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【決定版】医学部合格に必要な勉強時間は5,000時間? 〜学年別の目安と効率的な勉強法〜

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医学部合格までに必要な総勉強時間はどれくらいか? 

医学部合格には「約5,000時間以上」の勉強が必要と言われる理由

高1は25時間/週、高2は35時間/週、高3は45時間/週 とすると、3年間の勉強時間は必然的に、約5,000〜5,500時間になります。巷では医学部合格に必要な時間が「約5,000時間以上」と言われるようですが、意識せずとも医学部合格者のスタンダードな勉強時間を確保するだけでこれくらいの勉強時間を確保することになります。

なお、人によって5,000時間より少ない時間で合格することもあれば、5,000時間以上かけても合格しないことがあるので、勉強時間と同じくらい、学習効率や生まれ持っての記憶能力や理解能力も重要であることは先にお伝えしておきます。

現役生 vs 浪人生:合格者の平均勉強時間の違い

浪人生は84時間/週の勉強時間が必要です。4月から始めて2月末までの受験で考えると、約45週で約3,800時間になります。浪人生は現役生の3年間をやり直すことはできませんが、全範囲が既習の状態でこれだけの時間が使えることを考えると十分に挽回可能と言えます。

学年別・1日の勉強時間の目安(高1~高3+浪人)

高校1年生:週25時間からスタート

平日は1日平均3時間、休日は1日平均5時間で達成可能です。平日に1日平均2時間、休日に1日平均7時間などの調整も可能です。

医学部受験には「学習指導要領の範囲内からしか出題されない」という原理原則があります。高1から、学校で新しく習った教科書範囲を徹底していく・・・つまり、教科書傍用問題集に載っている問題をできるだけ全て解ける状態を目指す、ということをやっていけばOKなのです。”借金を残さない”が高校生活を通して重要です。合わせて、次の模試に向けて、模試の出題範囲(=既習範囲)を全て復習していきます。

理科の既習範囲が少ないため、自宅学習は英語・数学をメインに据えることになります。

高校2年生:週35時間にステップアップ

平日4時間+休日7時間確保がベースとなるでしょう。

高2から徐々に理科の既習範囲が増えてきます。高2の夏休みまでは継続して英語・数学をメインに進めるのですが、高2の夏休みに理科の既習範囲を総復習した上で、夏休み明けから徐々に理科にも着手していくのが医学部受験の定石です。

高2の秋から理科の徐々に軸足が移せるよう、高1,2で英語・数学を高い習得レベルにしておくことが非常に重要です。

高校3年生:週45時間に増やす

部活を引退してからは、週45時間の勉強時間にしたいところです。

平日6時間+休日12時間の勉強スケジュールがベースとなります。

部活動をやめてから勉強だけに集中するのは難しいかもしれません。意外と部活をやっていた時は、メリハリをつけて効率的に勉強できていたことを痛感するはずです。それでも、1~2ヶ月でリズムを掴みたいところです。

浪人生:1日あたり12時間確保する

学校行事が無い分、徹底的に勉強に時間を充てる一年にしましょう。ただし、長時間勉強していると集中力や効率が落ちてしまうのも事実です。

長時間勉強でも効率を落とさないメリハリの付け方は、運動を組み込むことです。

浪人生にとって最適な生活リズムは以下を参照してみてください。

医学部受験生の1日スケジュール【平日・休日】例

平日:学校+部活+家庭学習で計3~5時間確保する例

〜7:00 起床
〜8:30 登校
~15:30 授業
~18:30 部活
〜19:30 帰宅
〜20:30 食事・風呂
~23:30 自宅学習

休日:丸一日で合計10~12時間勉強する例

〜7:00 起床
〜12:00 勉強
〜13:00 休憩
〜19:00 勉強
〜20:00 休憩
〜23:00 勉強

忙しい中で勉強時間を確保するコツ

手帳を活用して、日々のスケジュールを見直し、無駄な時間を徹底的に削減

手帳を使って時間の使い方を可視化することをお勧めします。松濤舎の手帳の使い方は非常に参考になるでしょう。

当然ですが、スマホやゲームの時間を制限し、スキマ時間を勉強に充ててください。

睡眠時間は削らない – 質の高い勉強のための体調管理

寝不足は効率低下のもとです。7時間以上の睡眠は必須で、人によっては8~9時間必要な場合があります。

睡眠時間を削るのはマイナスしかありません。絶対領域として不可侵です。

次の模試までの目標を立てて、学習計画を1週間単位に落とし込む

年間スケジュールを立てても絵に描いた餅になりがちです。

そこで、「次の模試でどれくらいの偏差値を取るか」から逆算するようにしましょう。だいたい2~3ヶ月スパンの計画を立てることになります。

次の模試の状態ゴールが決まると、1日あたりにやるべき課題が作成できます。現役生は毎日同じ課題を進めるのが難しいので(=平日は学校があるため)、それを週間計画にしたものを実行します。

