
前提:大学は受験生に序列をつけたい
時間が足りないように作られている
私立医学部は”法外な”倍率になります。大学側が入試を課すのは、それだけ大量の受験生に序列をつけるためです。
大学側が一番やっていけないことは、受験生がほぼ同じ点数になってしまうことです。よって、時間が足りないように試験を作ります。
国公立医学部は「基本問題〜実力がないと解けない問題をバランス良く混ぜること」で序列をつけてきますが、私立医学部はまず「問題数を多くすること」で序列をつけてくる傾向にあります。
最速で解いても解ききれないような問題設計をしている大学(年度)もあるので、すべて解こうとすることははじめから諦めてください。
満点・高得点を取らなくても、合格最低点さえ上回れば合格します。
私立医学部の場合、出題傾向や出題形式は毎年大きく変わる可能性がありますが、過去問研究を通し「どれくらい解けたら合格最低点を超えそうか」の仮説を立てて試験に挑むようにしてください。
解かなくていい問題が大量に入っている
私立医学部では、問題数を増やした上で、さらに「解かなくていい問題」を大量に入れてきます。
実力のない人には、すべての問題が「解けないといけない問題」に見えます。結果、トラップ問題に手を付けてしまい、十分な点数が取れず振り落とされるのです。
大事なのは、難関大合格者がやっていた問題集をやり込むこと、やり込んだという強烈な納得感を持つことです。自分がわからない問題は他の人もわからない問題(=差のつかない問題)だとわかり、すぐに飛ばすことができるようになるからです。
捨てるべき問題か否かの判断力(=判断するための知識)は、一朝一夕で身につくものではありません。やるべき問題集を徹底的にやり込む必要があります。
「正しい選択肢をすべて選べ」問題を入れる
「正しい選択肢をすべて選べ」問題は難問です。
時間がかかりますし、選んだ選択肢に1つでも過不足があれば点数にならないというリスクもあります。受験生に序列をつけるためのトラップと判断してもよいでしょう。
他の問題を優先し、余った時間でじっくりと選択肢を検討する、というのがベストプラクティスでしょう。
大問1に難しい問題を持ってくる
大問1に敢えて難しい問題を出し、焦らせてくる大学(年度)があります。
確かにセンター試験の数学では大問1,2が比較的簡単(平均点も高い)ですが、大問1が簡単でなくてはならないルールはありません。
大問1から飛びついて解こうとするような非戦略的な受験生を振り落とす狙いもあるのでしょう。
また、「大問1に敢えて難しい問題を持ってくるかも」と思っていれば、わからない問題が出題されてもリラックスできるので、知っているだけで効果的でしょう。
対策
4割は捨てるつもりでいる
そもそも合格するために高得点を取る必要はありません。
合格最低得点率(多くの大学で60%~65%)を上回りさえば良いのです。
よって、はじめから4割の問題は捨てるつもりで解きましょう。6割を確実に解き、残った時間でいくつか解けたらラッキー程度で考えるべきです。
「解答時間をすべて、解ける問題にだけ使った状態」で試験を終えられるのがベストです。
判断できるだけの実力をつける(本質)
大学の至上命題は、高得点も取れる問題を作ることではなく、序列をつけることです。よって、高得点なんて取れないと思って試験を作っています。
つまり、捨てるべき問題が見抜けるかどうかも試されているということです。
捨てるべき問題かどうかの判断は、実力がなければできません。日頃から典型問題(良問)が自力で解けることを目指した勉強をしていきましょう。
「【決定版】私立医学部受験の前に確認すべきこと」に関するQ&A
- 私立医学部受験の特徴は何ですか?
- 私立医学部受験は、問題数が多く、時間が足りないように設計されています。大学側は受験生に序列をつけるため、難易度や出題形式が毎年変わることが多いです。合格最低点を超えれば良いため、高得点を狙う必要はありません。
- 私立医学部の試験で捨てるべき問題はどう判断する?
- 捨てるべき問題を見抜くためには、日頃から典型問題を解く実力をつけることが重要です。難易度の高い問題やトラップ問題は、他の受験生も解けない可能性が高いため、迅速に判断して飛ばすことが求められます。
- 合格最低得点率はどのくらいですか?
- 多くの私立医学部では、合格最低得点率は60%から65%程度です。このため、全ての問題を解く必要はなく、確実に解ける問題に集中することが合格への近道です。
- 私立医学部の問題にはどんなトラップがありますか?
- 私立医学部の試験には、解かなくていい問題や「正しい選択肢をすべて選べ」問題などのトラップがあります。これらは受験生を振り落とすための戦略的な出題ですので、注意が必要です。
- 試験対策としてどのような問題集を選ぶべきですか?
- 難関大合格者が使用する問題集を選び、徹底的にやり込むことが重要です。特に、自分が理解できない問題は他の受験生も解けない可能性が高いので、早めに飛ばす判断力を養うことが求められます。
- 私立医学部受験のための時間配分はどうすれば良い?
- 試験中は、解ける問題にのみ時間を使うことが理想です。全体の4割は捨てるつもりで、残りの時間で確実に解ける問題を解く戦略が効果的です。
- 大問1に難しい問題が出る理由は何ですか?
- 大問1に難しい問題を出すことで、受験生の焦りを誘い、非戦略的な受験生を振り落とす狙いがあります。これに備えて、リラックスして試験に臨むことが重要です。
- 私立医学部受験の過去問研究はどのように行うべき?
- 過去問研究では、出題傾向や形式を分析し、合格最低点を超えるためにどれくらい解けるかを仮説立てて挑むことが重要です。これにより、効果的な対策が可能になります。
- 医学部受験における判断力を高めるためには?
- 判断力を高めるためには、日常的に問題集を解き、解答の根拠を理解することが必要です。特に、典型的な問題を自力で解ける力を養うことが、受験時の判断に繋がります。
- 私立医学部受験の勉強法で注意すべき点は?
- 勉強法では、問題を解くことに加え、解けない問題を飛ばす判断力を養うことが重要です。また、過去問を通じて出題傾向を把握し、戦略的に学習を進めることが合格の鍵です。