[推奨]松濤舎の指定問題集です。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』の対象
私大入試・国公立二次試験で、政治・経済を使って受験する受験生が対象です。
共通テストのみで政治・経済が必要な学生は本書までは不要ですので、下記記事をご参考ください。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』を始めるタイミング
基礎事項の暗記・理解が定着し、アウトプットの時期に入る頃が始めるタイミングです。入試問題に取り組む前、計算問題や記述問題に慣れるために使用しましょう。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』の構成
本書『政治・経済 計算&論述特訓問題集』は、大きく「第一部 計算問題編」と「第二部 論述問題編」に分かれています。
各部とも構成はほぼ同じで、それぞれの部のはじめに「ガイダンス」のページがあり、留意事項や心構え、出題パターンの解説があります。各部ともいくつかの章からなっており、各章は例題、練習問題で構成されています。
イメージ的には、数学の典型問題集(チャート式)のような構成です。各例題には、「設問のポイント」「書くべき事柄」「解答例」「残念答案例」などの丁寧な解説があります。練習問題の模範解答は別冊の「練習問題 解答・解説編」にあります。この解説も非常に丁寧で、一つの問題につき、いくつかの解答例を参照することができます。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』に入る前に
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』の使い方を説明する前に、政経の計算・記述問題の解き方を紹介しておきます。
政経の計算問題 解答のプロセス
計算問題は、基本事項の暗記と公式への当てはめ、正確な計算が解答のプロセスです。経験がものを言うため、試験前に様々な問題にあたり、対応できるようにしておく必要があります。
政治分野では、請求権の分野や選挙にまつわる問題が頻出です。
経済分野は、市場機構、比較生産費説、経済成長率、為替レート、国民所得、信用創造など様々な分野から出題されます。正確な理解と計算を心がけましょう。
政経の記述問題 解答のプロセス
次に記述問題のポイントを紹介していきます。まず初めにやることは、問題文の分析です。書かなければいけない要素は何か、解答を記述するにあたって条件はあるか(指定のキーワード等)、いつの時代のことが問われているか、などを明確に把握しておきましょう。意識的にこれを行うことによって、解答の方向付けができ、スムーズに解答用紙に向かうことができます。
続いて、答案に必要だと思われる要素を箇条書きで書き出しましょう。問題のテーマに関するキーワード、人物、時代、出来事、数字、時事的な知識など、思いあたるものはとにかく書き出してみます。そうすることで、テーマに関連する事項を思い出すことができ、より綿密に解答の計画をたてることができます。
そして、実際に答案を作成していく際、下書きをつくる習慣をつけましょう。テスト本番で最も焦るのは、解答が解答用紙におさまらない時です。超過した字数の部分を焦って消しゴムで消していると解答用紙を破ってしまう可能性があります(試験中にこれをやると精神的にやられます)。下書きを作成しておけば、そのような心配はありません。字数、日本語の質ともにアバウトで良いですので、自分がどのような答案を書こうとしているのかを自分が把握できるように、下書きを作りましょう。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』の使い方
原則として、自分の受験する大学の出題形式に合致する問題を優先して取り組みましょう。例えば、私大志望で計算問題の特訓をしたい場合には「第一部 計算問題編」を集中して取り組む、国公立二次で政経受験をする場合には、論述がメインになるから「第二部 論述問題編」を主に取り組む、などです。
進め方は、以下の通りです。
まずは自力で問題が解けるかトライしてみてください。長く考えてほしいのではなく、一度自分で考えたほうが、解説を読んだ後に頭に残りやすいからです。
解けたら◯マーク、解けなかったら×マークを累積していきます。
重要なのは「その問題が解けること」ではなく「同様の問題が出たときに解けること」です。解き方・考え方を習得しましょう。
これを1章分取り組みます。
1章分の例題が終わったら、続いて練習問題に取り組みます。
例題と同様に、◯×マークを累積していってください。
例題と同様に、その手の問題が出たらどう考えて解いたらいいかを探しながら解説を読みます。
ここまで終わったら、次の章に進むか、×マークのついた問題に取り組みましょう。
復習の際は、教科書・資料集・用語集などをフル活用しましょう。解説が丁寧ですので特に添削の必要はありませんが、わからない点があったら教材で確認しましょう。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』を使う際の注意点
例題の解説は、初めから見るのではなく、自分で一度取り組んでから見るようにしましょう。はじめから解説を読むと、どうしても最初からわかっていたような気になってしまいます。自分がどこがわかっていて、どこがわかっていないのかを理解するために、例題は一度解きましょう。
論述問題に特有の点ですが、漢字の間違いはその都度チェックしておきましょう。本番では「今回は間違えたけど、次ちゃんと書けばいいや」は通用しません。一点が勝負を決める入試に向けて、常に答え合わせの際に自分の答案を細かく読んでおきましょう。『政治・経済 計算&論述特訓問題集』には、ところどころに「漢字ドリル」が掲載されています。労を惜しまず確認しておきましょう。
また、自分に必要な分野以外の問題に取り組むのは時間の無駄です。入試に計算問題が出ないのにも関わらず「第一部」に取り組むことのないようにしましょう(逆も然りです)。真面目な受験生ほど、一冊の問題集を完璧にしようとしますが、問題を取捨選択することも必要なテクニックです。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』と併用する参考書
政経受験者のバイブルとも評される『政経ハンドブック』(東進ブックス)を推薦します。この本には、見開き2ページにつき1つのテーマ(国際連合、政治腐敗の原因と対策、国際通貨基金、日本の社会保険など)が扱われ、それに関連する時事問題・統計・データが見やすく整理された図とともに掲載されています。政経の重要事項はこのハンドブックに網羅されているため、わからないことがあればすぐにこの本を引くようにしましょう。
大きな視点での理解はこの参考書があれば十分ですが、より詳しい単語の意義や定義をおさえておくために、用語集も用意しましょう。清水書院や山川出版のものがメジャーですが、高校で用いる政治経済の教科書が清水書院であることが多いため、清水書院のものを選んでおくと無難です。答案を作成していて不安な単語があった場合や、模範解答になじみのない単語があった場合にはすぐ参照するようにしましょう。
また、よりスタンダードな問題集としては『実力をつける 政治・経済80題』(Z会)があります。選択式の問題が多く掲載されているため、基本的に私大向けといえます。『政治・経済 計算&論述特訓問題集』と合わせて取り組めば、あらゆる問題形式のカバーが可能となります。それなりに量が多い問題集ですので、問題の取捨選択・とりかかる時期に気をつけて取り組みましょう。
『政治・経済 計算&論述特訓問題集』の習得レベル
レベル1:練習問題の「書くべきポイント」を5割程度押さえた解答を書くことができる。
レベル2:練習問題の「書くべきポイント」を8割程度押さえた解答を書くことができる。