医学部受験は合格最低点から逆算して考える
医学部合格のために唯一必要なことは、合格最低点を0.01点でも上回ることです。合格最低点は多くの大学で発表されており、それは比較的安定して推移しています。この合格最低点を超えるために、各科目で何点ずつ取るかを決めていきます。
[注]逆算思考は、効率的な受験勉強に必須である
合格最低点から逆算的に考えるのは、医学部受験に限らず、あらゆる大学受験における必須のアプローチです。行きあたりばったりの勉強をするのでなく、志望校を見据えた戦略的な学習が効率的な受験勉強の原則です。
医学部受験で合格最低点を設定する際の注意点|国公立医学部2次試験①
合格最低点を定める際には注意点があります。
まず、国公立医学部の2次試験の合格最低点について。大学側が2次試験の合格最低点を発表していることがありますが、この点数は使わないようにしてください。なぜなら、その点数は共通テストで高得点を取った人の点数である可能性が高いからです。そのため、2次試験の合格最低点を求めるためには、総合点の最低点から、共通テストのボーダー得点率(各予備校が発表しているもの)を引いて求めてください。
合格最低点 = 総合点の合格最低点 − 共通テストのボーダー得点率
これがもっとも合理的な2次試験の最低点となります。
[注]総合点の合格最低点、共通テストのボーダーの調べ方
お勧めは、旺文社の運営するパスナビです。大学名で検索し、「合格最低点」「偏差値・共テボーダー」というボタンが出てきますので、これをクリックします。なお、共通テストのボーダーは2~3%ほど高めに出ている印象はありますので、ボーダーより低い得点率になっても出願を諦めず、総合的に判断する必要があります。
医学部受験で合格最低点を設定する際の注意点|国公立医学部2次試験②
もう1点、国公立医学部の2次試験で注意すべきことがあります。それは、合格最低点が比較的安定して推移しているとはいえ、10%ほど上下することはザラにあるということです。
よって、過去問演習したら必ず解いた年度の最低点を確認するようにしてください。合格最低点が低い年では目標点数よりも低くなっても仕方ないですし、高い年では目標点数より高く出ても安心してはいけません。
医学部受験で合格最低点を設定する際の注意点|国公立医学部2次試験③
大問ごとの配点は発表していない大学が多く、採点基準はもちろん公表されていません。よって自己採点する際、合格最低点を超えているかどうかの判断は基本的に困難です。
とはいえ、人から採点してもらうと思考を外部化するだけで自身で考えなくなってしまいます。小問は後半になるほど配点を少し高めて採点してみてください。難しい場合は、単純計算で正答率を割り出し、合格最低点から大きく外れていないか確認します。
医学部受験で合格最低点を設定する際の注意点|国公立医学部2次試験④
合格最低点が取れているかを測る指標として冠模試(大学名のついた模試)があります。以下の大学の冠模試が、駿台と河合塾でそれぞれ開催されています。
- 東京大学
- 京都大学
- 大阪大学
- 名古屋大学
- 九州大学
- 東北大学
- 北海道大学
- 広島大学
- 東京工業大学
- 一橋大学
- 神戸大学
冠模試は添削してもらえるので参考値にすべきですが、採点は微妙です。そのため、配点(どのような配点か)と順位(定員数より上の順位になっているか)は参考にしますが、点数自体はそこまで気にする必要はありません。
そもそも冠模試は入試本番の問題よりも1.3倍くらい難しいです。冠模試の点数ですべてを決めることのないよう注意しましょう。
医学部受験で合格最低点を設定する際の注意点|国公立医学部2次試験⑤
地方国公立医学部では、面接点の配点率が高い大学もあります。基本的に面接点は学科試験より高くなる傾向にあるため(基本は80点以上のイメージ)学科試験の合格最低点が高めに出ることがあります。
これも勘案し、少しだけ低めに合格最低点を見積もっておくとよいでしょう。もちろん、面接点も含めた合格最低点以上に学科試験の点数が取れていれば、より問題ないと判断できます。
[注]科目別の配点の調べ方
こちらも旺文社の運営するパスナビで調べられます。大学名で検索し、「一般選抜(科目・日程)」というボタンが出てきますので、これをクリックするとわかります。ただし、正確な情報かは必ず募集要項を確認するようにしましょう。細かい注意点が書かれていないことがたまにありますので。
医学部受験で合格最低点を設定する際の注意点|私立医学部の個別試験①
私立医学部の合格最低点を設定するときもいくつか注意点が必要です。
まず、発表されている点数が独自に調整した点数であることが多いという点です。素点ではなく、他科目とのバランスを踏まえて調整していることがあります(理科選択で不利にならないように等)。
また、そもそも偏差値換算している大学もあります(東海大学医学部など)。よって、必ずしも合格最低点がわかるわけではないという点に注意しましょう。
合格最低点がわからない場合は、専門塾(松濤舎含む)に問い合わせ、聞いてみるのもよいかと思います。
医学部受験で合格最低点を設定する際の注意点|私立医学部の個別試験②
合格最低点の定義が大学によって異なります。正規合格の合格最低点なのか、繰り上げ合格の合格最低点なのかは大学のホームページに行くとわかるので、そこで確認しましょう。パスナビにはそこまで記載されていないので注意が必要です。
合格最低点の確認が重要である理由
なぜここまでして合格最低点について細かくお伝えしているかというと、医学部受験は特に「どの問題を捨てるか」が重要になるからです。特に私立医学部の場合、時間内には絶対に解けない量の問題を出題する大学が多いです。となると、難しい問題でスタックしてしまう余裕なんてありません。そういう問題をパッパと捨て、解ける問題だけを確実に解くのです(それだけで制限時間が来ます)。
どのレベルの問題が当該大学で捨てるべき問題なのか・捨てても合格最低点に達するのか、を見極めるためには、合格最低点の把握が必須なのです。
「目標下限得点」を決める
総合点の合格最低点を把握したら、それを各科目でいかに取っていくかを考えます。合格最低点を超えたらいいので、高く設定する必要はありません。大事なのは下限得点を決めることです。つまり「これより低い点数は取らない」という得点のことで、松濤舎ではこれを目標下限得点と呼びます。
目標下限得点を下回らずに安定して得点できる状態を目指して勉強していくのです。
現状との差分を埋める
「目標下限得点」が決まったら、現状との差分を埋めるべく勉強時間を配分しましょう。そして、問題集を復習したり、問題集を追加したり、過去問演習を継続したりします。
とにかく、すべては合格最低点を超えることから逆算して組み立てていくのです。
合格最低点のイメージが湧かない人は?
受験期の夏休みくらいにならなければ、合格最低点のイメージは湧かないと思います。過去問を見ても、そもそも未収範囲が出題されていたり、過去問にも全然手が出なかったり・・・。しかし、受験期の夏休みということは、すでに高校生活の2年半が終わっているわけです。
松濤舎では、この2年半を医学部受験を見据えた時間にすることができます。専門塾なので、受験期から逆算して高2、高1でやっておくべきこと、なっているべき状態ゴール、取っておくべき成績を把握しています。
効率を追求した松濤舎の医学部専門指導で、無駄なく医学部合格しましょう!