はじめに
対談相手:東京医科歯科大学 医学部医学科 1年(松濤舎卒業生)⇒合格体験記はこちら
今日は宜しくお願いします。
第一回の共通テストで95%(854/900点)とった卒業生として、いろいろとお聞きできたらと思います。
宜しくお願いします!
今日は、当事者としての経験を聞きながら、これから受験する人がどう対策していくべきか、明らかにしていけたらと思います。
わかりました!
①全体について
はじめに、第一回の共通テストをどのようなものと認識していましたか?
まず最初に言いたいのは、共通テストの勉強を甘く見ちゃいけないってことですね。
共通テストを甘く見ると足元をすくわれるなっていうのがあったので、どこかで共通テストの勉強はしっかりしようって思ってて。
なので、1月に入ってからは切り替えて共通テストをしっかり取ろうっていう感じでやってました。
日本史Bだけはそれまで全くやってなかったので、12月の半ば、20日ぐらいからやりました。
医科歯科のように個別試験の比重が大きい大学であれば、1月以降に共通テスト対策に入れば十分ですよね。一般的な国公立医学部だと、12月中旬から徐々に共通テスト対策に軸足を移していくのがセオリーです。
医学部は、共通テストが結構大きなレートを占める大学が多いですからね。
私は、共通テストで逃げ切りをしたかったっていうのもあったので、共通テストをしっかりやるっていう作戦で間違ってなかったなとは思います。
周りには共通テストで800点行くか行かないかみたいな子も結構いたりするけど、私の場合はそんなに2次で勝負っていう感じではなくて、積み上げ積み上げっていう感じだなって思ってたから、共通テストでもしっかり合格者平均よりちょっと上を目指してやってました。
あと、共通テストでちゃんと取れると、そのあとの2次の勉強が、気持ち的に、メンタル的な面で楽になるなっていうのがあったので、よっぽど自信がある人じゃない限りはしっかりやった方がいいのかなって思います。
これが全体的な話です。
ありがとうございます。
共通テストがどんな感じになるか当日になってみないとわからない中で、対策についてはどのような認識を持っていましたか?
本当に情報がないので、他の人がやってるのと同じものをするしかない、 他の人がやってるであろうものと同じものは最低限した方がいいのかな、っていう認識でした。
それ以上は他の人もやってないんだから対応はできないかなって思ってたから、試行調査をまず2回分解いて、その後は共通テスト予想問題みたいなのを5-6回分解き、日本史に関しては出る内容ってなんとなく決まってるなって去年の時点で思ってたので、復習の意味を込めてセンターの過去問も解きました。
試行調査とは?
共通テスト実施前の平成29年度と平成30年度に2度行われた、試験的なテストのこと。新形式の問題の正答率などを確認し、共通テストの難易度や形式を決めることを主な目的としていました。受験生や各予備校は、試行調査をもとに第一回共通テストがどのような試験になるか予想するしかなかったのです。なお、多くの科目で新傾向の問題が多く盛り込まれたこともあり、平均点は大きく下がりました。
もし今年の受験生だったら、第二回の共通テストに向けてどんな対策をすると思いますか?
正味、共通テストとセンターはそんなに変わらなかったっていうのがあって。
聞き方が違うだけで、結局聞かれていることは変わらないというか。あまり身構える必要はないのかなって思います。
英語とかは違いが顕著だったようには思いますし、どうしてもスタイルに対する慣れは必要だから、そのために予想問題とか、試行調査・・・試行調査とはかなり違う問題が出たので微妙なんですけど、やっぱり予想問題を有効活用するのが良いかなって思います。各予備校がしっかり分析をして作ってるのが予想問題だと思うので。
第一回共通テストを受験した人はみんな試行調査は解いて本番に臨んだと思うのですが、蓋を開けてみれば、難易度も形式も少し違っていました。
もし今年の受験生だったら、試行調査は解かなくていいと思いますか?
やっておくに越したことはないかなとは思います。
っていうのが、試行調査は、最終的にこういう方に持って行きたいよっていう入試センターの意思表示だと思うので、そこからやっぱり「こういう事を聞きたいんだろうな」っていう分析をするのが大事だと思います。
なるほど。
結局、試行調査はこういうのにしたいって作ったものの、あまりにも平均点数が低かったということでもう少し点が取りやすいテストにしようってできたのが第一回なわけであって。
でも多分、入試センターとしては試行調査のような問題を最終的には作りたいのかなっていう風に考えると、やっといて損はないかなって思います。
第1回と第2回が同じスタイル、同じ形式でそのままいくっていう確証もどこにもないですしね。
そのとおりですね。
では、少し粒度を下げて・・・英語はもっとも大きく形式が変わった科目でしたが、どのように考えていましたか?
