[推奨]松濤舎の指定問題集です。
新興出版社啓林館
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目次
- 【決定版】数学の勉強方法と年間スケジュール
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』で到達可能な偏差値(生徒実績値)
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の使い方
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』1問当たりの平均所要時間
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の採用実績(2019年)
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の習得レベル
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の特徴
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』を使う際の注意点
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』に関する前提
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の問題掲載数
- 『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の次にやること
【決定版】数学の勉強方法と年間スケジュール
難関大学受験生向けに数学の勉強方法と年間スケジュールをまとめました。参考にしてみてください。
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』で到達可能な偏差値(生徒実績値)
習得レベル4を超えれば東大合格レベル(全統記述模試で偏差値67.5~70以上)になることが、指導経験上わかっています。
習得レベル4 到達(高3女子) 第2回全統記述模試:偏差値72.4(180点)
習得レベル6 到達(高3女子) 第2回全統記述模試:偏差値70.1(170点)
習得レベル2 到達(高3男子) 第2回全統記述模試:偏差値62.4(136点)
※習得レベルとは、松濤舎で定義した到達状態のことです。本記事の下部で紹介しています。
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の使い方
1)星マーク1,2個の問題のみを対象として進める
星マーク(*マーク)1,2個の問題は『Focus Gold』の約半分を占める基本問題・計算問題です。
基本問題とは、難関大学ではそのまま入試には出ないが、計算問題や基本的な操作をさせる問題のこと。そのまま出題されないものの、あらゆる問題が、最終的に基本問題に還元されます。必ず手を止めずに自力で解けるようにしておいてください。
※誘導問題の一部として出題されることはあります。
星1,2個の問題は『4STEP』『4プロセス』(いずれも数研出版)と同レベルの問題であり、星1,2個の問題ができるようになっても難関大学には合格しません。
あくまでも星3,4個の問題が解けるようになるための下地であることを念頭に置いて進めてください。
※初回はほとんどの問題ができないはずです。これは東大合格者も同じなので気にしないこと。そもそも新しい解き方(手続き的知識)を身につけるために勉強しているので、解けなくて当たり前です。
※例題に×マークがついて、例題に◯マークが付くテーマも多いはず。そのようなテーマは、例題のポイントさえ定着できれば練習は解けることを意味しているので、復習時に練習は解かなくてよい。このように、復習しなくて良い問題がわかるようにしておくと復習効率が格段に上がるので、◯×マークを付けることは必須にします。
2)星マーク3,4個の問題を対象として進める
星マーク1,2個の8割以上の問題が自力で解けるようになったら、星マーク3,4個の問題に取り組みます。やり方は、星1,2個の問題と同じです。
星3,4個問題の位置づけ
星3,4個の問題は典型問題です。
典型問題は基本問題・計算問題の組み合わせから成りますが、基本問題・計算問題が解けるからと言って、解けるわけではありません。
典型問題は、解き方を覚え、出題された際にはすぐに手が出るようにしておく必要があります。
解法を知らなければ解けない問題も多いですし、その場で考えていては時間が足りなくなるからです。
星マーク3個の問題が『Focus Gold』の約3−4割を占めます。レベル的にも星マーク1,2個の問題から一段上がるため、星マーク3個の問題に取り組むところに、もっとも時間がかかります。
つまり、星マーク3個の問題が『Focus Gold』の登竜門なのです。
星マーク3個の問題を8割以上自力で解けるようになれば、河合塾の全統記述模試で偏差値65は確実に超えます。
3)Step Up問題・章末問題・チャレンジ編は必須ではない
星3,4個の問題(=例題+練習)が終わったら、『1対1対応の演習』や『スタンダード演習』に入りましょう。
他教科との兼ね合いや時間的余裕を踏まえ、Step Up問題・章末問題に入ることもあります。その場合は下記参考に進めてください。
チャレンジ編は不要です。
まずは自力で解いてみようとし、30秒ほど考えてわからなければ解説を読んでください。解けたら◯、解けなければ×を書いていきます。
Step Up問題は、星3,4個の問題にアレンジを加えた過去問(一部オリジナル)です。
