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【要注意】医学部センターリサーチの捉え方(2020年度)

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センターリサーチとは?

センターリサーチとは、センター試験の自己採点結果をもとに合格判定を教えてくれるサービスのことです。各予備校が独自に提供しているものです。

各予備校が受験生からセンターの自己採点結果と志望校情報を収集し、それを元に判定を出しています。

例えば、東大理Ⅰを志望する受験生のセンターの点数が高い場合、それよりも低い点数を取っていると判定は低く出ます。

この判定をどのように捉え、活用するのがよいのでしょうか?

各予備校がそれぞれセンターリサーチを提供している

まず、センターリサーチは各予備校がそれぞれで判定を出していますので、予備校によって出てくる判定は異なります。

【河合塾】センターリサーチ・バンザイシステム

多くの高校生が、センターが終わった次の月曜日に学校でデータを提出します。そこに、河合塾に通う浪人生のデータも加わって母データが作られ、それをもとに判定基準が作成されます。

2019年度は、436,634名参加(大学入試センター試験受験者の8割)しており、母集団としては十分あると言えます。

バンザイシステムは、2020年1月22日13:00から利用可能です。

【河合塾】2020年度センターリサーチ(バンザイシステム)

【ベネッセ・駿台】データネット2020

ベネッセと駿台が提供しているセンターリサーチです。

2020年度のデータネットの集計数は436,512人で、センター試験の志願者数に対する集計率は78.3%だったそうです。母集団は河合塾とほぼ変わりません。

データネット2020は、2020年1月22日から利用可能です。

【ベネッセ・駿台】大学入試センター試験自己採点集計(自己採点・判定チェッカー)

【東進】センター試験2020合否判定システム

河合塾、ベネッセ・駿台と比べて母集団は少ない(母集団の約50%とホームページに記載)です。

東進では、センター結果を使用し、2次の傾斜配点を考慮して合否判定を出す点が他と大きく異なるようです。が、センターの点数からどれくらい2次力が予想できるかは不明(眉唾)です。

私大の一般入試の合否判定も出るようですが、国公立2次と同様にどこまで予想できるものなのかはあやしいです。

【東進】センター試験2020合否判定システム

結論1:参考にはなるが、合格判定だけで決めないように

2次力が考慮されないから

合格判定は、昨年その点数を取った人の何%が合格していたラインを表しています。

  • A判定:80%以上
  • B判定:60%以上
  • C判定:40%以上
  • D判定:20%以上
  • E判定:20%未満

この算出ロジックの問題点は、センター試験での得点力と2次試験の得点力に相関がある前提になっている点です。マクロに見るとそうかもしれませんが、個々で見ればセンターは苦手だが2次力が高い生徒は多くいます。

よって、センターリサーチは、2次試験ほぼ決まる大学(=2次配点が高く難易度が高い大学。難関大に多い)ではあまり意味をなさないということです。

スタッフにヒアリングしたところ、多くの人がセンターリサーチでC判定が出ていたそうです。C判定は、その字面だけだと合格が厳しいと思わせる判定に感じてしまいますが、実際は全く問題のない点数だったわけです。

このように、合格判定がA判定だったのかD判定だったのかについては、全く気にする必要はありません。

例:東京大学理科Ⅱ類の合格判定

例えば。2020年度の理Ⅱの合格判定を見てみましょう。

河合塾の発表しているボーダー一覧によると、A判定が835点、D判定が765点でした。この判定には70点差がついていますが、センターは110/900に圧縮されるので、2次試験を基準とすれば約6点の差でしかないのです。

センターで835点取れる人と765点しか取れない人との実力差があるのは置いておくとして、6点差でA判定かD判定かが決まっているのは腑に落ちません。

センターリサーチに記入した大学であり、出願校ではないから

参考にすべき理由のもう1つは、センターリサーチの母集団は出願する人たちではなく、センターリサーチに記入した人(出願する可能性がある人)であるからです。

出願しないかもしれない人たちのデータを元に出願するかどうかを決めるのは危険です。すべり止めとして記載しただけの人が多いことにも注意が必要です。

結論2:難関大学の度数分布を見ておこう

度数分布を見ておくと、志望生集団(あくまでもセンターリサーチに出願校として記入しただけであることには注意)の中で、どれくらいに位置づいているのかがわかります。

「C判定」とだけ出されると結構ショックを受けますが「志望者集団の中で上位半分にいるんだ」ということがわかれば、それほどショックは受けません。

【河合塾】2020年度センターリサーチ・難関大学動向

センターリサーチ・ボーダーライン一覧

医学部以外を検討している人は、下記で他学部のボーダー一覧を確認することができます。

【河合塾】2020年度 センターリサーチ・ボーダーライン一覧

結論3:過去問演習で合格最低点に達しそうかを確認し、センターリサーチと合わせて総合的に判断

結局センターリサーチは、先述の算出ロジックを踏まえると一定参考にはなりますがそれだけで決めてはいけないことがわかったかと思います。

必ず志望校の過去問を解き、合格最低点に達しそうか確認する必要があります。

当然、過去問演習にも問題点はあります。配点が公表されていないですし、記述でどれくらい点数がもらえるかもわかりません。

よって、様々な情報(模試の偏差値含む)をもとに複合的に判断する必要があります。