[推奨]松濤舎の指定問題集です。
【決定版】数学の勉強方法と年間スケジュール
難関大学受験生向けに、数学の勉強方法と年間スケジュールをまとめました。参考にしてみてください。
『上級問題精講』の前にやること
『新数学スタンダード演習』『数学Ⅲスタンダード演習』を先にやります。
その理由は、多くの難関大学合格者が使っていること、入試レベルの問題で重要なものだけを総ざらいできることが挙げられます。
ここまでで、多くの国公立医学部であっても、十分に対応できる実力が身につきます。
『上級問題精講』に関する前提
最難度の問題をもっともわかりやすく解説した問題集
このレベルの問題を扱った問題集となると、ほとんどの問題集は解説がわかりにくいか、”その問題の解説”に留まり応用の効く知識にまで噛み砕いてくれていないものがほとんどです。
しかし『上級問題精講』は、扱っている問題のレベルは高いですが、解説がわかりやすいため、理解しながら進められる、大変良い問題集です。
『上級問題精講』を最終着地点とし、あとは過去問演習に入ってOKです。過去問の解説が十分理解できるようになっています。
入試頻出分野のみやればOK
全分野やるのはコスパが悪いので、頻出分野に絞って使用してください。
大学によって異なりますが、確率、数列、ベクトル、複素数平面、微分、積分、2次曲線は、多くの大学において頻出分野です。
「はじめに」のサマリー
「はじめに」を読むことで注意すべきポイントが掴め、学習効率が上がります。3分程で読めるので、必ず目を通すようにしましょう。
さて、本書の「はじめに」には次のような内容が書かれています。
- 難関大学の入試では、単純な計算だけで済んだり、どこかで覚えた解法がそのまま適用できるような問題の出題は少ない。いくつかの基本事項を適切に組み合わせたり、高校数学に現れる考え方を少しだけ発展させたりして、その場で解法を自分の頭で構成することによってはじめて解決するような問題が主流。本書は、そのような力が求められるような問題を選んでいる。
- 本書の解答には、高校数学から見て標準的で、自然な考え方に基づくものを採用している。
なお、「精講」を熟読することはもとより、「参考」「研究」にも目を通すようにしてください。途中で「類題」が出てきたら必ず解きましょう。
基礎問題精講、標準問題精講はやらない
本書は、旺文社の出している『基礎問題精講』『標準問題精講』の次に位置づく、シリーズ最難度の問題集ですが、『基礎問題精講』『標準問題精講』はやらなくてよいです。
その理由の1つに、『基礎問題精講』には基礎〜標準レベルの典型問題が載っているのですが、網羅性が低いことが挙げられます。
もう1つの理由は、『基礎問題精講』と『標準問題精講』のレベルの乖離が大きく、つまずく人が続出するからです。そもそも2冊に分かれているので、基礎レベルと入試レベルの問題が物理的に離れてしまい、基礎知識をスムーズに発展させにくいです。また、著者も異なりますので、同じシリーズではありますが別物と考えてよいでしょう。
こうした観点から、松濤舎では『基礎問題精講』『標準問題精講』は使わず、上位互換の問題集として『Focus Gold(フォーカスゴールド)』を指定問題集としており、『上級問題精講』は頻出分野に限って使うことを推奨しています。
『上級問題精講』の使い方
具体的な使い方は以下となります。
- まずは例題を解きます。その際、下記を意識します。
- 問題を解くために必要な知識は何か?(アプローチ知識)
- つまずきポイントがあらかじめ予測できるか?(展望知識)
- 問題を見て、解き方の流れとつまずきポイントが30秒位内に想起します。30秒以内に思い浮かばなければ下の解答を読み、内容を理解し、記憶しましょう。繰り返しになりますが、重要なのは手を動かしても完答できるようにすべく、頭の中では解答が鮮明に思い浮かぶまで繰り返すことです。方針や方向性だけが頭に浮かぶだけでは足りないので、この点は十分に注意してください。
- 手を動かして答案を書いているときは頭が働いていない時間になりがちです。手を動かすのは、あくまでも本当にアウトプットできるレベルで頭に入っているかを確認するための手段です。手を動かせと言われたら、ポイントを押さえた上でいつでも答案を再現できる状態になるまで、頭を動かしながら繰り返しましょう。
- 最終的には、自力で完答できるか確認してください。最短で自力での完答ができるようになるために、手を止め、頭を動かす時間を最大化します。
- 解説の最後に類題があれば、そのタイミングで類題も上記のように進めます。
『上級問題精講』を使う際の注意点
新しいアプローチ知識(=一歩目を踏み出すために必要な知識)と、展望知識(=式展開の途中で注意しないといけないこと)を身に付けるために『上級問題精講』を使って勉強します。
すでに『Focus Gold』で計算力は養われているので、解答と同じ答案を作る必要はありません。ポイントを押さえた上で完答できたらOKです。
手を動かしている時間は解答を写すだけの時間になりがちで、往々にして頭が働いていません。できるだけ頭を働かすべく、手を動かす時間は最小限に留めましょう。
最終的には「似た問題が入試で出題されても素早く完答できる状態」にしたいので、完答できるかの確認は必ずしてください。
『上級問題精講』の目次・問題掲載数
数1A+2B
章 | 問題数 |
---|---|
方程式と不等式 | 13 |
三角関数・ベクトルと図形問題 | 17 |
指数関数と対数関数 | 5 |
図形と方程式 | 15 |
微分積分 | 15 |
数列 | 11 |
場合の数と確率 | 16 |
整数問題 | 15 |
論証 | 9 |
※類題 | 30 |
数3
章 | 問題数 |
---|---|
式と曲線 | 13 |
複素数平面 | 18 |
数列の極限と関数の極限 | 10 |
微分法とその応用 | 23 |
積分法とその応用 | 28 |
面積・体積と曲線の長さ | 21 |
※類題 | 25 |
『上級問題精講』の習得レベル
レベル1:50%の問題において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる。
レベル2:50%の類題において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる。
レベル3:80%の問題において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる。
レベル4:80%の類題において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる。
『上級問題精講』の次にやること
過去問演習に入ってください。
すでに過去問の解説が理解できる状態になっています。