そうですね、もう本当にスタイルに慣れることと、時間配分ですね。
読むこと自体はできるなって思ってたから、別に特別な何かをするってわけではなくて、長文がこれだけあるからゆっくり読んでちゃ間に合わないよね、っていうのを自分の中で覚えておくっていうか。
じっくり読めば点数は取れるけど、そういうテストではないから、どれくらいのラフ感で解いていけばいいのか、どれくらいのスピード感で解くのかっていうことへの対応ぐらいかなって感じです。
医科歯科の個別試験の対策をしていれば、形式慣れと時間配分決めだけで十分ですからね。
よく言われていたことですが、多分9割ラインは変わらないんですよ。
9割ラインを取ってくる人ってあまり影響を受けてなくて、75%ラインの人達が結構大きな影響を受けてたっていうのは色んなところで聞いていて。
私は9割ラインだったので、あまり影響を受けなかったと思います。
そのスタイルチェンジとか、内容も少し変わってるけど、あまり変わらないかな。
医科歯科の英語は量も多いから、2次対策をやっていれば共通テストの対策も兼ねるというか、形式変更があっても守備範囲内でしたよね。
そうですね。
75%から80%ぐらいの人は結構、対策をしていかないと時間が間に合わなくて大きく点数を落とすとかがあったと思うから、そういう人は形式への慣れに重点を置いてもいいのかなっていう感じはあります。
必要な知識自体は別に変わらないかな。
必要とされる知識、必要とされる能力が違うっていうよりは、どう処理するかとかっていうことが問題だったと思います。
「処理」という言葉は今日のキーワードになりそうです。
それでは一旦、各科目の話に入っていきましょう。
②日本史
さて、1日目は社会からでしたね。改めて、日本史Bの過去問を見てみてどうですか?
単語を聞かれるものが明らかに多かったセンターから、内容を聞かれる問いが多くなったなって思いました。
ただ、割と試行調査よりセンター寄りだったかもしれないです。
すごい大きいのは、グラフと資料読み取りが多くなったことです。グラフ・地図・資料読み取り問題。
それに時間がかかるともったいないから、時間をかけないっていうのを意識して解いてましたね。
試験が始まったら、先に全部の問題にザーッと目を通して、変更点や全体のボリューム感、時間配分の修正は必要か・・・みたいな確認しましたか?
してないです。
もう頭からタタタタタって解いていって、少しでも悩んだら飛ばす、っていう風にやりました。
どっちにしろ時間勝負だと思っていたから、本当にもうダダダダって解いて、資料読み取り問題とかは時間がかかるから後回し、みたいな。
もともと満点近く取るつもりだったから頭から解いていったと。それは全科目で共通していたことですか?
そうですね、大体そうだと思います。全部頭から解いていって。
あとで時間が足りないっていうと焦るので、焦るのだけは避けたかったから、解ける問題だけできるだけ埋めようって感じです。
日本史の問題を頭からザーっと解いていく中で、結構グラフ問題多いなとか、資料問題多いなって思ったと思うのですが、面食らったりはしませんでしたか?
試行調査の時点でそういう問題はとても多かったのと、予想問題でもめっちゃ多かったので「あーそうですよね」って感じでした。
何なら思ってたよりは少ないかもってくらい。
ひと通り解き終わるのにどれくらい時間かかりましたか?
うーん20分くらい。穴だらけで20分ぐらい。
随分飛ばして解いてたんですね。
それぐらい飛ばして、時間がかかりそうな問題だけじっくり確認しながら解いた。
・・・で、日本史の点数よかったですよね、というか満点でしたね。
満点です。
さすがです。
他に何かあるかな、日本史。
やっぱりセンターは「読んで単語を覚えるだけ」って感じだったんですけど、共通テストは割と教科書をしっかり読んでないと解けない問題が多いので、高得点を狙う場合はですけど、かなりちゃんと対策していった方が良いのかなって思います。
教科書の部分をもう少し掘り下げると?
言い方が難しいんですけど、今年は単語自体は別に分かってなくてもいい・・・って言ったら変ですけど、例えばその法律だったりとかその事件だったりとかがどういうものでいつ起きたのかっていうのが分かってないと答えられないというか。
なぜそこに繋がったのかまで分からないと解けない問題でした。
満点を取りたい場合はですよ、満点近く取りたい場合は。
そこまでやらなくても、センターと同じ対策で8割は取れる試験ではありましたよね。
ちなみに、予想問題は結構当たっている感覚でしたか?
