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【決定版】東大日本史の対策法

東大日本史の対策法に関する前提

東大日本史では、基礎的な知識を前提に、問題文で与えられた史料を正しく解釈する知識短い字数の中で設問に適切に答える要素を選別する知識が求められます。

数学や英語に比べると点数の差がつきにくい教科ではありますが、その分多くの受験生にとって大きな時間を割くことができない分野でもあります。効率よく対策しましょう。

東大日本史の形式

東大日本史の試験時間はもう一つの社会科目(世界史または地理)とあわせて120分、配点はあわせて120点です。日本史は他の2科目に比べて時間がかからないと言われているため50-55分を目安に回答すると余裕が出るでしょう。

日本史のみの満点は60点で、古代・中世・近世・近代から出題される大問4問(それぞれ15点満点とみられる)から成ります。

合格者平均は例年40点ほどで、50点に届く人はほとんどいませんので、得意な人は45点~50点、そうでない人は40点を目標にすると良いでしょう。

一行30字の解答用紙に対し、大問につき5行程度の出題がなされます。大問が時代ごとに分かれているため、ある事柄について時代をまたいで理解するというよりは、一定の時代区分の中での流れをおさえておくことがより重要になります。

東大日本史の対策に使用する教科書・参考書

詳説日本史(山川出版社)/教科書

主に東大教授陣によって著されたこの教科書が、東大日本史対策におけるバイブルといっても過言ではありません。日本史対策をはじめたその日から、二次試験当日まで活用することになるでしょう。

本書に書いてあることはすべて覚えるつもりで取り組んでください。この教科書も400ページほどですので、毎日ペースを決めて少しずつ進めるのがおすすめです。ただし一問一答と同じように、授業を受けておらず何も内容を知らない状態から入るのは推奨しません。学校の定期テスト等を利用して範囲となった部分をメインに何度も繰り返して読むと定着しやすいでしょう。また、後述の過去問は大問ごとにひとつのセクションにまとめられているので(古代から出題の第一問が27カ年分のあとに、第二問が27カ年分続き、…)、その時学習している範囲に合わせて解くことができます。

授業、あるいはそれに準ずる基礎的な学習を終えたら通読を繰り返してください。過去問を解いていくなかで出やすい・出にくい分野(例えば古墳時代以前・戦後は東大に限らず出題が少ないです)がわかってくると思いますので、扱いに軽重をつけるのも良いでしょう。

なお、ただ作業的に読み進めていくのは効率が悪いので、『時代と流れで覚える! 日本史B用語』でアウトプットしながら頭に入れていくと効率的です。

日本史B一問一答【完全版】(東進ブックス)

学校の授業等でひととおり日本史のストーリーが理解できたら、一問一答で必要な語彙を身につけましょう。逆に、ストーリーを知らないまま先に単語に取り組むのはおすすめしません。本書では難易度が星3つ(最も基本的)から星なし(最も発展的)の4段階に分けられています。星3の単語がおぼつかない(6割~7割未満しかわからない)のであれば前提となる日本史の筋を理解できていないので、先に教科書や授業ノート等を見返しましょう。

最終的に、星3つから星1つまではおさえることを推奨します。各段階の難易度に目安が設けられてはいますがあくまでも目安です。マニアックな単語は必ずしも必要とされていない東大の日本史ですが、教科書の内容をすべて覚えようとすれば星1までは自然と必要になってくるでしょう。逆に、星1まで覚えてしまう頃には、特別な対策をせずとも共通テストの日本史では9割が得点できるようになるはずです。

本書はおおむね400ページです。ペースを決めて何周もするようにしてください。一日20ページやれば4か月程度で6周できる計算となります。1ページずつ完璧に覚え(たと思っ)てから次に進むのでは、次第に前の内容を忘れていきますので、はじめはわからない単語が多くても気にせず進んでください。2周目以降は1周目でわからなかった単語のみを復習するようにすれば、より効率よく苦手な単語を学習できます

東大の日本史27カ年(教学社)

いわゆる赤本です。過去問というと、参考書等で内容を理解して受験も近づいてきた頃解き始めるイメージがあるかもしれませんが、日本史についてはまだ知識が完全には身についていない段階から取り組んで結構です。直近数年の過去問は時間を計って解く用にとっておいて、古い年度から解いていくと良いでしょう。

このとき、知識が確実でない段階では、自分の力だけで解かないことです。教科書・史料集等を駆使して、自分の一番良いと思う回答を調べながら仕上げてください。本やインターネットで調べるのも良いですし印象に残りやすいですが、東大の試験はあくまで高校日本史の知識で解けるようにできているので踏み込みすぎた回答を作る必要はありません。

そのうえで、模範回答と見比べてどの要素が足りなかったか、史料を正しく解釈できていたか、また問題が聞いていることに適切に答えられたかなどを確認してみてください。赤本以外に青本なども参照してより多くの模範解答を読み比べるのも有用です。書けなかったとしても問題を解く過程で教科書を復習できたこと、字数内にまとめる訓練をしたことに意味があるので落ち込まないようにしてください。また、もし環境が許せば学校の先生等に是非添削をお願いしてください。

東大日本史の問題文の史料解釈

東大日本史の特徴といえば、すべての大問に史料が与えられていることでしょう。問題を与えられたらまずこの史料をよく読み、回答するうえでうまく利用していくことが必須です。意味なく提示されていえる史料はありませんので、回答を練る際に触れられていない史料の要素がないようにしてください。教科書などで見覚えがある文やあきらかに単語を導くヒントとなる文もあれば、全く目にしたことがない史料が出てくることもあるでしょう。ただし史料の文章を要約するだけでは回答として不十分です。

また、自分の知識だけを使って史料と関連のない事柄を羅列すれば、それが例えすべて正しかったとしても良い回答とは言い難いでしょう。設問者はその史料を使いどんな結論を導いてほしいのか、回答を実際に書き始める前に検討してください。先ほども書いたように、すべての問題は高校日本史の知識を利用すれば書けるように作られています

また、史料を解釈する練習として、教科書の史料やコラムなども見逃さずきちんと読むようにしましょう。一見重要には見えない文章が出題の材料になる例もあります。

東大日本史の対策|共通テスト対策

身につけた知識を試すのにセンター試験や共通テストの対策問題集を解くことはある程度有効です。今自分が何点取れるのか知りたいという気持ちもあるでしょう。

しかし、クイズ形式で〇×にとらわれた解き方に慣れてしまうと、時間に対する学習効果は過去問等に比べどうしても薄くなります。極端に言えば、別の選択肢のあらゆる誤りと正解を正確に理解した上で正答を選んだ場合と、「他はわからないがこの文は合っている」という1/4の理解で選んだ場合で、同じ正解にたどり着くときがあります。また、記述式と違って採点が容易なために復習も間違った部分を確認する程度で満足してしまいがちです。

東大の日本史対策をしっかりこなしてきたならば、共通テストのためだけの対策は直前(12月~1月)になってからでも間に合います。あくまでも教科書に立ち返りながら過去問を解く学習を重視してください。

東大日本史の対策|おわりに

東大日本史の対策は教科書にはじまり教科書に終わります。こつこつと積み上げた知識と史料の解釈で、着実に得点を重ねてください。