長文読解力と語彙量の相関係数は0.78
前提として、長文読解力(内容の理解度)と語彙量の間には、相関係数が0.78もあります。また、95%以上の単語がわからなければ長文の内容を把握できないことが科学的にかわっています。
つまり、長文読解問題で点数が取りたければ、語彙量がなければ話にならないということです。
多量のインプットを通した不随意暗記?
さて、英語のもっとも効率的な学習法は「多量のインプットと少量のアウトプット」と言われています。日本における英語教育は「単語を覚え、文法でルールを学べば、長文は読めるようになり、英作文も書けるようになる」といった認識を植え付けるような指導になっていますが、これが邪魔をしているのです。
「多量の長文を読み、多量の音声を聴くトレーニング」が、英語を英語のまま理解したり、音韻処理の自動化につながるのです。
多量のインプットが重要ではありますが、その過程で勝手に単語を覚えることに期待するのは厳禁です。膨大なインプットがなければ「単語を勝手に覚えていた」という状態にすることはできないことが科学的にわかっているからです。
まずは単語帳で意識的な暗記を
上記を踏まえ、まずは意識的に単語暗記をしていく必要があります。意識的に単語を覚えながら、すでに知っている単語だけからなる文章を読んで多量のインプットをしていきましょう。
単語帳に加え、模試や問題集の語彙もストック
さて、単語帳を使った単語暗記は当然のように行う必要があります。しかし、それだけでは足りません。
例えば、浪人生をひとくくりにするのは少々雑ですが、どんなに英語が苦手な浪人生でも秋には単語帳の暗記がほぼ終了します。
それ以降は、長文問題集、模試、過去問で出てきた新出単語をストックしたノートを使って暗記していきます。
こうして単語帳に載っていなかった単語はどんどんストックし語彙量を増やしていきます。実際に読んだ長文に出てきた単語なので重要性も認識しており、定着しやすいはずです。
精神的な効果:大きな自信につながる
単語が増えることは実質的に成績向上に繋がりますが、精神的にも大きくプラスに働きます。「これだけ語彙量を増やした、これ以上増やす方法がない」という納得感が本番での自信に繋がります。
それでもわからない単語は出てくる
わからない単語に動揺しないために多量のインプットを
最後に。どんなに語彙量を増やしても、入試本番でわからない単語が絶対に出てくると思ってください。だから、1単語わからなかったからといってそこで止まってしまっては、まともな点数は期待できません。
多量のインプットを通して、わからない単語があっても読み飛ばしながら意味を掴むことに慣れていってください。
わからない単語が出てきても問題を解くには不要かもしれない
そもそも、わからない単語が出てきても問題を解くのに不要な文章中の単語かもしれません。実際、そういったトラップを仕掛けている文章もあります。
長文問題は、まず最初と最後の段落と各段落の第1文を読み、文章内容の外枠を把握します。そして、問題で問われているところだけを精読することで、文章全体を、同じ時間でより深く理解することができるのです。
下記問題集が「読み方指南系」ではもっとも優れています。参考にしてみてください。