割と当たってます。
ただ、予備校は試行調査ベースで作ってるんで、予想問題の方が少し難しかったです。
当たってたというのは、同じ問題が出たって言うことではなくて、形式が似ていたってことですよね?
形式は当たってました。大体。
問題自体が、予想問題ドンピシャってものはほとんどなかった印象ですか?
そうですね。
ただ、予想問題も5回分解けば結構な問題数があるので、一部は当たってるし、一部は当たらないって感じですね。
これはセンターの時と同じかなって感じではあるんですけど。
なるほど。
最後に、もともとあった日本史の知識のベースは何でしたか? 例えば、学校のプリントの穴埋めでほとんど知識入れましたとか、教科書ですとか、一問一答系です、とか。
教科書です。
ただ、私読むだけではできないタイプだったから、センター日本史の過去問を解いて知識の確認をしたり、って感じですかね。
教科書は全部しっかり理解するってよりも、流れを読み取るって感じです。
教科書で流れを掴みつつ過去問を通してインプットするという対策は、やはりセンターも共通テストも同じってことでしょうね。
形式慣れは、試行調査と予想問題5〜6年分を解けば十分、と。
あ、現役時代に解いたセンター試験も含め、過去問は累計で何年分解きましたか?
20年です。
ありがとうございます。
では、続いて国語に移りましょう。
③国語
国語は、形式が結構変わりそうで怖いな、と思っていた科目だったのですが、当日受けてみてどうでした?
なんか面倒臭くはなったなぁという感じでした。
どういった意味での「面倒くさい」ですか?
センターは、文章の一部を取り上げて、これはどういうことかっていう問題だったけど、共通テストはそういう問題もありつつ、文章全体がどういう流れになっているか、とか、どういう段落で分けますか、とか、文章全体としての理解や構造が問われるようになったというか。
今までだとイメージとしては、「前半の問題⇒中盤の問題⇒後半の問題⇒全体の問題」みたいな感じだったんですけど、それがもう「全体の問題⇒全体の問題⇒・・・」っていうぐらいの印象で。
それは、試行調査や予想問題から予想できたたことですか? それとも予想外って感じ?
わかってたと思います。試行調査もそんな感じだったので。
ただ、試行調査はこれにまたプラスで、もう少し他の資料も使うみたいな。
その資料が、あまり国語と関係ないっていったら変ですけど、生徒会規則とか法律がなんちゃらとかそういう資料が載せられてたんですが、今回の評論はそういう資料がなくて。
その分、試行調査より難易度は低かったですよね。
文章自体の難易度にはどんな印象を受けました?
私はそんなに読みにくいとは思わなかったです。
国語の試験が始まったら、最初に評論に取り組んでいますか?
はい。
ただ読み進めてどうしても読みにくい時ってあるじゃないですか。
その時は 古文に移ります。けど基本は評論ですね。
評論はどういう順番で読んでいましたか? 頭から? 問題から?
はい、頭から。
で大体、一番最初漢字が出てくるじゃないですか。漢字が出てきた時に問題を読むんです。
一応、オススメしている読み方を改めてまとめると、
・まず最初の文章読み、
・その次に最後の文章を読む、
・そのあと各段落の最初の一文あたりを読んで、
・問題に入る、
という順番です。文章展開の自由度が相当制限されるんで、とても楽に読み進められます。
人って文章展開を予想しながら読んでることが科学的にわかっているので、この読み方をすると「予想にかかる認知的負荷」がめっちゃ減るんだよね。
だけどまぁ、ここら辺は人それぞれかな。
そうですね。
私は本読むのが好きだったので、前から読む事になんの苦痛もなかったんで。
いつも通りの読み方をしていって・・・問題文を見たら問2とか問3、問4もセンターっぽい「説明問題」だったわけだけど、問5からノート形式の、全体の構成に関わる問題が出てきたと。
そうなんです。この辺が面倒臭いんですよ。
そもそも僕は文章構造を問う問題の意義がわからなくて・・・構造把握は著者の主張を読み取るためのいち手段でしかないですからね。国公立も私立も、個別試験では綺麗な構造の文章は出ないと思っていたほうがいいですし。
だから本当、文脈理解ですよ文脈。
文章理解だけじゃなくて、文脈的にどうなのかなみたいなところがあるかなって気がします。
このノートを作る形式の問題は、その場でどう対応しましたか?
