医学部受験生にとって直接的なメリットは少ない
英語の外部検定が利用できる医学部はそれほど多くありません。
医学部受験のために外部検定を受験するというより、英語の成績を学校の進度に関係なく上げるために受ける、という間接的な使い方をするのが現実的でしょう。
外部検定で選ぶべきは英検
英語の外部検定は英検、TEAP、IELTSなど様々な種類が受験できますが、オススメは英検です。理由は2点あります。
- 国産の検定(英検、GTEC、TEAP)は学習指導要領に沿っているため、外部検定に向けた勉強が大学受験に向けた勉強と合致するから。一方、海外の検定(TOEIC、TOEFL、IELTSなど)では、日本の大学受験には不要な単語を覚えたりしなければならず、効率が悪いです。
- 国産の検定の中でも英検は、歴史があるため良問が多く、難易度も安定しています。一方、GTECやTEAPは歴史が浅いためオススメしません。
難関医学部を目指すなら英検準1級を目指す
なお、偏差値70以上の難関医学部を目指すのであれば、英検準1級レベルの英語力が1つの目安となります。
国公立医学部(2024年度)
※AO入試・推薦入試に関しては別途お調べください。
広島大学
<一般前期>
以下の条件を満たす場合、共通テストの英語を満点に換算する。
条件 |
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・ケンブリッジ英語検定:160以上 ・英検:準1級以上 ・GTEC(CBTタイプのみ):1180以上 ・IELTS:5.5以上 ・TEAP(4技能):309以上 ・TEAP CBT(4技能):600以上 ・TOEFL iBT:72以上 ・TOEIC L&RとTOEIC S&W(両方必要、S&Wはスコアを2.5倍にして合算):1560以上 |
注)
外部検定を利用する場合でも、共通テストの英語(リーディング、リスニング)は受験する必要がある。
佐賀大学
<一般前期/後期>
以下のルールに従って換算する。
利用方法 | 条件 |
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共通テスト英語を90%換算 | ・実用英語技能検定:2250以上 ・TEAP(4技能):270以上 ・GTEC(4技能)Advanced、Basic、CBT タイプ:1100以上 ・TOEFL iBT:61以上 |
共通テスト英語を80%換算 | ・実用英語技能検定:2150~2249 ・TEAP(4技能):235~269 ・GTEC(4技能)Advanced、Basic、CBT タイプ:1000~1099 ・TOEFL iBT:52~60 |
共通テスト英語を70%換算 | ・実用英語技能検定:2050~2149 ・TEAP(4技能):220~234 ・GTEC(4技能)Advanced、Basic、CBT タイプ:900~999 ・TOEFL iBT:45~51 |
注)
外部検定を利用する場合でも、共通テストの英語(リーディング、リスニング)は受験する必要がある。
各100点満点✕2の200点満点で、合計点が100点に満たない場合は、表の条件を満たしていても利用できない。
鹿児島大学
<一般前期/後期>
以下の「利用可能な外部英語検定試験」のスコアを取得している場合に、共通テスト英語を満点に換算、または点数に加点することができる。
利用可能な外部英語検定試験 |
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・ケンブリッジ英語検定:FCE以上 ・実用英語技能検定(英検CBT、S-CBT も可):準1級以上 ・GTEC(CBTタイプ4技能のみ):1250以上 ・IELTS:5.5以上・TEAP:334以上 ・TOEFL iBT:72以上 ・TOEIC L&RとTOEIC S&W(両方必要):1095以上(L&R:785以上、かつS&W:310以上) |
利用方法 | 条件 |
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共通テスト英語リーディングを満点に換算する | *下記2つを満たす場合に適用 ・共通テストの英語リーディングが80点以上 ・「利用可能な外部英語検定試験」のいずれかのスコアを取得している |
共通テスト英語リーディングに、得点の25%を加点する | *下記2つを満たす場合に適用 ・共通テストの英語リーディングが80点未満 ・「利用可能な外部英語検定試験」のいずれかのスコアを取得している 例:共通テスト英語リーディングが74点だった場合:74+(74✕0.25)=92.5点となる |
共通テスト英語リスニングを満点に換算する | *下記2つを満たす場合に適用 ・共通テストの英語リスニングが80点以上 ・「利用可能な外部英語検定試験」のいずれかのスコアを取得している |
共通テスト英語リスニングに、得点の25%を加点する | *下記2つを満たす場合に適用 ・共通テストの英語リスニングが80点未満 ・「利用可能な外部英語検定試験」のいずれかのスコアを取得している 例:共通テスト英語リスニングが76点だった場合:76+(76✕0.25)=95点となる |
岡山大学
<一般前期>
以下のいずれかの条件を満たす場合、共通テストの英語と、個別学力試験の英語の両方を満点とみなす。個別学力試験の英語は、受験が免除される。
利用可能な外部英語検定試験 | 条件 |
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ケンブリッジ英語検定 | C2 Proficiency:200以上、もしくはC1 Advanced:180以上 |
実用英語技能検定(S-Interview、S-CBTも含む) | 1級を取得、かつCSEスコア:2600以上 |
