
1. 前提の確認
正しい過去問演習のやり方を解説する前に、前提をおさらいしておきます。
まず、合格最低点を1点でも上回れば合格することを忘れないでください。
そのため、過去問演習前に必ずパスナビなどで合格最低点と各科目の配点を確認し、各科目で何割くらい取ったら良いかの仮説を立ててから過去問を解きましょう。
満点・高得点を取ろうとするのは逆効果で、受験本番に悲惨なことになります。
また、点数は知識量によって左右されるので、合格最低点を上回るだけの知識量が必要です。そして、必要十分な知識量を得るためにはやるべき問題集の習得レベルを上げるのが最も効率的です。
なお、過去問演習をやっても知識量はほぼ増えません。知識量を増やすための手段として、過去問演習は圧倒的に効率が低いです。それは、
- 過去問で出た問題は本番で出ない
- 過去問の解説は知識の応用を意識して作られていない
といった理由からです。
2. 試験時間を20%増やして解く
まずは制限時間を20%ほど増やして過去問を解いてみてください。
これで合格最低点以上が取れれば、知識量は十分ある証明になります。
あとは、試験時間内に合格最低点が取れるようになるまで過去問を繰り返せばOKです。
その際、試験時間-5分を制限時間として解くようにしてください。試験本番における「残り5分」は、緊張してほとんど時間を有効に使えないからです。
解答時間を20%増やしても合格最低点に満たないなら、知識量が足りていない証拠です。
その状態で過去問演習を重ねても合格可能性は上がらないので、問題集に戻り、知識を追加していってください。
「知識量が足りないのか? 時間が足りないのか?」の問題の切り分けをするためにも、まずは解答時間を20%増やして解いてみることがポイントなのです。
過去問の回数は決まっていない。試験時間内で合格最低点を上回るまでやる。
過去問演習は、試験時間内に合格最低点が取れるようになるまで繰り返す必要があるので、何年分やればいいといった一般解はありません。
時間を延ばして合格最低点が取れるようになったら、試験時間内で解けるようになるまでは何度でも過去問演習を繰り返す必要があります。
参考:センター対策も同じ
ちなみに、センター対策も同じです。
時間を増やして解き、満点近く取れるようであれば、5分短くして過去問を解く練習を重ねるだけです。
3. 問題集と過去問を照合し知識を増やす
過去問演習を行う目的は時間短縮ではありますが、そうはいっても過去問演習を通じて知識を増やしたいですよね。
過去問演習時期に知識を増やすためには、過去問で間違えた問題を問題集に紐付けるという作業を行ってください。
松濤舎指定教材は典型問題を網羅的にやるラインナップになっているので、問題集に戻ればほぼ必ず類題が載っています。
問題集に類題が載っていても解けないことはよくあることですが、問題集と紐付けることで「こういうふうに出題されることもあるんだ」と理解が深まります。
4. 受験当日は「再現する」ことだけ意識
問題集を通して知識量を十分に身につけ、過去問演習を通して試験時間内に合格最低点が取れるようになったら、あとはその解き方(時間配分等)を、試験当日に忠実に再現するだけです。
とにかく受験当日は、過去問演習時にやっていた解き方を忠実に再現することだけに意識を集中させてください。
過程にフォーカスがあてられるよう、過去問演習を通して時間配分や各科目で何点取るかを頭に定着させましょう。
上記を守れば、超効果的・効率的な過去問演習ができるでしょう。
「【決定版】医学部受験生の過去問演習のやり方」に関するQ&A
- 医学部受験における過去問演習の重要性は?
- 過去問演習は、合格最低点を上回るための知識量を確認する手段です。受験本番の形式に慣れることもでき、実際の試験環境での時間配分や問題解決能力を向上させるために不可欠です。
- 過去問は何回解くべきですか?
- 過去問の回数に決まりはありません。合格最低点を上回るまで繰り返し解くことが重要です。試験時間内で合格点を取れるようになるまで、何度でも演習を続ける必要があります。
- 過去問演習時の試験時間の設定方法は?
- 初めは試験時間を20%増やして解くことを推奨します。これにより、知識量が十分かどうかを確認し、合格最低点を取れるようになるまで繰り返し練習します。
- 知識量を増やすための過去問演習の活用法は?
- 過去問で間違えた問題を問題集と照合し、類題を解くことで知識を深めます。松濤舎の教材を使用すれば、典型問題を網羅的に学ぶことができ、理解が深まります。
- 過去問演習の際、どのように時間配分を意識すべきか?
- 過去問演習を通じて、各科目での目標点数や時間配分を頭に定着させることが重要です。受験当日は、演習時の解き方を忠実に再現することに集中しましょう。
- 受験当日に意識すべきことは?
- 受験当日は、過去問演習で身につけた解き方や時間配分を忠実に再現することが大切です。緊張を和らげるために、普段通りのアプローチを心がけましょう。
- 過去問演習での知識量の確認方法は?
- 過去問を解いた後、合格最低点を上回るかどうかを確認します。合格点に達しない場合は、知識が不足しているため、問題集に戻って学習を続ける必要があります。
- 過去問演習の効率的な進め方は?
- 効率的に進めるためには、まず過去問を解き、次に問題集で関連する知識を補強する方法が効果的です。これにより、知識の定着と応用力が高まります。
- 過去問演習の目的は何ですか?
- 過去問演習の主な目的は、試験時間内に合格最低点を取れるようにすることです。また、知識を増やし、実際の試験環境に慣れることも重要です。
- 医学部受験における過去問の役割とは?
- 過去問は、受験生が必要な知識を確認し、試験形式に慣れるための重要なツールです。合格最低点を上回るための戦略を立てる際に欠かせない要素となります。