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【決定版】京大の英語対策法

京大の英語対策法|はじめに

京都大学入試の英語は、単純に文法や単語を暗記する力ではなく、それらの能力を前提として英語を日本語に訳す能力や、日本語を英語に訳す能力、すなわち英語を言語として捉えて問題を解く能力が求められます。

「英語が読めて書ければ良い」と言えば簡単に聞こえますが、かなり質の高い英文を読んで意味を理解することと、英語にするのが難しい日本語を英語にすることが求められるので、英語に相当習熟していなければ点を取るのは困難です。

京大の英語対策法|形式など

京大英語の基本情報

京大英語の入試問題は、文系・理系問わず同じものが出題されます。また、英語はどの学部でも配点が等しいので、基本的に点をとっておきたい教科になります。制限時間は120分です。

京大英語の目標得点(目安)

目標としては、他教科でも十分に点が取れる人は150点中90点、英語で点数を稼ぎたい人は110点以上を取ることができれば十分です。英語を解くのが苦手な人や読むのに時間がかかる人は時間がぎりぎりになるでしょうが、読むスピードを上げておくだけでもかなり余裕ができます。

京大英語の問題構成

問題構成は例年3つの大問に分かれています。

大問1と2は長文読解問題が出題され、基本的には本文を和訳する問題が出題されます。ただ、近年問題の出題形式が少しずつ変わってきているようで、以前は安直に下線部を英文3~4行に引いた上でそれを訳すよう指示している問題が多かったですが、最近の問題では『that』などの指示語の該当箇所を文で抜き出して訳すように指示している問題が多い傾向にあります。ですが、問題の根本である英文の和訳というのは変わっていません。

まれに穴埋め文法問題が出題されていますが、難易度はそれほどのものではなく、特別な対策が必要となるようなものではないので気にする必要はないでしょう。

大問3では、大問1、2と打って変わって英文を書く問題が出題されます。この問題は出題傾向が頻繁に変わるものであり、具体的な対策をするというよりは英語をわかりやすく、含める内容を漏らすことなく書く練習をしておく必要があります。

また、大問4が出題される年もありますが、例年の大問3が3、4の二つの大問に分かれただけです。これについては細かく後述しておきます。

京大の英語対策法|大問別の対策法

京大の英語対策に関する「根本的な考え方」

ここでは、それぞれの大問の出題傾向とそれに対する学習方法を述べていきます。ですが、その前に京大英語に対する根本的な考え方を軽く説明します。

それは、英語はあくまで言語であり、テストで点数を取るためのパズルではないということです。

京大の問題は基本的に、広い意味での英語力(=英文が何を表現しているか理解し、考えていることを英文でいかに表現できるか、という力)があれば十分に対応できる問題が多く、そうした力を身につけるほうが小さな技術をいくつも身につけるよりも遥かに簡単であるため、安易に構造読解などといった技法に逃げるのではなく、英文を読めるようになるための学習を優先してください

英文が読めるようになるための学習とは、文法や構造の種類などの暗記としての英語ではなく、言語野に感覚として身につける英語のことを言っています。すなわち、極端に言えば、敢えて雑に読むことでなんとなくの英語に慣れていくというのが重要だということです。文法を丁寧に分解したり区別して考えていると、結局英語を「そういうパズル」として捉えるようになりがちです。この作業をしているうちは、言語野は十分に活性化しません。ですので、あえて雑に、聞いたはしから次へ行く、多読は読み返さずに読み散らかすといった”雑な作業”が大事なのです。

京大英語の「大問1」対策について

大問1は基本的にシンプルな読解及び和訳問題です。すべて長文中の文章を訳す問題です。他大学と比べて文章自体はそこそこ長いですが、飛び抜けて難しい問題や特殊な問題は出題されません。

前述したとおり近年の出題では、大問1の(1)~(3)の問のうち1、2問は単純な下線部訳ではなく、『(指示語を含む)下線部を本文に即して日本語で説明しなさい』という形で出題されています。ですが、これは文章の内容を把握した上で自ら下線部を設定し、それを訳せば良い問いなので、基本的には下線部訳問題と変わりません。

これらの問いに対する学習法ですが、正直問題がシンプルなので、コツのようなものは存在しません。単純に英語が読めれば解ける問題です。むしろ指示語の指示内容を、文章の形式から探し出すような訓練は解いているときに迷いが生じてしまうのでやめてください。

