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【決定版】『東大日本史問題演習』の使い方とレベル

『東大日本史問題演習』の使い方

基本的な教科書レベルの知識習得

この点は本教材を利用する前の段階ですが、非常に重要なので記載します。インプットが不十分なまま問題に取り組んでしまうと、貴重な過去問を最大限に活かすことができません。最低限教科書に記載している内容は頭に入れてから取り組んだ方が、本教材の利点を活かすことができます。

問題を自力で解いてみる

東大日本史の特徴は、問題文を吟味し格闘しないと解けない点にあります。最初は問題形式に慣れず、苦労すると思います。そこですぐに解答を見てしまうと、その場では理解できると思いますが、本番で問われる思考力は鍛えられません。

問題文や与えられている史料をよく読み、問われていることは何か徹底的に考え抜いてみて下さい。解答に必要な要素は、既に習得している知識か、問題文に書いてある内容です。

解答と自分の答案を見比べる

模範解答と自分の答案のクオリティの差に驚くことでしょう。内容自体は基本的なものなのに、問題文で問われていることにしっかり答えきれているかどうかに明らかに差があります。

「自分の知識」と「問題文・史料の内容」を組み合わせて、「論理的に」「問われていることに解答」できているかがポイントになるはずです。

解説を読みながら、足りなかった要素を自分なりに書き出してみる

「自分の知識」が足りなければ、教科書など他の教材を使ってすぐに補いましょう。

「史料の内容」をうまく読み取れていなければ、なぜ読み取れなかったのか徹底的に考えましょう。史料から解答に必要な要素を取り出すことができなかったのか、それとも取り出せはしたが使い方がわからなかったのか。

具体的な史料から抽象的な要素を取り出し解答することは、訓練すれば慣れてきます。東大の過去問は非常に質が高いので、過去問演習自体が一番の教材になります。

「論理的に」解答できなかったのであれば、解説を読み込みましょう。要素が揃っていても、それらを適切につなぎ合わせることができなければ、減点は免れません。その問題では1〜2点の減点で済むかもしれませんが、それが5問、10問と積み重なってくると大きな差になります。科目は違いますが、東大現代文も同じ力が問われます。

「問われていることに解答」できなかったのであれば、同様に解説を読み込みましょう。例えば、物事の「原因」と「背景」の違いなどです。太平洋戦争が始まった「原因」はと聞かれれば、日本が真珠湾攻撃をしたからと解答すると思いますが、太平洋戦争が始まった「背景」はと聞かれれば、日本の国際連盟脱退、日中戦争など様々な要因が思い浮かぶことでしょう。それら要素のうち何を書けばいいのかは問題文や資料に必ずヒントがあります。文字通り問題文と「格闘」できていたか振り返ると良いと思います。

また、「結果」と「影響」の違いなどが挙げられます。太平洋戦争の「結果」は、日本側の敗北ですが、太平洋戦争の「影響」は、日本の非軍事化・民主化等多岐に渡ります。それら要素のうち何を書けばいいのかは問題文や資料に必ずヒントがあります。

大まかに歴史の流れは、一つの出来事に対し「背景→原因→出来事→結果→影響」の順番で推移していくと考えておけば良いでしょう。

『東大日本史問題演習』に関する前提

本教材は、東大日本史の過去問が中心に掲載されている「東大受験生に向けた問題集兼参考書」です。

詳しくは後述しますが、本教材の特徴の一つは模範解答の質にあります。

問われていることに論理的に解答する・・・聞けば当たり前かもしれませんが、模範解答を見た瞬間に「これなら満点だな」という解答が揃っており、そこに至るまでのプロセスも明快です。

その為、自分の解答と見比べることによって、自分にはどのような力が足りないのか、それを補うためにはどうすればいいのかがはっきり分かります。

『東大日本史問題演習』を使用するタイミング

使用を開始するタイミングは、教科書の内容がある程度頭に入っていきた段階からがおすすめです。遅くとも高校3年生の夏休みまでには取り掛かりましょう。

受験期の最後の最後まで使える良質な参考書です。

個人差はありますが、共通テスト形式の試験で8割ほど正解できる状態が一つの目安になります。

教科書などでインプットした基本的な知識を、しっかりとアウトプット出来るようにするために使用するイメージです。

『東大日本史問題演習』の役割、位置付け

前提として、東大日本史は使う知識自体は共通テストと変わらない(=基本的な知識を問われることが大半)にも関わらず、問題の難易度は非常に高いレベルにあることが特徴です。

そのため、共通テスト形式の試験では高得点が取れるにも関わらず、東大日本史の形式になると思うように得点できない生徒が大量発生します。

東大日本史の過去問を解いたことがある人は、いざ自分で解いているときはさっぱり分からなかったのに、解答を見てみるとなんてことはない知識を組み合わせたもので驚いたなんて経験があるでしょう。

その原因は、2点あると考えられます。

  1. 問題文や史料の内容と自分の知識がうまく結びついていないので何を記述すればいいのか分からない。
  2. 解答するのに必要だと思われる知識はいくつか思い出せたが、それらをどう組み合わせて良いか分からない。

本教材はそんな悩みを抱える受験生にとってぴったりな参考書です。

本教材を使用すると、東大日本史は問われている知識自体は非常に基本的なことであると同時に、問題の「奥深さ」に気付くことでしょう。

英語や数学に比べて中々日本史の勉強時間が確保できない受験生にとって、限られた時間で結果を出すには有用な参考書の一つであることは間違いないでしょう。

『東大日本史問題演習』を使う際の注意点

①解答をすぐに見ない

初めは問題文で問われていることがわからずに解答を見たくなってしまうと思います。そして、解答をみると「なんだ、これを書けばよかったのか」と納得することでしょう。

これは危険です。

なぜなら、解答を見て納得することと、自力でベストな解答を導くことは全く別だからです。限界まで問題文と格闘してみて下さい。初めはどこまで格闘すればいいのか分からないと思いますが、だんだんとコツが掴めるようになってきます。

②分析する

どの問題演習にも言えることですが、間違えた時になぜ間違えたのか分析しなければ意味がありません。なぜ正解できなかったのかを分析しなければ、その後の行動が定まりません。

『東大日本史問題演習』に関するまとめ

東大日本史は私立大学の日本史に比べて、細かい知識はあまり聞かれません。自分が持っている知識を、問題文や史料と組み合わせて論理的に解答できれば自ずと点数はついてきます。

しかし、そこが難しいところでもあります。逆に言えばそこが押さえられれば、無駄に時間を取られることなく高い得点が取れるようになります。

前述した、東大日本史を受験する生徒にありがちな、①問題文や史料の内容と自分の知識が結びつかず、何を書けばいいのか分からない。②解答するのに必要だと思われる知識はいくつか思い出せたが、それらをどう組み合わせて良いか分からない、といった悩みにこの教材はぴったりです。

「自分の知識」と「問題文・史料の内容」を組み合わせて、「論理的に」「問われていることに解答」できるようになりましょう。