Step Up問題は、例題・練習の類題でもあるので、例題・練習の理解を深め、本質を掴むことにつながります。
章末問題は、東大・京大をはじめとする旧帝大の過去問から中心的に問題が扱われています。
旧帝大の過去問はどれも良問が多いですが、その中でも厳選された問題が掲載されているため、やって損はないでしょう。
章末問題まで徹底して解けるようになっている受験生は、難関大学受験生の中でもほんのひと握りです。ここまで徹底してやれば、圧倒的な実力と自信を持って入試本番に臨めます。
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』1問当たりの平均所要時間
指導経験上、下記のように計画を立てるとうまく進みます。
テーマ(=例題+練習)
30分/テーマで計画を立てます。1テーマ=1例題+1練習です。
1回目は時間がかかりますが、2回目以降は短縮され、平均して30分/テーマで進められます。
StepUp問題・章末問題
必須ではありませんが、取り組む場合は30分/問として計画を立ててください。
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の採用実績(2019年)
難関大学に合格したいのであれば、高い合格実績を誇る高校の採用教材を使用するのが定石です。
『Focus Gold』を採用している高校のうち、東大・京大の合格者数が多い高校は下記となります。
圧倒的に合格実績を出している高校で採用されている問題集であることがわかるかと思います。
東大合格者数の多いFocus Gold採用校
- 開成(東大合格者数:全国1位)
- 麻布(東大合格者数:全国2位)
- 聖光学院(東大合格者数:全国3位)
- 渋谷幕張(東大合格者数:全国5位)
京大合格者数の多いFocus Gold採用校
- 北野(京大合格者数:全国1位)
- 東大寺(京大合格者数:全国2位)
- 洛南(京大合格者数:全国3位)
- 堀川(京大合格者数:全国4位)
- 洛西(京大合格者数:全国5位)
- 大阪星光(京大合格者数:全国6位)
- 膳所(京大合格者数:全国7位)
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の習得レベル
松濤舎では下記のように習得レベルを定義しています。
レベル1:星マーク1,2個の例題の8割を、解説を見ずに、解答と同じような答案が、手を止めずに作れる
レベル2:星マーク1,2個の練習の8割を、解説を見ずに、解答と同じような答案が、手を止めずに作れる
レベル3:星マーク3,4個の例題の8割を、解説を見ずに、解答と同じような答案が、手を止めずに作れる
レベル4:星マーク3,4個の練習の8割を、解説を見ずに、解答と同じような答案が、手を止めずに作れる
※習得レベル4で、河合塾の全統記述模試で偏差値65超え
レベル5:Step Upの50%の問題で、解説を見ずに解答と同じ答案が手を止めずに作れる
レベル6:Step Upの80%の問題で、解説を見ずに解答と同じ答案が手を止めずに作れる
レベル7:章末問題の50%の問題で、解説を見ずに解答と同じ答案が手を止めずに作れる
レベル8:章末問題の80%の問題で、解説を見ずに解答と同じ答案が手を止めずに作れる
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の特徴
解説がわかりやすく、問題順が秀逸
『Focus Gold』は、『青チャート』など他の網羅系問題集より解説が圧倒的にわかりやすいです。説明だけでなく、紙面が見やすいのも特徴です。
問題の並べ順も秀逸です。頭から順に解いていくだけで、自然と知識が整理されます。
まとめコンテンツも充実
章末にある「まとめ」コンテンツも大変優れており、それまでは読者に任せられていた知識の体系化を問題集が行ってくれます。
例えば、因数分解の最後に因数分解のアルゴリズムが載っています。また、整数の最後には整数問題の5分類が載っており、整数問題には5つのパターンがあることをまとめてくれています。
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』を使う際の注意点
集中学習しない
間隔を置かずに複数回繰り返す勉強を集中学習と言いますが、集中学習は記憶の長期記憶に寄与しないことが科学的にわかっています。
必ず時間を置いて複数回する勉強である分散学習をするようにしてください。
『Focus Gold』の問題に取り組む際の優先順位は下記となります。
- 未着手問題
- 一度も解けていない問題
- 何度かやったあと解けた問題
- 初めから解けた問題
できる問題はやらず、模試前まで敢えて放置する
もっとも効率の悪い勉強は「解ける問題を解く勉強」です。
忘れてしまったんじゃないかと不安になり、できる問題を短期スパンで復習するという勉強はしないよう注意してください。
受験生の11月以降になると「新しい解法の習得」から「知っている解法の復習とスムーズな運用、忘却を避けるためのメンテナンス」に切り替えることになります。
それまでは、一度できた問題の復習は模試前だけに留めましょう。
解説をよく読む。特にポイント部分を頭に残そうとする
解説の「考え方」「Focus」は特によく読み、解き方や考え方を理解しましょう。ただ解き方の手順を暗記するだけでは意味がありません。
各章最初の「まとめ」には教科書的な内容が書かれており、頭に入りづらいので飛ばして良いです。用語の定義がわからない場合に読みましょう。「Check」問題も解かなくて良いです。
「Column(コラム)」は目を通す程度でOKです。
細かい計算過程にも注目する
「解」の右側に「◀」マークと小さい文字で解説が書かれています。