なお、大問1及び大問2では幾度か単語やフレーズを使った選択式の穴埋め問題が出題されていますが、共通テストとほとんど同じ難易度に過ぎないので、英文が読めている人にとっては簡単な問題でしょう。

京大英語の「大問2」対策について

大問1と全く変わりません。英文をしっかり読んで内容を把握した上で、指示語の指示内容を探して訳しましょう。

訳はこなれていればいるほど評価が高いでしょうが、愚直に指示語などをすべて訳しただけで十分点はもらえます。むしろ、文章が読みやすいようにと省いたり指示語のままにした部分が不備とみなされる可能性があるので、模試などで自分の解答でしっかりと点が取れて自身がある人以外は愚直に和訳して書きましょう。

前述している通り京大入試の英語は毎年少しずつ傾向が変わっており、ここ2年ほどは英文の内容に関してテーマ英作文を求めて来る場合があります。これに関しては京大だから求められるような技術はなく、他の大学でも出題されているテーマ英作文と何ら変わりません。

気をつけておくべきなのは、内容が飛躍していないか表現したいことが英語でしっかり表現できているか、という点です。

日本語で書いてみると論理的で内容もまとまった文章を書けるのですが、いざ英文に訳していると訳しきったということに意識を取られて、内容がめちゃくちゃで順番がごっちゃになっていたり言いたいことが入りきっていなかったりするので、英語になった後に先入観をなくして一度読み直してみましょう。それだけで完成度がだいぶ変わります。

個人的にはこういう考え方は嫌いなのですが、無難で書きやすい内容を丁寧に書く、というのが一番得点は取りやすいでしょう。書きたい内容を無理に書こうとすると、英語で表現できずぐだぐだになってしまうので気をつけてください。

京大英語の大問1,2の英文を読む際のコツ

英文を読む際には、とにかくこだわりすぎないことを意識してください。和訳するところ以外は、他のところと合わせてだいたい何を言おうとしているかがわかっていれば良いのですから、普段から英文全体で何を表現しようとしているかを意識して読む練習をしましょう。普段から試行錯誤をして英文の言いたいことを考えていれば、大抵の英文は言いたいことがわかってくるようになります。それさえ出来ていれば、和訳する部分は丁寧に分解するなりなんなりして取り組めばいいだけですし、指示語の指している場所は比較的簡単に見つかります。京大英語で登場する文章は構成だけでいえば容易な文章が多いです。

京大英語の「大問3(または4)」対策について

大問3(および4)は、毎年自分で英文を書く問題が出題されています。ただし形式がよく変わるので、それぞれの形式について軽く説明します。

一つ目の形式は、「かなりの長さで、しかも英語にするのが困難な日本語特有の複雑な言い回し多く含む日本語の文章を英文に訳す」というものです。

このタイプの問題にあたった場合は、いきなり英語にしようとするのではなく、まずは日本語をより言い方が簡単な日本語に置き換えていくことから始めてください。それさえ成功すれば、それを英語に言い換えるのはそれほど難しくありません。

二つ目の形式は、「日本語の文章の空白部分(そこそこ長い)を自分でふさわしい内容で補った上で、全文を英語に直しなさい」というものです。

このタイプが来たときには、一つ目の形式にくわえて文章全体の論理性を考えるという厄介事がついてきます。この際には、なるべく無難で書きやすいことを考えましょう。自信がある人は自分の主張を織り交ぜるのも良いですが、英訳する文章であるということを念頭に置きながら書くべき内容を考えるべきです。

三つ目の形式は、「英語の文章や会話文の中の空白を英語で補って文章を完成させる」というものです。これは他の二つに比べれば、余計な和訳を含まない分、自分で考えたものだけを書けばいいので楽ですが、文脈を読み取る力と、それに合わせて論理的な内容を考える必要があります。そういう点では二つ目と似ています。

どのパターンであれ、論理的で読んで理解できる文章が書かれていれば点数は得られます。文法のミスで無駄に点数を引かれないために、英文を書く際は自分の知っている表現の中から最適のものを探して使いましょう。なんとなくで無理に作ってみた文が正しい文法になることはめったにありません。ですから、自分が英語で表現できなかったものの表現の仕方を覚えたり、表現できないことは別の言い方をすることを普段から意識しておきましょう。