>>[残席僅か]個別相談会の詳細はこちら

【決定版】医学部受験用「志望理由書」の書き方

志望理由書は、医学部入試において大きな配点を持つことは少ないです。
しかし、だからといって「適当に書けばいい」ものではありません。

 面接官は、あなたの志望理由書を手にしながら、面接の質問を考えます。
つまり、どんな内容を書くかで、面接全体の流れと印象が変わるのです。

この記事では、医学部志望者向けに、志望理由書の書き方を1つひとつ丁寧に解説します。

手順に従うだけで簡単に誰でも書ける仕組みとなっているので、「どう書けばいいのか分からない」を「これなら書けそう」に変えることができます。

合格に向けて、面接を味方につけるための第一歩として、ぜひご活用ください。

医学部では志望理由書は基本的に点数化されない

志望理由書が入試で直接点数として評価されることは、実はあまりありません。というのも、学力試験や面接の結果が合否を左右することがほとんどだからです。

つまり、少しくらいうまく書けていなくても、それだけで不合格になることはほとんどないのです。だからこそ、必要以上に気負わず、落ち着いて取り組んでください。

医学部での志望理由書の使用用途

志望理由書は、主に面接のときに使われる参考資料です。書かれている内容をもとに、面接官が質問してくることが多いため、「どこを掘り下げられてもきちんと答えられる」内容にすることがとても大切です。

自分でうまく説明できない難しい内容や、嘘の内容を書いてしまうと、面接でつまずくリスクがあります。

適度な膨らませはOK、ただし面接で答えられる範囲で

志望理由書は、絶対に真実しか書いてはいけないわけではありません。話を少しふくらませたり、伝え方を整えたりする分には大丈夫です。そのほうが、内容がより魅力的に見えることもあります。

ただし、面接でそのことを聞かれても、ちゃんと自分の言葉で答えられる範囲にとどめておきましょう。

医学部の志望理由書は「堅実で真面目」が一番

医学部の志望理由書では、奇抜さや内容の面白さを狙う必要はありません。医師は人の命を預かる職業である以上、医学部入試においても誠実さや倫理観をそなえているかが重視されます。大切なのは、真面目で堅実な内容を、筋道立ててわかりやすく伝えることです。内容としての面白みは必要ないことに注意してください。

志望理由書は、最初から文章を書こうとするよりも、材料を集めるところから始めた方がうまくいきます。次の4つの質問に順に答えていけば、自然と志望理由書に書く内容を洗い出すことができます。

したがって、まずは以下の質問に答えてみてください。

① その大学にはどんな特徴や独自性がある?

まずは「その大学ならでは」のポイントを探しましょう。たとえば、他の大学にはないカリキュラムや制度、キャンパスの環境、学生の雰囲気などです。

 1つの特徴でもかまいませんが、「Aという特徴があって、しかもBもある」というように、複数を組み合わせて考えると、その大学だけの独自性が見えやすくなります。

大学のアドミッションポリシー(求める学生像)も、ヒントになります。

② その特徴や強みは、自分にとってなぜ魅力的なの?

①で見つけた特徴のうち、なぜそれが「自分にとって大事なのか」を考えましょう。

「面白そうだから」のような単純な理由ではなく、できれば自分の経験や考え方と結びつけると説得力が出ます。たとえば、「こんな経験をしたから、この校風に惹かれた」「こういうことをしたいから、この制度が魅力に感じた」といった形です。

アドミッションポリシーに共感した場合も、ただ単に「共感した」と書くのではなく、「なぜそう思えたか」を具体的な経験や価値観とセットで書くと伝わりやすくなります。

③ その大学で、実際にどんなことをやってみたい?

大学に入ったら、どんな学びや活動に力を入れたいかを考えましょう。ここでは「何に対して(what)」「どのように取り組むか(how)」の2点を意識するとよいです。

講義名やゼミ、制度名などが具体的に書けると、説得力が上がります。また、種々雑多な内容をたくさん詰め込むよりも、1〜2個のことを深く書くほうが、内容が薄くならず望ましいです。

④ その大学での経験をもとに、将来どうなりたい?

将来の進路やなりたい人物像について考えてみましょう。やりたい仕事や活動の内容はもちろん、「どんな姿勢で働きたいか」「どんなふうに社会と関わりたいか」など、人としての方向性もあると深みが出ます。

ただし、この項目は、①〜③だけで文字数が十分に埋まりそうな場合は省略しても構いません。大学を卒業した後の話なので、大学に直接関係のある話題ではないからです。直接関係のある①〜③の方が優先度は高いです。