科目間のバランスは模試の結果を踏まえての調整でOKです。週次で調整すると、調整にばかり気が取られて勉強に集中できなくなるからです。

学校の授業や通学時間を有効活用する

授業中はしっかりノートをとりましょう。たとえその場でわからなくても、あとからノートを見たらヒントが書いてあるようにしたらいいのです。

通学時間は英単語や古文単語の暗記、あるいは英語の多読多聴がしやすいですが、数学や理科の勉強に充てることもできます。どのようにやるかというと、「問題を見て、一歩目が踏み出せそうかや、その問題のポイント、注意点、出題の狙いが瞬時に想起できるか」をテストするのです。手を動かすと作業になりがちで、頭を働かさなくなってしまいます。強制的に手を動かせない状況に身を置くことで、頭を使うようになりのです。

医学部合格のために注力すべき科目と勉強法

英語・数学:配点が高く、習得に時間がかかり、学校の進度が比較的早い科目を優先的に進める

高1、高2前半では、理科の既習範囲が少ないです。よって、英語と数学に時間を偏らせることになります。

特に、英単語は学校進度に関係なく進められるのでどんどん覚えておきたいです。英語長文の多読多聴も、学校ではあまりやらない一方、非常に重要なトレーニングのため「周りに差をつけることができる勉強」となります。高1から継続したいところです。

数学は積み上げの科目です。数1A,2Bで借金を作ると、それをベースとした微積分などが辛くなります。高3から応用系の問題集に入る高校も多いのですが、そういった授業を有効活用できなくなります。数学も既習範囲を都度潰していくのが基本戦略です。

先取り学習は原則として不要です。既習範囲を高い習得レベルにすることを優先し、それでも時間が余ったら先取りするようにしましょう。

理科:高2から徐々に軸足を移し、教科書傍用問題集を徹底する

理科は、化学選択に加え、物理/生物から1科目選択します。医学部受験を考えるなら生物選択を強く推奨します。理由は、物理が原因で落ちる人はいるが、生物が原因で落ちる人はほぼいないからです。生物は暗記事項さえ覚えたら合格点が取れるのですが、物理は理解できなければずっと理解できないままになるリスクがあります。

理科も教科書傍用問題集を徹底することがすべてです。特に化学と生物はそうです。物理は教科書傍用問題集だけでは事象理解や、いつどの公式を使うかといった実戦的な知識が得づらいので注意が必要です。

過去問演習:大学ごとの傾向を把握し、アジャストする

高3の10月以降に出願予定校(複数ある場合が多い)の過去問に着手しましょう。

過去問演習は「成績を伸ばすため」ではなく「当該大学の出題形式、試験時間において、合格最低点を取りに行く解き方を見つけるため」に行います。よって、解き直しなどより「解き方のブラッシュアップ」が重要です。

その他:共通テスト対策と面接・小論文対策は遅くてOK

共通テストは非常に特殊な試験です。確固たる学力(≒知識量)を身につけたら、共通テストの形式にアジャストするだけでOKです。共通テストでしか使わない科目、国語、社会、情報については夏頃から薄く長く対策しておけばよいです。

共通テスト対策としては、7月くらいから月1ペースで共通テスト模試を受けておき、演習が足りなければ11月頃から演習を追加すれば十分に間に合います。

共通テストで取りたい点数が取れないのは、共通テストの形式の演習が足りていないからではなく、根本的な学力が足りていないからです。根本的な学力さえあれば、あとは共通テストの形式にアジャストする練習をするだけですし、それ自体に時間はかかりません。

面接・小論文は、私立医学部なら1次試験通過後から始めても十分に間に合います。1次試験に小論文がある場合は2週間前くらいから始めたら十分です。面接も1次試験通過後でOKです。それ以上前から始めても、そもそも1次試験に通過しなければ無駄になってしまうからです。また、ほぼペーパーテストが合否を決めるので、面接や小論文に時間をかけるのは非効率なのです。

まとめ – 医学部合格への道は「勉強時間×効率」の両輪で

医学部合格には延べ5,000時間に及ぶ勉強が必要と言われます。もちろん、絶対量の確保は必須です。しかし、量だけでなくその時間をどう使うかも同じくらい重要です。

高校1年から計画的に学習を積み重ね、学年が上がるごとに勉強時間と密度を増していきましょう。特に定期テストや模試は、普段の学習の見直しをする機会になります。どんな状態になれば、定期テストや模試で初見の問題に対応できるようになるのか、そのハードルがどんどん上がっていくイメージです。

浪人生は、1日平均12時間の勉強時間で、高校3年間の勉強時間を取り戻せるくらいの時間が確保できます。しかし、それは高校時代から勉強する習慣がついているからなせる技であって、浪人の1年間に賭けて高校3年間をサボるということはやめましょう。

「これだけ勉強した」という自信が、本番での大きな力になります。しっかりとした計画のもとで勉強を続け、医学部合格を実現させましょう。