別に、そんなに難しいものではないっていうか、そもそも似たような形式の問題は予想問題でやっていたので、面食らったとかはなかったです。
ノートじゃなくて、クラスの会話形式とかがずっと予想されてましたが。
そこで面食らったりはしてないかなっていう感じです。
ふむふむ。
割と予備校が作ってる予想問題って、色んな人が分析してるだけあって、悪くないと思います。
もちろんあれが正解だとは思わないんですけど。
試行調査や予想問題で予想されていた範囲内の形式だったってことですね。
そうです。
小説はどうでした?
小説は資料が出たんですよ。
プラスアルファの資料があったんで、単純に読む量が増えるなって感じました。
国語はやっぱり時間配分ですね。
資料が出てくる形式の問題も、予想問題では解いてたんですよね。
そうですね。
これもだから・・・試行調査の方がやばかったんです。
試行調査だと1ページ丸々資料みたいなのも結構あったし、それに比べればちょっとやわらかくなったかなって感じがしました。
試行調査や予想問題をやっていたから、まんま同じ形式じゃないけど、ほぼ想定内だったからその場で対応できたってことですね。
はい。
センター形式しか解いてなければ面食らいますけど、大体こういう形式が来るなって思ってて、想定内のものなら対応できるじゃないですか。
なるほど。
少し実戦的な質問になりますが、資料問題ってどう解くといいと思いますか?
国語の資料問題だと、何かしらその資料を選んだ理由があるんで、何でその資料を選んだんかなっていうのを考えると、割と分かりやすいかなっていうのがあります。
あと、本当に時間がかかるんで、資料は全部しっかり読むっていうよりは、先に問題読んだ方が絶対いいかなって。
全部読んでると日が暮れるんで。それぐらいですかね。
古文はどうでした?
古文は、あまり覚えてないのですが。
センターからの変更点があんまりなかったですからね。
でも古文も、問5に文章みたいなのがあるじゃないですか、そういうところがちょっと面倒だったというか、違うところなのかなとは思います。
やっぱりプラスアルファの資料とか文章があるかっていうのが大きくて、もうそうなってくると、理解っていうより処理の問題になります。
古文・漢文は資料が出てくる場合と、問題文が2つある場合みたいなのがあって、この辺がちょっと長いし読みにくいんですけど、誘導に乗っかっているとそこまで難しいことではないかなという風には思います。
何度も言っているように、問われている知識はセンターと変わらないけど、聞き方が少し変わったってことですね。
そうですね。
必要な古文単語が増えたとか、漢文の句法をもっと知らなきゃできなくなったとかではなく、単純にどう処理するかっていう練習が重要かなと。
これは、他科目でも同じ話になりそうですね。
ただ、「処理能力」をどう上げたらいいかっていうと、これってすごくプリミティブな能力だから上げるのってすごく難しいと思っていて。
瞬時に対応する反射神経のようなものって、意識的に鍛えることが難しいというか。かといって無意識的にトレーニングしても効率悪いし。
だから試行調査や予想問題を使ってトライ・アンド・エラーを繰り返していくしかないっていう・・・当たり前の話になってしまいますね。
でも実際、そうかなと思います。
処理能力についてはこのあとも、各科目の話をしながら掘り下げていきましょう。
④英語
続いて英語。
まず、リーディングからいきましょう。リーディングはどうでした?
いやもう、リーディングこそ時間です、時間。時間勝負です。
単純に文章量も多いし、資料も多かったですね。
そうです。
聞かれてることが難しくなったというわけではなくて。時間かければ解ける問題しか出てないんですけど、単純に文章量が多いので、その辺をどう割り切るか・・・全部丁寧に解こうと思ってると、制限時間内で解けなくなるので。
どんな感じで解きました?
私はもう最初からザーッって解きました。
ちょっとでも「ん?」って思ったら、後回し。
日本史と同じですね。
リーディングも、試行調査や予想問題からは大きく外れてない印象でしたか?
そうですね。
去年までは発音・アクセントとかがあったけど、もうしょっぱなから長文でっていうスタイルは予想通りでした。
あと、メール形式のものがあったりとか広告形式のものがあったりとかっていうのは、試行調査や予想問題と同じスタイルだったのかなっていう風に思います。
ですね。
英語は一番形式が変わりましたが、医科歯科の個別試験対策してた人からすると、特に言うことないかな?
