長文問題は「解けること」が大事
長文対策をするのは、最終的に問題が解けるようになるためですよね。超当たり前な話ですが、大変重要なポイントです。
極端な話、長文が読めなくても問題が解けさえすればよいわけです。
もちろん、そんなことは無理なのですが、すべての勉強は長文問題が解けるというゴールを達成するための手段のどこに位置づけられるかを考えると、勉強の効率が格段に高まります。
問われている箇所を詳しく読む
長文をすべて読んで理解した感じになるのと、実際に問いに答えられることは、同じようで同じではありません。センターの現代文を解いたことがある人ならわかると思いますが、現代文であっても「読んで理解したはずなのに、問題で問われると、改めて該当箇所を精読しなければ解けない」のです。
同じことが英語でも言えます。
英語を直読直解で理解できる力が話になりませんが、それに加えて問われたことに答える読み方も習得しなければならないのです。
問われたことに答えるための読み方は次の2つです。
長文問題を解くための2つの方法
スキミング(Skimming:上澄みなどをすく)
最初と最後の1文を読む、という方法です。足りなければ2文、3文を追加していってください。これをすると、全体の内容、流れを掴むことができます。
段落を箱と考えると、最初と最後の1文は箱の外枠にあたります。問いに答えるためにはどの段落を見たらよいか素早くあてをつけるためにも、スキミングを行うことは重要です。
ちなみに「最初と最後の1文って、そんな一部分だけ読んでも内容はわからないよ」と思うかもしれませんが、ここでやりたいことは文章内容を把握するのではなく、今後展開されうる文章の可能性を減らし、より深く文章が読める状況を作ることです。
全文読まないと気がすまないという人も、スキミングをすることで「文章の展開を予想すること」に認知容量を使わなくてよくなるため、スキミングしてから本文を読んだほうがスムーズかつ正確に読めるようになるのです。
スキャニング(Scanning:ざっと読む)
問いの答えになる箇所を長文中から(素早く)探す手法をスキミングといいます。
先ほどご紹介したスキミングを通して「どの段落でどんな内容が書かれているか」がわかっていると、スキャニングのスピードと精度もグンと上がります。
全文100を1の深さで読むのではなく、大事な20文を5の深さで読む、といった感じです。これにより、時間内に正確に解答できるのです。
ナチュラルスピードで読めるのは当然
長文問題が解けるようになるためには、ベースとして英語長文をスピーディーに理解できるようになる知識が必要です。
長文読解の基礎的な知識とスキルを身につける必要があります。これが下地にあるからこそ、問題もスピーディーに処理できるようになるのです。
ナチュラルスピードで読めるようになる方法や長文読解メカニズムについては、下記記事に詳しく記載しているのでご覧ください。
解く練習と読む練習を1つの長文でやる
長文問題集は、解く練習をしてから多読用教材として使用すると、1冊で「解くスキル」と「読むスキル」が身につきます。
解くスキルをつける
まずは各段落の最初と最後の1行に目を通します(スキミング)。
その後、設問を解いてみましょう。設問では、スキミングをしてあてをつけた段落から答えを探します(スキャニング)
最後に丸付けをし、解説を詳しく読みましょう。特に、複雑な文章の構造解析にはしっかり目を通し、理解するようにしてください。
読むスキルをつける
続いて、読むスキルをつけるための多読レッスンです。
まずは全訳に目を通し、ストーリーを頭に入れます。
その後、自身で黙読し、どれくらい時間がかかったか測るとよいです。おそらくこの時点ではナチュラルスピード(150words/min)では読めないことでしょう。
続いて、パラレルリーディング(テキストを読みながら、CDを聴いて、CDと同じように音読)をし、ネイティブと同じように読めるようになるまで繰り返します。
できるようになったら音読し、ナチュラルスピードで読めるようになっていることを確認します。このときは、文章の内容も理解できている前提です。
最後に黙読をし、ナチュラルスピード以上に読めるようになっていることを実感してください。
松濤舎の長文読解用セット
読むスキル用教材(問題なし・音声付き)
問題を解くというのは結構ストレスフルです。問いの箇所を探すのも認知的に大きな負担がかかります。まずはただ読むだけの多読を重ね、英語長文が読めるスキルを身につけ、慣れさせます。
なお、下記で紹介するのはすべてCD付き教材のみです。
速読英熟語
熟語は簡単な英単語の組み合わせでできています。また、各長文が200wordsの長さで、一般的な長文問題集の300wordsよりやさしいです。
話題別英単語リンガメタリカ
話題別の長文が50題入っています。
東大英語リスニングの20カ年
リスニング対策ですが、1スクリプトが約500wordsなので多読教材としても使用できます。
解くスキル用教材(問題あり・音声付き)
下記で紹介するのはすべてCD付き問題集のみです。問題を解いたあと、音読による多読まで行うことができる教材です。
イチから鍛える英語長文シリーズ
それぞれ15題,15題,14題が収録されています。
キムタツの国立大学英語リーディング(超難関大学編)
阪大、名大、一橋などの過去問を合計17題(+模擬テスト3題)収録しています。
キムタツの私立大学英語リーディング(超難関大学編)
早稲田、慶應、上智などの過去問を合計18題(+模擬テスト2題)収録しています。