップしなかった問題のほうが重要ということだ。
上記の問題リストはあくまでも網羅系問題集の8割以上が瞬殺できる状態になった人が対象である。網羅系問題集の習得が未完了の人は、典型問題の習得を優先しましょうね。