そうですね。
特別何か対策をするとかではなく、本当に長文ばかりだから、長いのいっぱい読まなきゃいけないていう心づもりで対策することですかね。
英語長文の内容自体は、基本的に全部理解できていて、要は日本語を読んでるような感じです、このレベルだったら。日本語読んでるというとちょっと極端ですけど、そこまで難しいとは思わなかったです。
英語でも「処理能力」が必要だったと思いますが、それってどんな能力だと思いますか?
全部の単語を理解するって難しいんですよ。
分かんない単語があるときに、そこでつまずかないでなんとなくで読めるかとか。
例えば、ちょっと理解できない部分があったとしても、全体から「あ、こういうことかな」って思って、そこに情報があると思えば、ゆっくり読むとか。
英文って同じスピードで読んじゃダメだと思ってて、必要なところをゆっくり読まなきゃいけないし、ここ別にいいやっていうところは早く読めばいいと思うんですけど。
その練習ですよね、多分。
素早く読解する能力がベースにありながら、精読のスキルを身につけていきましょうってことですよね。
英語も、評論のように先に文章を読んでから解いていきましたか?
頭から読みました。これも本当に人によると思います。
頭から読んで、問題に関わりそうなところが来たら問題にいくという感じ?
そうですそうです。
1段落読んだら、ちょっとそろそろ問題見ようかなぐらい。
何も分かんないのに問題読んでもわからないタイプだったので、私が。
先に問題だけ見てもわからないと思います。
文章を読む前に問題を見ても、わかることってちょっとしたキーワードくらいで。最初の10秒でざっと問題に目を通すくらいはいいと思いますが、1分かけても情報量は変わらないので、早く本文読んだほうがいいですよね。
1段落読めば大体こんな話かなっていうのは見えてくるから、そこを読んでから私は問題読んだ方が問題の理解ができた感じです。
英語長文のオススメの読み方は、評論文とまったく同じ。英語の文章読解のほうが認知的負荷が大きいので、現代文以上にオススメです。
時間はどうでした?
ギリギリでした。思ってたよりギリギリでした。
ほお。
私でこれなら、解けてる人どんだけいるんだろうと思いながら解いてました。
9割狙わない人は全部解けなくても気にしなくていいんじゃないかなっていうぐらい量がありました。なので、本番前は時間を測って、これが自分のスタンダードなスピードだなっていうのを知っておくといいです。
それで、自分の目標としてる、英語で目標としてる点数を取るためにどういう時間配分、どういう点数の取り方をすればいいのかっていうのは意識していった方がいいのかなとは思います。
全部解かなきゃいけない人間なのか、大問1は捨ててもいい人間なのか。それがわかれば本番は変に焦らないと思います。
配点は予想通りでしたか?
だいたい予想通りだったと思います。
他の科目も?
はい。
これ一個間違えるだけでそんなに引かれる? みたいな印象の配点はなかったです。
全体的に問題量が多くなって処理能力が問われるようになった気がするので、逆に一問あたりの配点は小さくなったように思います、感覚的に。
面白いです。
問題量については、蓋を開けてみたら増えた科目もあれば例年通りの科目もあったわけですが、形式が変わったり資料が増えたりするだけで問題量は増えたような感覚になりますよね。
そうですね。
時間があれば解けるんですよ、難易度的には。
その中で時間内にどう解くかっていうのを練習しなきゃいけないって感じです。
思考力を問う試験にすると言いつつ、逆に「処理能力」が問われるテストになったように思います。
そんな感じはありましたね。
思考力を短い時間で求められる試験なのかもしれないけど・・・。
いや、明らか処理能力が求められてる感じあると思いますよ。
結局そうですよね。
次、リスニングはどうでした?
リスニングはもう、集中力との戦いです。
ほう。
1日目の最後じゃないですか。そこでどれだけ集中して聞けるかって感じです。
家帰ったら聞ける、じゃダメなんですよ。
東大はセンターのリスニング使わなかったので僕はあまり気にしてなかったのですが、1日目の最後はヘトヘトだった記憶があります。
なので一日目の最後に長いリスニングがくるって、普通にキツイですよね。
緊張したテストをそれまで何時間もやってきて、最後の最後に来るわけで、そこでいかに集中できるか。
だからリスニングの練習は朝してもあんまり意味ないかも知れないですね。
第一回共通テストの経験者だから言えるアドバイスですね。
勉強しきって疲れたときでどれだけちゃんと集中して聞けるかっていうのが重要なので。
入ってこなくなるんですよね、リスニングの声が。疲れて。
形式や難易度は、試行調査や予想問題とあんまり変わらなかった印象ですか?
