▼受験観
・大学に入学すると単に知識学習だけではなく、理由や考察を考えたり、それらを他者に説明したりすることが求められます。さらにその先には企業人や研究者としての道で多くの人とコミュニケーションを取り成果を出していくことが求められます。いかにそうした過程でなるべく多く成功体験を積んでいけるかは、失敗による経験学習が非常に重要です。特に「受験勉強」は演習と復習というトライ&エラーの典型例であり、経験学習スキルを上げる絶好の機会だと捉えて勉強していました。効率の良さを追求するためにどうすればもっと効率が上がるかを、失敗することで改善できると分かるようになってからは、成績で一喜一憂することも少なくなりました。
・一方で、受験を効率的に突破するための戦略も考えるならば、いかに自身の関心の高い科目を寄せ集めておくかを意識すべきだと感じていました。歴史が好きな人は世界史と日本史をセットで学習する、フィールドワーク系が好きな人は地理と地学をセットで学ぶ、という具合にです。科目間で知識を相互補完できると、学習の難易度が一気に下がりモチベーションもキープし続けることができました。
▼記憶観
・人間は忘れるものなので、いかに自身の興味関心と結びつけて記憶するかが重要です。英単語は使われるフレーズや場面をイメージとセットで覚えたり、地歴科目は具体的な場所や地域を訪れたりするなど、自身の興味関心とセットで記憶することを常に心掛けていました。例えば英単語は意味というよりもイメージが想起できるかを重視していました。
・暗記が出来ているかどうかの判断指標としては、人へ教える(説明する)ことができるかを自問自答してみることです。学習効果は他者へのteachingが最も効果的であると証明されています。ブツブツ独り言を唱えるようにして、アクティブラーニングを自身の受験対策に組み入れて効果的に自身の定着度を検証するようにしていました。
▼モチベーション観
・モチベーションの強弱は人それぞれであり、やる気は一定ではないものです。一方でモチベーションの高いときに学習すると効率が良いのも事実です。つまりモチベーションで重要なのは、いかに自分のモチベーションを高くするために趣味をコントロールするか、だと考え、息抜きをするタイミングをとても重視していました。
・模試での成績がモチベーションを一喜一憂させることはしばしばありますが、最も怖いのは「今まで調子良かったのに本番だけ失敗した」というケースです。「出来の悪さを証明することが一番良い報酬」であると考えを切り替え、モチベーションを乱高下させない落ち着きを持つようにしていました。
▼数学観
・数学は答えが1つに求まることが特徴なので、大事なのは求めるための引き出し、つまり解き方をどれだけ多く知っているかです。また、解き方の経験値を増やすだけではなく、教科書にある基本的な定理を証明できるようにするなど、根本からロジカルに説明できるようになることが数学の問題へのレスポンスを上げる近道だと思っていたので、基本定理の証明と典型問題の解答は即レスポンスできるよう繰り返し学習していました。
▼英語観
大前提
・そもそも英語は言語であり、受験勉強のために暗記するだけのものではありません。コミュニケーションツールです。日常的な英会話は必ずしも皆が正しい文法で話しているわけでもありません。しかし言語として相手に伝わるよう使うのが英語です。どう言えばこの表現が正確に伝わるかなど、英語をより応用できるように辞書は英英辞典を意識的に使うようにしていました。
単語
・単語帳を使った一次暗記は必要ですが、単語の語源やコロケーションなどにも目を向けるようにしていました。英単語は日本語と1:1対応している訳ではないと思っていたので、意識的に英英辞典を使っていました。英英辞典をスラスラと引けるようになってからは英語への抵抗も大分減りました。
文法
・文法は最も正確に理解していないといけないポイントだと思っています。文法が固まっている人とそうでない人では入試での得点のベースが変わってくると思っていたので、どの文法分野でも基本的な文法問題は決して落とさないだけの演習を重ねました。
和訳・精読
・英語は日本語と1:1対応する訳ではないので、和訳するときに英英辞典を使ってそれぞれの単語の意味を確認するように心掛けていました。同じ意味を持つ別表現がないか、余裕のある時には必ず調べてセットで覚えるようにしていました。
和文英訳・自由英作文
・同じく英語と日本語の違いを踏まえ、英英辞書で表現の違いを理解している人は、日本語の表現から英語に直す候補がいくつもヒットしているはずなので、英語に直すときは選択した単語や熟語のチョイスをきちんと説明できるように心掛けていました。
リスニング
・英語には日本語にはない音もあり、聞き取れないことがあるのは当然だと聞いていたので、逆に自分が聞き取れない音は何かを明確にするために、毎日のスキマ時間にpodcastなどを活用して繰り返し聞き、スクリプトを見て自分の聞き取れない箇所を明確にしていました。
長文
・英語は日本語と語順が異なるため、長文において戻り読みをしがちですが、いかに戻り読みせずに読み進められるかを考えながら英語の対策をしてました。英語の思考法としては「結論」→「補足」の順番で文章がよく組み立てられるので、こうした思考法を訓練できる英会話スキルを伸ばす書籍を参考にしていました。
▼国語観
現代文
・論理構造を把握し、整理した情報を伝えるのが現代文入試なので、例えば今日の出来事を端的に説明できるように、他者へ情報を整理し過不足なく伝える訓練として、要約練習を積み重ねました。学習した内容を要約するという意味では、他のあらゆる科目に応用していました(例えば日本史の論述対策など)
古文
・英語同様、文法は最重要ポイントとして押さえないといけないと思っていたので、古文文法ドリルと古語単語帳を徹底的に繰り返し勉強していました。文章読解ではこれら文法を品詞分解できた上で、いかに主語把握できるかが重要だと認識していたので、敬語は特に対策を心掛けました。
▼地学観
・地学は出題のレパートリーがとても多い訳ではないため、地層・気象・天体など、一つひとつの分野についてセンター過去問を使い、過去問演習をしながらテーマ別出題パターンを理解していくと効率よく対策できると考えていました。また、地理とセットで学習することで、科目間で知識を相互補完でき非常に効果的でした。
▼日本史観
・世界史に比べ出題が細かいと言われることもあるため、割り切って政治史と文化史は別々に理解していました。まず政治史をきちんと押さえる。ポイントは細かい知識ではなく概要を話せるようになることを心掛けていました。1つの時代を極めるのではなく、前後の時代と絡めて話せるようになる―概要が点ではなく線で理解できるようになると、細かい知識を覚えたり文化史を押さえたりするのが容易になりました。
▼地理観
・地理はフィールドワークの科目なので、「地図帳と友達になる」くらいに地図帳必携で学習していました。地理も「地理文法」があるので、必ず地図帳・イメージと根拠をセットで押さえるようにしていました。地理と地学は共通点も多く、相互の科目知識で補完することで当日本番の試験でも乗り切ることもできました(例えば地理の海洋や海溝、地学の地震や地層、鉱石などはどれも関連している知識)
▼政経観
・日常の生活に近い科目であり、政治・経済のそれぞれのテーマについて具体的な例とセットで理解するようにしていました。自身が学生だったらどうか、あるいは成人したらどうか、など、自分自身を例に仕組みがどう適用されるのかをイメージしながら考えるようにしていました。