>>[4月入塾募集中]個別相談会の詳細はこちら

【決定版】医学部参考書|基礎問題精講だけでは不十分

医学部受験の数学は、基礎問題精講だけでは不十分

数学は基礎問題精講(旺文社)だけで十分ですか? と質問されることがありますが、普通に不十分です

理由は簡単で、基礎問題精講だけでは全統記述模試で偏差値60にすら取れないからです。

すべての国公立医学部・私立医学部は偏差値ボーダーが62.5以上で、もっとも多い偏差値帯が65です。確実に医学部合格したいと考えるなら、偏差値65前後が取れる状態にしなければなりません

基礎問題精講で偏差値65が無理なのは、紐づけられないから

なぜ基礎問題精講だけで偏差値60も取れないかというと、記述模試の問題が、実際に基礎問題精講に紐付けられないからです。

全統記述模試の数学の問題を基礎問題精講に紐づけても、200点満点で90〜100点分の問題しか紐付けられません。大問1の計算問題40点と、他大問の小問(1)(2)で10~15点、といった感じです。

偏差値換算すると偏差値50~55に該当します(※毎年平均点と標準偏差を記録しているため正確)

ということは、基礎問題精講だけをやっても偏差値ボーダーは大きく下回わり、医学部合格に必要な偏差値になっているとは到底言えません。

(参考)河合塾のデータ

「医学部入試結果分析2021 私立大学 全体概況」のデータは下記となっています。数学の平均偏差値は64.5、合格者の総合成績の偏差値分布は57.5以上がほぼ下限の成績となっています。

偏差値60以上取れるのは他書も使っていたから

基礎問題精講だけで偏差値60以上取れていたら、それは学校指定の『Focus Gold』や『青チャート』、『ニューアクションレジェンド』などの網羅系問題集、あるいは『4ステップ』『4プロセス』『サクシード』などの計算系問題集を別途やっているから。自分で市販教材を購入してやっていたこともあるはずです。

ちなみに、難しい問題集ばかりやっていた人に簡単な問題集を追加したら成績が伸びるということはもちろんあることです。

もしこれも含めて「基礎問題精講だけで医学部合格できる」と言っているとしたら、非常に不誠実ですね・・・。

「合格可能」と「合格に十分」はまるで違う

可能性だけの話をすれば、数学の偏差値が50台でも合格する可能性はゼロではありません。

例えば、英語が非常に得意で数学の分をカバーしていたり、浪人生で理科が安定して取れるようになっていたりしているケースです。そういう人が基礎問題精講だけで合格したら、基礎問題精講だけでも「合格可能」と言えるわけです。

例えば、英語が非常にできる生徒が英語をほぼ無対策で合格した場合でも「英語は無対策でも医学部合格可能」と言ってしまえます。

「学費の高い私立医学部を10校受験してたまたま1校合格する」といった確率でいいなら、数学は基礎問題精講だけをやるといいと思います。しかし、合格可能性を確実に高めたいのであれば、確実にボーダー偏差値が出るに足る問題集を進めていくべきです。

『Focus Gold』『青チャート』なら「合格に十分」です。

『Focus Gold』『青チャート』は半分が基本問題

網羅系問題集はオーバーワークだと言う人がいますが、半分が教科書レベルの基本問題なのをご存知でしょうか?

おそらくきちんと数えたことのある人が少ないと思いますが、『Focus Gold』も『青チャート』も、数1Aで300例題、数2Bで400例題、数3で300例題、合計1,000例題ほどが掲載されています。このうち教科書レベルにあたる星1,2個問題(青チャートではコンパスマーク1,2個問題)が全体の半分を占めているのです。

つまり、あれだけ分厚く見えて、半分は教科書レベルの計算問題・基本問題です

そして、この計算問題・基本問題が解けるようになると、偏差値55に到達します。つまり、基礎問題精講をやるのと同じ状態になるのですね。

基礎問題精講をやること=教科書レベルの問題を解くこと、だったのです。

さて、『Focus Gold』の場合、星3個問題までやれば偏差値65に到達可能になります。これは記述模試と紐づけたり、生徒の習得レベルと偏差値とを比較した結果なので正確です。星4個までで偏差値67.5、StepUp問題で偏差値70まで出せることがわかっています。

基礎問題精講をやってから、標準問題精講に入るより、もともと1冊になっている『Focus Gold』や『青チャート』の基本問題だけを先にやったほうがシームレスで、明らかに進めやすいのも網羅系問題集を推奨する大きな理由です。

なお、基礎問題精講と標準問題精講は著者が異なるため接続が悪かったり、物理的に2冊にわかれているため問題どうしの関係性がぶつ切りになって頭の整理がしづらくなっている、というのが欠点です。

補足:基礎問題精講は良い問題集です!

誤解を招かぬよう補足しておくと、基礎問題精講は非常に良い問題集です。

偏差値50台の地方国公立理系学部を目指す人には推奨しています。

甘い言葉に釣られても責任を取るのは自分

「『Focus Gold』や『青チャート』は分厚くてやる気が出ない」と言うのはやめましょう。掲載されている約1,000例題のうち約800例題(星3個までの問題)は、医学部受験生が入試本番前に自力で解けるようになっていなければならない問題なのです。

これらはどれも典型問題で、典型問題自体は簡単すぎてそのまま入試には出ません

そのため、典型問題は当たり前のようにして解ける状態になった上で、さらに類題に対処できるよう、抽象化していかなければならないのです

「基礎問題精講だけで医学部合格できる(=した人もいる)」と言ったほうが、人は集まるでしょう。人が集まれば、確率的に合格する人は一定出てくるでしょう。

しかし、その甘い言葉につられ、問題集を終えたのに記述模試で偏差値50台から抜け出せず、過去問もまともに解けずに1年棒に振るといった状況に陥っても、責任はその塾にはありません。

責任は、あなた自身にあります。

網羅系問題集をとことん進め、正面から確実に医学部へ

医学部受験では難しい問題に手を出す必要はありません。過去問を見てみればわかりますが、ほぼ典型問題で、その割に合格最低点も低いです。

これが何を意味しているかと言うと、典型問題を人より徹底し、確実に解けるようにしておけば合格点が来るということです。

これがわかっている上で、『Focus Gold』や『青チャート』を推奨しています。

模試や過去問を解いても、基礎問題精講に似た問題が載っておらず、どう復習したらいいか、振り返ったらいいか、わからなくなっていませんか?

少なくとも偏差値65が取れるだけの問題が、過去問で合格最低点以上を取れるだけの問題が、『Focus Gold』や『青チャート』に紐付けられます。

網羅系問題集で必要十分な問題を解き、確実に医学部合格する学力を身につけましょう。

甘い話なんてないのです。