変わんなかったですね。
リーディングとリスニングって、模試の段階ではだいたい同じくらいの点数を取る生徒が多かったのですが、本番はリスニングの方が10点ぐらい低い人が多かったです。
なので、リスニングは難化したのかなって思っていたのですが、そんなことはなかったですか?
どうですかね。
私も実際そうだったんですけど、やっぱりリスニングって緊張感ですごい変わっちゃうんですよ、1回しかないから。
1回聞きそびれて、「どうしよう、どうしよう」とか思ってる間に次が聞けなくなっちゃう、みたいな。
なるほど。
模試だったら、結構そこって割り切れたりするんですけど、本番になるとどうしても「え、どうしよう聞けなかった」みたいな焦りが次の問題に響いちゃうところがあるから、本番でリーディングより点数が低く出ちゃうのかなっていうのはありますね。
リスニングの点数が低かった謎が解けたかも。
本番で緊張してしまうのはしょうがないことなので、普段からリスニングは一日の最後にやるなど、負荷をかけて行っていくといいですね。
ちなみに、「リスニングは負荷の高い長文読解である」という認識のもと、リスニングを試験で使わない人でも音源付きの長文問題集で勉強すると効果てきめんなのでオススメです。
⑤数学
では次、数学。
1Aは試験時間が70分に増えたり、試行調査の段階で会話形式の問題が出たりして、結構多くの人が身構えていたと思うのですが、受ける前は怖いっていう感覚はありました?
まあぼちぼちですね。そこまでやばいなとは思わなかったかもしれません。
模試によっては、問題文が長すぎたり資料が多すぎたりして、「全く時間足りませんでした」と言ってくる子もいたから、結構みんな恐れていたと思うのだけど。
でも、1Aも時間なかったと思います。私も時間ギリギリだった気がします。
へえ。
こんな時間ギリギリで誰が解けるんだろうとか思いながら解いてたんで。
ただ、1Aに関してはただ私がポカしてる可能性は高い・・・あの、最初数1から解き始めちゃったんで。
うわ。
なので、それもあるんですけど、それを抜きにしても時間はちょっと足りなくなるのかなと思いました。
そもそも平均的な成績の人がいたとして、その人達に全部解かせるつもりはなく作ってるんで。解き切れば点数高くなるし、8~9割ぐらいしか解けなかったら8割程度の点数になる、みたいな。
全員時間があれば9割取れるんじゃないかなって感じの難易度だけど、時間がなくて9割を取るのが大変ってだけで。
そうですね。
それにしても、新傾向の問題はほとんど出なかったですね。強いて挙げるとしたら大問2の問題ぐらいかな。
形式自体はそこまで変わんないなと思いました。
少なくとも第一回の共通テストは、センターと大きくは変わってなかったと。
ただ、今後その手の問題は増えるかもしれないから、試行調査や予想問題を解いて形式に慣れておきましょうってことかな。
だと思います。
なので、数学はあんまり言うことないかもしれませんね・・・。
2Bはどうですか?
速く、正確に、焦らず、っていうだけです。
センターと同じですね。
形式もほぼ変わらなかったですね。
あんまり変わらなかったですね。
試行調査や予想問題だと、もう少し新傾向の問題が出ていたと思うのですが。
ありましたありました。
全体的に会話系、会話調のものが多かったですよね。数学にしても国語にしてもそうですけど。会話の中から会話の流れを読み取るっていうか。
空気が読める力を試しているんですかね、、
AさんとBさんが喋ってますみたいな。けど、AさんとBさんそんなこと喋らないでしょ、って思いながらいつもやってましたもん。
そうですよね。
とはいえ、この形式で点数取らなきゃいけないのが受験生なので、意味分かんないとか言ってらんないんですよね。
まさに。
だからとにかく、予想問題とか解いて対策をしていくしかないという。
そうですそうです。
言っちゃえば、フォーカスゴールドの星1,2で良いんですよ。星1,2で良いけど、流れるように出来るかっていう。
結局、共通テストも時間勝負。
だから典型問題は、息を吸うように処理できないといけなくって、ここはセンターと変わらない。
新傾向の問題はいったん飛ばして、残り時間でじっくり解く。これらは試行調査や予想問題をやっておけばいい。
こんな感じですね。これは全科目に共通して言えそうです。
今日のインタビューを通して、だいぶ整理されてきました。
⑥理科
最後に理科。まず化学はどうでした?
グラフ問題がめちゃくちゃ面倒臭かった覚えはあります。
描かなきゃいけないやつです。
一応、新傾向の問題に分類されますね。2次では普通に出題されうる問題だとは思いますが。
こういった形式の出題は予想できていましたか?
