松濤舎の教材選定方法

1. 実績が出ている教材

指導経験から実績が出ている教材

これまでの指導経験から、実際に実績の出た問題集を選定しています。

弊社では毎年・毎シーズン、出版社と連携して新しい問題集に目を通しており、既存の問題集ラインナップへの追加、変更を検討しています。さらに実績、使った生徒からのフィードバックをもとに、使用教材を検討しています。

難関大学合格者からの評判が良い教材

合格者が使っていた問題集を他の誰よりも徹底してやる、というのが最適な戦略の1つであることに疑いはないでしょう。

よって、難関大学合格者が使っていて、評判のよかった問題集をベースとしています。

”上位互換”の教材

難関大学合格者の口コミを鵜呑みにするのはよくありません。難関大学に合格したからといって、市販の問題集をすべて網羅的にチェックしているわけではありません。その人はそれをやって合格したら特に問題ないかもしれませんが、ベストとは限らないのです。

参考書は一般書と比べて淘汰が遅いです。限られた時間の中で無駄なく勉強しようと思った場合、自分で問題集の選定をするよりも「先輩が良いって言ってたから使った」と保守的な考えを持つことは戦略として間違えていません。結果、自分も他の問題集まで検討していないが、それで合格したから後輩にも薦める、といった循環が生まれるのです。

世の中にはそういった問題集の上位互換となるものがたくさんあります。

例えば、『イチから鍛える英語長文』シリーズは2015年出版で後発組に分類されますが、出版されている中では最も良いです。『英語長文 ハイパートレーニング』と構成が似ていますが、上位互換だと判断しています。また、『青チャート(通称)』より『Focus Gold』の方が、『NextStage 英文法・語法問題集』より『英文法・語法 Vintage』の方が上位互換です。

※ちなみに、私は高校時代に『英語長文 ハイパートレーニング』『青チャート』『NextStage 英文法・語法問題集』を使っていました。

松濤舎では、一般的に良いと言われている問題集をゼロベースで検討し直し、上位互換となる問題集がないか調査し、実際の指導を通して精査し、指定問題集としています。

進学実績の高い進学校での採用実績

高校での採用実績は、出版社はあまり表に出しません。しかし、難関大学の試験会場でライバルとなるのは他の進学校生であり、どんな問題集を学校で指定されているのかを知っていることは重要です。彼らが使っている問題集を、彼ら以上に徹底してやれば間違いなく難関大学に合格できるからです。

例えば、松濤舎が指定問題集としている『エクセル化学』『エクセル生物』は、都内有名中高一貫校で使用されています。実際、教科書傍用問題集の中ではもっとも網羅性が高く、難易度も高いです。こういった問題集をやらず、薄い教科書傍用問題集をやっていれば、彼らよりも守備範囲が狭く、体系的な知識体系も得られない状態で試験会場に向かうことになります。

そういったリスクを避けるべく、松濤舎では出版社と連携を取り、学校での採用状況も踏まえて指定問題集を決めています。

注意:営業力の強さ=シェアの高さ、でもある

「シェア率の高い問題集は支持率が高い」というのは間違えています。なぜなら、よく使われている問題集は学校営業の出版社ものである可能性が高いのです。例えば、青チャートも重要問題集も数研出版ですが、シェア率が高いのは学校営業の力は少なからず影響しています。当然、それだけではありませんが。

そういったこともあり、問題集の「シェア率」だけに焦点を当てて問題集を選ぶのも極論でしょう。さすがに無駄な時間になりえると感じた場合は、ラインナップから外すべきです。シェア率の高いものをやったという安心感は得られるかもしれませんが(そしてそれなりに重要ではあるのですが)、より本質的なのは必要な学力を身につけることです。そのために不要な問題集を削り、必要な問題集をやったという納得感が得られたほうが、強い納得感と自信を持って入試本番を迎えられます。

2. 体系的な知識構築に寄与する

受験というのは、入試本番までにできるだけ多くの知識を習得した人から合格します。知識は丸暗記をしても十数秒で忘れてしまうので、長期記憶するために知識を体系化する必要があります。

体系化するためには、基本問題も含めて問題を網羅的にやり、整理することがポイントです。

なぜか大学受験用の問題集は「難しい問題を少数扱っているもの」の評判が良いのですが、こういった問題集だけをやっても絶対に成績は伸びません。知識が穴だらけなので点数にムラが生じ、体系的な知識がないので成績も頭打ちになり、一定以上の成績が取れなくなります。

大事にしているのは典型問題を網羅的に扱った問題集をやること、段階的に理解度を上げていけること、知識を整理してくれるようなコンテンツが載っていること、です。これらの条件をクリアした問題集を選んでいます。

3. 問題演習形式で勉強できる

問題演習形式で勉強しなければ、実際にテストで使える知識にはなりません。問題演習形式で使える問題集だけを指定しています。

例えば単語帳であっても、カード型が別売りされている『単語王』を指定問題集にしています。『単語王』は語彙ラインナップだけでなく、カード型の完成度が高い点も推している理由の1つです。

問題集の組み合わせ

最後に、どのように問題集を組み合わせているかをまとめました。

①本質が理解できる参考書

勉強して最終的に得られる骨子部分を切り出し、説明してくれている参考書を指定します。

②基礎〜標準レベルの網羅系問題集(多めに)

これに該当する問題集がもっとも重要です。

なぜなら、大学受験は相対評価なので、他人が落とさない問題をいかに落とさないかがポイントだからです。よって、典型問題をあらかじめ網羅的に解いておき、理解した上で解けるようになっておくことが、入試本番で確実に典型問題を解く実力に繋がるからです。

このレベルの問題集を多めにやるのは、典型問題を網羅的に扱った問題集をやったあとでも他の問題集に載っている典型問題が解けないこともよくあるからです。

例えば「教科書傍用問題集は何でもいいから1冊やるべき」と言われますが、実際に他の教科書傍用問題集をやってみると解けない問題もちらほら出てきます。そういうものは、事前に対策しておいたほうが絶対にベターなのです。

松濤舎では、数学は『Focus Gold』、理科は『エクセル』、英語は『単語王』、『英文法・語法 Vintage』、社会は『センター試験への道』、国語は『読んで見て覚える重要古文単語315』を指定し、基本問題、典型問題は徹底的に固めるようにしています。

③取っ掛かりが不明だが、本質を問う応用問題集

本質を理解していれば解ける応用問題は良問です。

それまでの典型問題というのは、その式の形からして「どう変形したらよいかわかるもの」が多かったのですが、難問になると「何をどう変形したらいいのかわからない」「どう展開したらいいのかわからない」となります。

まずはこの「どのような問題だったら、どう崩していったらいいか」を学ぶのが応用問題集の1つの目的となります。単純に知識を増やすということです。

もう一つは、応用問題を通し、過去に習った典型問題を一般化できるようになることが目的です。

応用問題にはこの両面があることが、応用問題集を解く目的を少し曖昧にしている要因です。単純に「この形の問題はこうアプローチする、こう崩していく」という知識を増やしつつ、その問題を通して該当テーマの典型問題どうしの関係性が整理されたり、本質に気づく機会となります。

往々にして難しい問題集ではこれが読者に任されるのですが、著者がまとめてくれている問題集が良い問題集と言えます。