【学習観】Iさん（東大理三）

▼受験観

・効率化を重視しすぎると目の前の勉強が正しいかどうかの不安に常に駆られてしまい、勉強が苦痛になってしまう。完全に効率の良い勉強法などないと諦め、ある程度の効率は量でカバーするつもりで勉強した。

・これで受かるという境界は絶対に無く、これをすれば完璧と言った文句は全て疑ってかかった。

・自己流の勉強法に固執するのは危険だし、負担が大きいと考え、課題や授業の出席などは、意義をあまり実感できなくてもこなすことにしていた。

▼記憶観

・一回で完全に暗記することはできないと踏んで、何度も目を通すことを意識した。

・見たはずのものを忘れてしまっていてもそこで落ち込まずに覚え直すこと、その時周辺の知識（単語帳の両隣等）にも目を通すことを繰り返すことを繰り返した。一書も一音読も百見には及ばないという考えが根底にあった。

▼モチベーション観

・何すればいいかわからないからモチベーションがわかないのだと考え、前日にすると決めたことは、やりながらその意義に疑問を持ってもそれを考えないでやり通すようにした。

・もう1人の自分が自分を監視していて、その自分が自分のことを好きになれるような頑張りを見せる、という想定で自分を律した。

・現役での悔しさを思い出せば、やらないとという気持ちになった。

▼数学観

・多くの問題に触れることで経験値が養われると思っていたので、一問一問じっくり取り組むというよりは、誤りを確認したらすぐ次の問題にいくようにしていた。

・数学は時間勝負的な面が強いので、スピード重視の問題演習を心がけた。

・ただし全く見覚えのない解法に会ったときは、量をこなしてもなかなか会えないかもしれないので、その一問で答案を頭に叩き込んだ。答案を写すことで答案作成者が自分に憑依すると考えていたので、一問で仕留める時は答案の忠実に再現する勉強を行った。

▼英語観

単語

・一周しかしてない単語帳はしてないも同然と考え、単語帳は鉄壁一冊に絞った。

・単語は出会いだと思うので、知らない単語に文中で会えば復習の時に軽くまとめて記憶にとどめ、何回か会うことで自然と定着するようにした。

文法

・マイナーなものはあげればキリがないほどあるので、単語帳のように暗記するものと考えていた。文法に関しては理屈を聞くよりもそういうものと暗記する方がよっぽど早いと考えていた。

・センスで無く努力が問われるものとして、落としたくない分野だった。

和訳・精読

・記号は多用した。日本語と語順が違う時点で、日本語に直すのはパズル的なゲームであり、そのピースを見やすく整理したかったからだ。

和文英訳・自由英作文

・カッコつけた文章作りは、丸暗記をしたものを除けば、早々に諦めた。そうでない簡易で理解しやすい文章はほぼ訓練なしで書けるので、この分野にかけた時間は少ない。第一、多彩な英語という科目のなかで、英作文のみ表現を生み出すという異質性をもつ。これには英語のセンスが極端に作用すると考え、時間をさく気になれなかった。

リスニング

・最も効果の高い英語の勉強法と考えていた。長文読解にもなるし、単語も音声付きでしかも文中の要素として記憶することができる。時間を見つけては聞いていたが、やったつもりになりやすい分野でもあるので、文の意味を追えてるか確認し、できていなければ即確認するようにして勉強した。

・最も直前対応じゃどうしようもない分野なので、早め早めの対策を心がけた。そして長期スパンで感じる、慣れの感覚、を楽しむように学習した。