あ、予想問題であったかもしれないです。
全体としてはセンターと大きくは変わらなったですね。
試行調査がちょっと難しすぎたんだと思います、たぶん。
難しすぎたっていうか、形式を変えすぎちゃって、結局あれ平均50点もいかなかったじゃないですか。
出題形式を変えるだけで、難易度は勝手に上がってしまいますからね。
その揺り戻しで、センターに近い問題になったんでしょうね。平均点を6割にしないといけないですから。予想通りではありますが。
そうだと思います。大きく変えきれなかった。
だからといって、今後少しずつ試行調査のように変わっていくのか、それとも第一回に順ずるスタイルのままなのかは、ちょっとよく分からないですけど。
ですね。
受験生がだんだんと新傾向に慣れて平均点が上がってくれば中身自体が難化していくでしょうからね。
では、続いて物理にいきましょう。
物理もそんな変わんないですけど、なんか面倒臭くなった覚えはあります。
あ、そういうところ聞いてくる?みたいな。物理は私100点取るつもりで行ったんですけど、取れなかった。
どの問題でしたか?
たしか、原子だと思います。
真ん中の方の。
これ?(第3問 B)
それです。
どこが難儀でした?
運動量か、みたいな。運動量聞くか、みたいな。
なるほどね。
エネルギーってよく聞かれるんですけど、運動量って聞かれなくて。しかも原子って。
去年コロナで間に合わない高校が多くて、原子は出題しませんって大学が多かったんで、多少そういうの配慮するかなって思ったら、全くなくて。
コロナで休校が増えたことの配慮がほとんどなかったことは、第二回の共通テストを受ける人も知っておくといいですね。それ以外は想定内って感じでしたか?
そうですね。
形式が明らか変わったとかもあんなりないですし。ちょっとグラフ系?は多いかなっていう気はしますけど、気持ち程度だったと思います。
理科は特に、個別試験対策が共通テスト対策を内包しますからね。
何なら個別試験のほうが色んな問題を出してくるし、必要とされる理解度も高い。
ですね。
共通テストの理科は、形式の慣れと、あんまり時間なくなることないかもしれないけど、やっぱり素早い処理ですね。
ですね。
これで各科目についてはひと通り話しましたね。
⑦総括
はじめに共通テスト全体の話をしてもらいましたが、ひと通り振り返ってみて、改めて思ったことはありますか? 総括というか。
やっぱり、そんなに気負わなくていいけど、なめてると本当に足元すくわれるよってことですね。
改めて?
本当に。
個別試験の比重が高い大学を目指す人は、軽く見てるところはあるかもしれません。
僕も東大だったので、直前期もほぼ対策してませんでした。
軽く見てる人は本当に軽く見てると思います。
配点低いなら、それも分かるっちゃ分かるんですよ。
ただ、やっぱり共通テストが先にあるって言うのが問題で、共通テストが2次試験の勉強にもたらす影響っていうのが少なからずあるので。
なるほど。
例えば、いくら87%で良いんだって思ってても、周りがみんな9割取ってたら少しは焦る。
2次が得意だから、2次の配点が大きいから、85%でもいいって思ってたとしても、やっぱりそこの2%は重いから、相当メンタルの強い人じゃないと気にしちゃうんですよ、どうしても。
っていう、点数だけではない難しさがあるんですよね、共通テストって。
つまりこういうことですね。
共通テストでビハインドした2%が、2次試験の点数換算で3点だったとしても、その3点を個別試験で取り返さないといけないっていう意識が頭のどこかにあると、本当は飛ばさないといけない問題で飛ばさなかったり変なことをやっちゃって、それが全体に響いちゃうってことはあるかもしれないね。
そうです。
これは試験当日だけの話じゃなくて、2次試験までの間に気持ち的にも揺れるところも結構大きいじゃないですか。
だから、ある程度共通テストで点数取っておくと、安心材料になるなっていうのは今年、すごい実感して。
自分は2次試験がすごい得意なタイプではなかったので、共通テストである程度アドバンテージを作れてたことから、そこまですごい人に勝る必要はないって思えたのはあります。
共通テストってどうしても点数だけじゃない要素があるので、その部分も少し考慮した方が良いんじゃないかなっていうのは思いますね。
母数としては、共通テストを不安に思っている人のほうが多いと思いますが、そういう人たちに対してのアドバイスはありますか? 今日の話だと、
・典型問題を素早く処理し、新傾向の問題に時間を余らせよう。
・新傾向の問題は、試行調査や予想問題で対策しておきましょう。
って感じになると思うんだけど、他にアドバイスはありますか?
