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【決定版】「英語表現ストックノート」の作り方

英語表現ストックノートとは?

英語表現ストックノートとは、英単語帳、文法書・文法問題集、長文問題集、リスニング教材、模試、過去問など、あらゆる英語教材で遭遇した英単語・英熟語・イディオム・コロケーション・慣用句・構文などをストックしていくためのノートのことです。

英語表現ストックの判断基準

すべての英単語や英語表現をストックしていくわけではありません。

「ノートを作る」といった課題を出すとどうしてもノートを作ることが目的化しがちなので注意が必要です。

では、英語表現ストックの判断基準は何かというと、

その日本語を和文英訳できるか?

です。「もし和文英訳で出されたら書けなそうだ」といったネガティブなものから、「この言い回しを知っておくと便利そう・使い回しがききそう」といったポジティブなものまで、英訳できないストレスを回避することを目的として抜き出していってください。

ちなみに、英語表現ストックノートは英作文対策のみが目的ではありません。

英語表現ストックしていくもの(4つ)

英語表現をストックするのは、大まかに分けて次のようなものなります。

①英単語(未知のもの)

知らない単語が出てきたらストックしていきます。一番わかりやすいですね。ただ、逐一ストックノートに書いていくのは非効率です。まずは持っている英単語帳に載っていないか確認し、載っていたら英単語帳に目立つように印をつけるに留めましょう。英単語帳に載っているものは英単語帳に集約していったほうが効率的です。

②英単語(既知だが意味を知らないもの)

英単語帳を使って基礎単語の第一義をひと通り覚えてしまうことは、英語学習する上でもっとも重要なファーストステップです。

しかし、英単語は日本語と1対1で対応するものではありません英単語固有のイメージ(コアイメージ)を掴むことが重要です。よって「既知ではあるが、知っている意味ではうまく意味がつながらない」場合、英文中の意味だけでなく既知の意味との共通項(=コアイメージ)を掴み、ストックしていきましょう。

③英熟語・イディオム

単語が組み合わさり、新たな意味になるものが英熟語・イディオムです。動詞や前置詞のイメージから意味が推定できるものも多いので、可能な限り有意味暗記し、それでもできないものはまるっと覚えましょう。

難しい英単語の意味を知っているのと同じく、英熟語を知っていることは重要です。ネイティブと話すのに必要な語彙量は中学レベルと言われますが、それは簡単な単語の組み合わせによって多数の表現ができるからです。

なお、松濤舎指定教材である『速読英熟語』『POWEW STAGE 英文法・語法問題』といった教材の索引から該当表現が載っていないか探し、載っている場合はその教材の中で覚えるとよいでしょう。ただし、長文中に登場したその英熟語の前後も含めて覚えたいということであれば英語表現ストックノートに書いていってOKです。

④コロケーション・構文・慣用句

よく使われる単語どうしの組み合わせやひとまとまりの表現がコロケーション・構文・慣用句です。熟語・イディオムが2〜3語だったのに対し、コロケーション・構文・慣用句は4語以上のものといった認識で構いません。

英語は言語なので文法的に正しいことは文として正しいことを保証しません。『英語独習法』(今井むつみ)という本には、

日本語を単語レベルで置き換えるのではなく、言いたいこと全体を英語の発想で英語に置き換える習慣をつけていくことが重要だ。

と書かれており、まさにその通りだと思います。文脈依存する表現も多いので、前後の単語や文も一緒にストックしておきましょう。

英語表現ストックによって得られること(3つ)

英語表現ストックによって何が得られるか知ることで意識的な学習ができるようになり、学習効率が飛躍的に上がります。

英語表現ストックは、次の3つの知識・スキルを伸ばすためにやっています。

①英作文に強くなる

英作文対策は、受験期になってから『英語表現300選』といったものを詰め込み対策しようとする人がいますが、和文英訳や自由英作文で求められる表現は無限にあるので限界があります。

