再受験かどうかは問題ではない
前提として、再受験そのものが問題になることはまずありません。実際、松濤舎にも再受験生の合格実績が多数あります。
再受験が問題でない理由(2つ)
理由①:ペーパーテストでほぼ合否が決まるから
そもそもペーパーテストのみで合否が決まる大学がほとんどです。
医学部医学科に関しては、ほぼすべての大学で面接が課せられ、多くの大学で面接点が設けられていますが(=ない大学も多いです)、面接点の比率は全体の1割未満である大学がほとんどです。
よって、面接で不利になることがあったとしても、ダメージは少ないです。
ただし、再受験生は志望理由書や面接対策をより入念にしておく必要があります。
理由②:再受験生であることが強みになることがあるから
現役生や浪人生とは違った経験や知見は、面接において却ってプラスに働くこともあります。
年齢などや再受験した理由など、厳しく見られるところもありますが、明確な目的意識があり、キャリアに必然性がある場合は、再受験という理由だけで落とされたり、大きく失点することはありません。
再受験生の強み
先述以外の強みとしては、一度受験を離れてから再度受験をするということで、高校生などに陥りがちの「がむしゃらに気合で頑張る」というスタンスでなく、一歩引いて見ることができる人が多いため、計画的かつ戦略的に、効率重視で受験勉強を進めることができる点も、再受験生の強みです。
また、文系生であれば英語が強い、理系生であれば特定の科目を大学で専攻していて良くできるなど、すでにいくつかの科目で対策が不要なくらいまで仕上がっているケースもあります。やるべき科目が少なくなり、より少ない時間で合格ラインに持っていくことができるのです。
再受験生が陥りやすいバッドケース
再受験生が陥りやすい状態を知っておくと、事前に防ぐことができます。
勉強時間が確保できない(主にモチベーション・集中力の問題)
「受験生」という、良くも悪くも一本道を行っているときは、勉強することが当たり前、周りも勉強している、という環境下において迷いなく勉強することができるのですが、一度「受験生」という立場を卒業し、仕事をしたり、大学生活を過ごしたりしていると、そもそも「受験生をすること」にハードルあります。そのため、「受験生をすることを辞める」という選択肢が常に存在し、モチベーションや集中力が低下することになります。
勉強時間が確保できない(主に仕事やアルバイト)
また、再受験生は受験に専念できないケースも多く、仕事やアルバイトに時間が取られ、絶対的な勉強時間を確保できずにタイムアップになってしまうケースがあります。その分、受験勉強を長く続けたら問題ないのですが、先述の理由と相まって、途中で挫折してしまいがちです。
過度な情報収集をしてしまう
高校生や浪人生が「周りが行っているからこの塾に行こう」といった近視眼的な選択をする一方、再受験生は客観的に最適な受験勉強をしようと情報収集することが多いです。これ自体は良いことなのですが、「これ!」と決めてやることができず、常に「もっと楽で効率的な方法はないか?」「成績が上がらないのはやり方が間違えているだけではないか」という思考になってしまい、情報収集やネットサーフィンばかりに打ち込んでしまいがちです。
自分を律することが難しい
まとめると、再受験生は「自分を律しなければならない状況」に何度も遭遇します。すると確率論的に、現役生や浪人生とは違った挫折ポイントが多数存在してしまいます。これは原理的に仕方ないことなのです。
よって、やるべきことや、やりかた、状態ゴールを明確に指示してくれ、進捗管理を徹底して行ってくれる塾に所属するなど、独学ではない方法を選択したほうがうまくいくことが多いです。
再受験生のための助言
まとめです。
再受験生はまず、再受験生であることそのものが合格を難しくするわけではないことを意識しましょう。それに付随する雑音や誘惑が勉強を阻害します。
迷いなく勉強に没頭できる状態を理想とし、学習管理してくれる伴走者を見つけるとよいでしょう。
逆に、再受験生であることがプラスに働くことも多いです。前向きに捉え、やるべきことを絞り、短期決戦で合格ラインに持っていくことが合理的でしょう。