GTEC CBT | 1350以上 |
IELTS | 7.0以上 |
TEAP(4技能) | 375以上 |
TEAP CBT(4 技能) | 800以上 |
TOEFL iBT | 95以上 |
TOEIC L&RとTOEIC S&W(両方必要) | 1845以上(S&Wのスコアを2.5倍にして合算) |
注)
外部検定を利用する場合でも、共通テストの英語(リーディング、リスニング)は受験する必要がある。
私立医学部(2024年度)
※AO入試・推薦入試に関しては別途お調べください。
国際福祉医療大学
<一般選抜/共通テスト利用選抜>
以下の検定に関しては、志願票の「活動実績報告書」において評価の対象になる。スコアの指定はない。
条件 |
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・実用英語技能検定 ・GTECC(4技能版、Advanced) ・IELTS ・TEAPP(4技能) ・TOEFL iBT ・TOEIC L&R |
東京慈恵会医科大学
<一般>
以下の検定に関しては、二次試験の評価に加算される。スコアの指定はない。
条件 |
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・ケンブリッジ英語検定 ・英検 ・GTEC ・IELTS ・TEAP ・TOEFL iBT ・TOEIC |
順天堂大学
<一般B>
出願要件に、英検等の外国語検定試験の成績提出がある。
また、そのスコアに応じて、学力試験の英語の成績に、以下の点数を加点する。
利用方法 | 条件(いずれか) |
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加点(25点) | ・TOEFL-iBT:95以上 ・IELTS:7.0以上 ・英検:CSE2600以上 ・TEAP:375以上 ・TEAP CBT:800 ・GTEC CBT:1350以上 ・ケンブリッジ英語検定:180以上 |
加点(20点) | ・TOEFL-iBT:84~94 ・IELTS:6.0~6.5 ・英検:CSE2450~2599 ・TEAP:342~374 ・TEAP CBT:700~795 ・GTEC CBT:1265~1349 ・ケンブリッジ英語検定:170~179 |
加点(15点) | ・TOEFL-iBT:72~83 ・IELTS:5.5 ・英検:CSE2300~2449 ・TEAP:309~341 ・TEAP CBT:600~695 ・GTEC CBT:1180~1264 ・ケンブリッジ英語検定:160~169 |
加点(10点) | ・TOEFL-iBT:57~71 ・IELTS:5.0 ・英検:CSE2125~2299 ・TEAP:267~308 ・TEAP CBT:510~595 ・GTEC CBT:1055~1179 ・ケンブリッジ英語検定:150~159 |
加点(5点) | ・TOEFL-iBT:42~56 ・IELTS:4.0~4.5 ・英検:CSE1980~2124 ・TEAP:225~266 ・TEAP CBT:420~505 ・GTEC CBT:930~1054 ・ケンブリッジ英語検定:140~149 |
藤田医科大学
<共通テスト利用選抜後期>
以下の条件を満たしており、共通テスト英語の成績が180点未満だった場合は、共通テスト英語を180点とする。実際の得点が180点以上だった場合は、実際の得点を利用する。
条件 |
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・ケンブリッジ英語検定:160以上 ・実用英語技能検定:CSE2300以上 ・GTEC CBT:1180以上 ・GTEC Advanced:1180以上 ・IELTS:5.5以上 ・TEAP:309以上 ・TEAP CBT:600以上 ・TOEFL iBT:72以上(TOEFL ITPは不可) |
兵庫医科大学
<一般B>
以下の条件を満たしていないと出願できない。また、スコアに応じて、調査書とともに40点満点で評価される。
条件 |
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・英検(S-CBT、S-Interview を含む):2級以上 ・GTEC CBT:930点以上 ・IELTS(Academic Moduleのみ):4.0以上 ・TEAP 4技能(TEAP CBTを除く):225以上 |
福岡大学
<前期日程・共通テスト併用型/共通テスト利用型(Ⅰ期)/共通テスト利用型(Ⅱ期)>
次の「条件」のいずれかを満たす場合は、共通テスト英語の点数に40点もしくは20点が加点される。
利用方法 | 条件 |
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加点(40点) | ・ケンブリッジ英語検定:160以上 ・英検(S-CBT、S-Interviewを含む):準1級もしくは1級合格 ・GTEC(CBTを含む):1190以上 ・IELTS(Academic):5.5以上 ・TEAP:309以上 ・TEAP CBT:600以上 ・TOEFL iBT:72以上 |
加点(20点) | ・ケンブリッジ英語検定:140~159 ・英検(S-CBT、S-Interviewを含む):2級合格 ・GTEC(CBTを含む):960~1189 ・IELTS(Academic):4.0~5.0 ・TEAP:225~308 ・TEAP CBT:420~595 ・TOEFL iBT:42~71 |
※共通テスト外国語で英語以外を選択していても、条件を満たせば同様に加点される。