そのため、特に長文問題集の長文中に出てきた”生きた表現”をたくさんストックし、使えるようにしておくことが重要なのです。

逆に、知っている英語表現を使って英作文の内容を捻り出せるようにもなってきます。

②長文を読むのが速くなる

長文を読むのが遅い人に共通する特徴は、1単語ずつ読み進めている点です。一方、速い人はカタマリで読んでいます。

英語表現が増えるに従って、英語を2〜3語単位、あるいは構文単位で読めるようになるため読む速度が一気に上がります。

英語問題でもっとも配点が高いのは長文問題です。英語表現ストックは長文問題のためにこそやっているという意識で勉強していってください。

特に私大では長文中の穴埋め問題が頻出ですが、この形式の問題はまさに英語表現の有無が問われています。

③長文を読むのが苦でなくなる

難関大合格者は口を揃えて1日1長文読んでいたと言います。しかし、実際のところ多くの人が英語長文を読むことに心的抵抗を感じているはずです。

英語表現ストックノートを作るようになると、英語長文を「与えられたもの、読まなきゃいけないもの」といった受動的なものから、「新しい表現を見つけにいくもの」といった能動的にやるものに認識が切り替わり、宝探しをするような感覚で読めるようになります

多くの東大・京大生が持っている「長文は英語表現の宝庫である」という英語観(学習観)になると最強です。

結果、英語の成績が飛躍的に伸びる

英語は、語彙量(表現量)がものを言う科目だということを再び思い出してください。語彙量が多ければ文法がわからなくても意味は掴めますし、逆に語彙量がなければ文脈から推論するにも限界があります。

語彙量というと英単語を一語一義で増やしていくという認識だと思いますが、これからは1単語の意味の広がり(コアイメージ)や、熟語・コロケーション・慣用句・構文といったまとまりとしての英語表現を増やしていくようにしてください。

英語表現ストックノート例

生徒の英語表現ストックノートが下記となります。良例なので参考にしてみてください。

良い点を3つ挙げます。

1)シンプル(時間をかけすぎてない)

日本語+英語で構成されていてシンプルなところが◎。あくまでも英語表現を増やすためのノートなので「この日本語はこの英語表現がナチュラル」さえわかればOKですので。

2)実際の英訳場面を想定して勉強している(注意書きに納得)

英訳する時に迷いそうと思ったであろう箇所に注意書きがあるのが◎。

例えば、「global warming」のところに「theはつかない」と注意書きがありますが、確かにこは迷いそうな箇所です。実際に英作文することを想定して勉強できていることが見て取れます

3)比較的長めに文章を切り取っている

ストックノートを作る際、どうしても「句」レベルで抜き出す人が多いです。名詞であればそれでいいと思いますが、動詞などは適切な使用場面は文脈に大きく依存するため、含まれる文章を1文抜き出すくらいやってもよいです。

上記ノートでは「without so much as saying a word of thanks」という長めの文章を抜き出しています。このほうが「without so much as ~ing = 〜さえせずに」という抽象的な構文を覚えるより使用場面がイメージしやすいですね(少し批判的なニュアンスを含んだ言い回しなんだということがわかります)

<補足>
実際、ロングマン英英辞典には「used when you are surprised or annoyed that someone did not do something」とあり、下記のような例文が掲載されていました。驚いたり苛立ったりする際に使う構文であることがわかります。

・They left without so much as saying goodbye.
・The car survived the accident without so much as a dent.

そもそも「without so much as saying a word of thanks」という表現は、そのまま自由英作文で使えそうです。例えば、

・人生で後悔していることは?
・悲しかったできごとは?

といったお題が出たときに「ありがとうの一言さえ言わずにその場を立ち去った」といった内容が盛り込めそうです。この一文を入れるだけでこなれた英作文が書けますし、(変な話)字数を埋めることもできます。

英語表現ストックノートを作る効用「①英作文がに強くなる」で知っている英語表現から英作文の内容を捻り出せるようになると書きましたが、まさに「without so much as saying a word of thanks」を知っているだけで、自由英作文の一文を作ることができたわけですね。

最後に

英語表現ストックノートづくりには「語彙量(英語表現)が増える」といったわかりやすい効果がありますが、もっとも根本的な効用は、新しい英語表現を増やそうという姿勢が英語学習を楽しくさせることだと思います。

常に、自分では書けないようなナチュラルな表現を探し、ストックし、覚えていきましょう。その知識量が、英語の成績を飛躍的に伸ばします。