フォーマット

4つの質問に答えたら、それをもとに文章を組み立てていきます。

ここでは、シンプルで使いやすい基本のフォーマットを紹介します。
まずはこの形に沿って書いてみることで、話がブレたり、説得力が弱くなったりするのを防げます。

私が貴学を志望した理由は主に2つある。

1つ目は、<①大学の特徴・独自性>があるからだ。<②その特徴が自分にとって魅力的な理由>

2つ目は、<①別の特徴・独自性>があるからだ。<②その特徴が自分にとって魅力的な理由>

貴学に入学できたら、在学中は<③大学で実際にやりたいこと・どう取り組むか>に力を入れたい。

また、卒業後は<④その学びをどう活かすか・どんな人になりたいか>と考えている。

書くときのポイント

・1つの理由だけで、その大学でないといけない理由を絞れるのであれば1つでもOK。無理に2つ以上書く必要はありません。

・卒業後の話は省略してもOK。 ①〜③だけで文字数が埋まりそうなときは、④は無理に書かなくても構いません。

・大学は「貴学」と書く。 文章全体は、敬体ではなく常体(「〜だ」「〜である」)で統一します。

・1文は短く切るのが読みやすい文章のコツ。 「接続詞は1つまで」を目安に、読みやすさを意識しましょう。

以上の流れに沿って作成した、構想メモと志望理由書の例文を載せておきます。参考までに活用してください。

医学部向け志望理由書の構想メモ

① 大学の特徴・独自性

・地域医療に力を入れており、実習や見学の制度が充実している
・1年次から臨床体験ができるカリキュラムがある


② その特徴・独自性が自分にとって魅力的な理由

・高校時代に地域の病院で行われた医療体験プログラムに参加し、へき地医療の現状ややりがいに触れた
・医療は知識だけでなく現場での経験が重要だと感じており、早くから臨床に触れられる環境に魅力を感じている

③ その特徴・独自性を活かして在学中にやりたいこと

・地域医療をテーマとする講義や実習に参加したい(what)
・実習では地域の医療課題について事前に自分で調べて臨むなど、受け身でなく能動的に取り組みたい(how)

④ その学びを踏まえて卒業後にやりたいこと・なりたい人物像

・卒業後はまず臨床医として経験を積み、その後は地元に戻って地域医療に貢献したい
・資源が限られた環境でも、患者に寄り添える柔軟な医師になりたい

医学部向け志望理由書の例文

私が貴学を志望した理由は主に2つある。

1つ目は、地域医療に力を入れている点である。私は高校時代、地域の病院で行われた高校生向けの医療体験プログラムに参加した。そこでは、医師が少ない地域で医療を支えることの難しさとやりがいを目の当たりにした。この経験から、将来は地域医療に関わる医師として貢献したいと考えるようになった。貴学が行っている地域医療実習や、へき地医療の見学制度などは、その志を具体的に形にするための理想的な環境だと感じた。

2つ目は、早期からの臨床体験ができる点である。医療の現場は座学だけでは見えてこないと感じていた私は、早い段階から現場に触れられる教育に魅力を感じた。実際、貴学では1年次から患者さんとの接点を持つプログラムがあり、知識と実践を結びつけながら学べる点に強く惹かれた。

貴学に入学できたら、地域医療をテーマとする〜講座に積極的に参加したい。また、地域病院での実習においては、単に与えられた課題をこなすだけでなく、自分なりに事前に地域の背景や課題を調べたうえで臨むなど、実践に即した学びを深めたいと考えている。

また、卒業後は、まずは医師として臨床経験を積み、将来的には地元に戻って地域医療に携わりたいと考えている。医療資源が限られた地域でも、患者さん一人ひとりに寄り添える医師になれるよう、在学中から知識と経験の両面を意識して学んでいきたい。

松濤舎では塾生向けに、より詳しい志望理由書の書き方資料を配布し、添削を行っています。

塾生以外にも提供していますので、気になる方は「お問い合わせフォーム」からお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

志望理由がうまく言語化できません。どうすればいいですか?
まずは、この記事で紹介した4つの質問に答えるところから始めましょう。書けない原因の多くは、「材料が足りていない」ことです。初めから文章を書こうとせず、まずは書く候補を洗い出して材料を揃えるところから始めましょう。家族や友人など、サポートしてくれる方と会話形式で内容を決めていくと思いつきやすいです。
志望理由が「ありきたり」な気がして不安です。
実は、似たような志望理由でも「自分の言葉で語れているか」「自身の具体的な経験と結びついているか」で印象はまったく変わります。大切なのは内容の珍しさよりも、自分とのつながりがしっかりあるかどうかです。
先生や保護者に添削を頼むときの注意点は?
「文章の内容」よりも、「志望理由として筋が通っているか」や「誤字脱字、不適切表現がないか」などの形式面を見てもらいましょう。内容を大きく書き換えられると、自分の言葉で話せなくなるリスクがあるので要注意です。
志望理由書に書く内容と面接で話す内容が違ってもいいですか?
基本的には一貫している方が安心です。ただし、面接ではより詳しく話したり、トーンを調整したりするのは問題ありません。むしろ志望理由書をベースに「さらに深く語れるよう準備しておく」ことが理想です。
志望理由に使える「経験」が特にありません。どうすればいいですか?
派手な経験である必要はありません。日常の中で「疑問を持った」「感動した」「もっと知りたいと思った」など、小さな気づきや興味の芽こそが大切です。その出来事が、どうして印象に残っているのかを深掘りしてみましょう。
志望理由書って、どれくらい時間をかけて書くべきですか?
1日、2日でサクッと書いてしまうのが理想です。何を書くか思いつきさえすれば、後はこのフォーマットに当てはめるだけなので素早く書けると思います。医学部の志望理由書は推薦入試などとは違い、それ自体が点数化され評価の中心になるわけではないので、なるべく早く終わらせて5教科7科目の勉強に戻るのが望ましいです。