やっぱりでも、予想問題をするのが一番じゃないでしょうか。
ただそれはある程度実力がついてからの話で、例えば8割を目指す人が、センターで8割を取れる実力をつけたあと、共通テストの形式で練習しないと意味ないっていうのが大前提ですけど。
センター試験受けても6割しか取れないけど、共通テストで8割取りたいっていうのは無理なので、そこまではやっぱり、ボトムアップで各問題集をすべきです。
それが出来てる大前提で、じゃあ共通テストの対策をどうするかっていうと、やっぱり形式に慣れる必要があるから、予想問題とか試行調査を積極的に使っていくしかないかなとは思いますね。
あとは「処理能力」っていうキーワードについて。
センター試験でも処理能力って必要とされていたわけだけど、共通テストではいっそう臨機応変に、パッパと処理していくことが求められていたと思います。
じゃあ、処理能力って何なのかっていう定義の話と、処理能力って伸ばせるのかっていう話があると思うのですが、これについてはどう思いますか?
各教科によって必要とされている処理能力って色々あると思っていて。
例えば数学だったら、「こういう形式はこう解く」っていう感じでやっていっても、キリがないというか。新傾向の問題はいくらでもバリエーションが作れちゃうので。
だから、基本問題を繰り返して、基本問題なら目をつぶってでも解けますっていう状態にしなきゃいけないかなって思います。
だからといって、同じようにグラフ問題は数多く解けば出来るようになるかっていうと、そうでもなくて。
ある程度、どこの軸を見るだの、比較するだのっていうのは、問題を通して、試行錯誤しながら、学んでいく必要があるんです。
量と質のどっちが大事かっていう二元論ではなくて、どっちも大事だと認識する必要があると。
自己分析せずに、ただひたすらに解いてても伸びないと思います。
あと、処理能力は別に先天的なものだけではないから、ある程度トレーニング練習で伸びるものだと思います。
日本史や国語でいえば、資料とかグラフの読み取り問題とかになると、練習の際にある程度どう読むのが一番効率が良いのかっていうのは考える必要があると思います。
ここは自分で研究しないといけない。これは人に教えられるではなくて、決して。
自分で「あ、こうやって読むと結構読みやすいかも」が必要なので、それを気付くためには、やはり問題を解かなきゃいけないかなっていうのは思ってます。
そうだよね。
私は結構、数こなす主義なので。
こなしてるうちに、自分で考えながらもっとこれ効率よくもっと速く読むためにはどうしたらいいんだろうって思った時に「あ、これって多分数字をよく見たらいいんかな」とかって気づきがある感じです。
もちろんそういうのを教えてもらうのもありだとは思いますけど。
他人が教えることは一応できるけど、それを初見の問題に適用できるか、とか、使いこなすことができるか、っていう話になると、最終的には他人がどうこうできる領域ではなくなるんですよね。
でも、考えながらやるっていうのもトレーニングですよね。
考えながらやるためのトレーニング、分からない問題を解くときにただ答えを写すだけじゃなくて、トレーニングとしてやらないといけないと思います。
そうですね。
はじめは上手くいかないかもしれないけど、やり続けることで伸ばすことはできると思います。
そうだと思います。
ただ、それが出来る人と出来ない人がいるっていうのも分かるんですよ。
どれだけ、考えながらやれって言っても、どうしても作業になっちゃうっていう。
そこが難しいところです。
どうしても本番って、考えながら解いてると時間はないんで。
だから本当にすべてに関して、息をするように解かなきゃいけない。
「グラフきた。きたからまず数字みて」とか思ってると、もうそれは間に合わないんですよ。「あ、グラフだ」って思った瞬間に、パパパッと読めるようにならないと。共通テストって本当に時間勝負なんで。
要するに、息をするように対応できるようにするためには、どう解いたら速いかを考えながら数をこなす必要があるってことですね。
これは問題演習中心の勉強も同じで。どうしたら早く知識吸収できるかを考えながら、典型問題を網羅的に解いていくことが全て。
それにしても、今日話した内容はどれもリアルで、一次情報だなって感じがよかったです。対策方法もどれも真っ当なものばかりでしたし。
私たぶん王道の勉強しかしてないんで。
それが難関大への唯一の道だと思います。
それでは、今日はここまでにしましょう。
引き続きサポートスタッフとして、宜しくお願いします!
ありがとうございました!!
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