これは計算過程で気をつけるべきことや、解答者が頭の中で考えていることが言語化されています。よく読むようにしましょう。
チャレンジ編、実践編は不要
チャレンジ編、実践編には基本的には入りません。次の問題集にいくか、過去問演習に入るか、他の教科に時間を割く方が良いです。
ただし、理Ⅲ・京医・阪医・慶應医などを目指す学生でやることがなくなる場合にはチャレンジ編、実践編に入ることがあります。
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』に関する前提
数学は「典型問題の解法を網羅的に習得すること」が最も重要
数学で最も重要なのは、典型問題の解法を網羅的に習得することです。
理由は、数学の問題はすべて典型問題に帰着できるからです。
典型問題の解き方がわからなければ、複合問題を解けるはずがありません。逆に、典型問題に還元できない問題は他の人も予め対策できないため、正答率が著しく下がります。つまり捨て問にして良いのです。
もう1つの理由は、典型問題で失点しないことが必須だからです。大学受験は相対評価なので、周りが解ける問題で落とさないことが鉄則です。
限られた試験時間内で合格最低点以上の問題を解く必要があるので、典型問題をその場で考えていては、いくら時間があっても足りません。瞬殺できるよう、あらかじめできるようにしておく必要があります。
網羅系問題集を解くことの副次効果
網羅的に勉強すると他の問題との相違点や類似点がわかるため、対象の問題の理解も大きく高まるという副次的な効果もあります。
難問だけを少数集めた問題集が多く出版されていますが、そのような問題集だけやっても十分な知識は身につきません。『Focus Gold』で網羅的に知識を入れるようにしてください。
『Focus Gold』をやったあとであれば、いくらでも問題集を積み上げていくことができます。
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の問題掲載数
数1A
章 | 星1 | 星2 | 星3 | 星4 | SU | 章末 |
1.数と式 | 13 | 25 | 8 | 1 | 25 | 7 |
2.2次関数 | 7 | 23 | 21 | 6 | 41 | 4 |
3.図形と計量(三角比) | 3 | 17 | 13 | 4 | 33 | 4 |
4.集合と命題 | 9 | 8 | 3 | 0 | 13 | 5 |
5.データの分析 | 5 | 7 | 3 | 0 | 13 | 0 |
6.場合の数 | 6 | 12 | 10 | 4 | 28 | 4 |
7.確率 | 3 | 10 | 9 | 4 | 11 | 8 |
8.整数の性質 | 2 | 18 | 21 | 5 | 28 | 9 |
9.図形の性質 | 3 | 18 | 19 | 2 | 29 | 5 |
- テーマ数:322(1テーマ=1例題+1練習)
- Step Up問題:221
- 章末問題:46
※小問ごとに星の数が異なる場合、大きい方でカウントしています。
数2B
章 | 星1 | 星2 | 星3 | 星4 | SU | 章末 |
1.式と計算 | 5 | 23 | 7 | 0 | 32 | 5 |
2.高次方程式 | 2 | 13 | 13 | 5 | 23 | 5 |
3.図形と方程式 | 3 | 29 | 19 | 7 | 39 | 4 |
4.三角関数 | 4 | 16 | 10 | 2 | 29 | 5 |
5.指数関数と対数関数 | 2 | 9 | 15 | 2 | 22 | 5 |
6.微分法 | 1 | 14 | 17 | 9 | 22 | 4 |
7.積分法 | 3 | 8 | 15 | 4 | 19 | 5 |
8.数列 | 1 | 21 | 28 | 18 | 38 | 5 |
9.平面上のベクトル | 3 | 18 | 21 | 1 | 31 | 5 |
10.空間のベクトル | 5 | 11 | 18 | 6 | 33 | 4 |
11.確率分布と統計的な推測 | 0 | 10 | 5 | 0 | 17 | 0 |
- テーマ数:423(1テーマ=1例題+1練習)
- Step Up問題:305
- 章末問題:47
数3
章 | 星1 | 星2 | 星3 | 星4 | SU | 章末 |
1.複素数平面 | 3 | 22 | 20 | 4 | 40 | 4 |
2.式と曲線 | 4 | 20 | 14 | 1 | 24 | 5 |
3.数列の極限 | 2 | 12 | 14 | 3 | 22 | 4 |
4.関数の極限 | 1 | 21 | 5 | 0 | 23 | 4 |
5.微分法 | 4 | 15 | 3 | 1 | 24 | 4 |
6.微分法の応用 | 3 | 24 | 24 | 5 | 45 | 8 |
7.積分法 | 1 | 18 | 21 | 3 | 31 | 4 |
8.積分法の応用 | 0 | 12 | 24 | 6 | 41 | 10 |
- テーマ数:310(1テーマ=1例題+1練習)
- Step Up問題:250
- 章末問題:43
『Focus Gold(フォーカスゴールド)』の次にやること
難関大学だったとしても、大半の大学は『Focus Gold』だけで十分で、すぐに過去問演習に入ることができます。
しかし、最難関大学を目指す人、最難関大学で数学で高得点を狙う人、高1,2からしっかり取り組み時間に余裕がある人は、次の問題集に入りましょう。
受験生向け
『新数学スタンダード演習』『数3スタンダード演習』に入ります。
『1対1対応の演習』と同じ系列の問題集です。『1対1対応の演習』とレベルがほぼ同じで、難しい問題の割合が少しだけ高いです。
『1対1対応の演習』と違い、各問題のテーマは解説を見ないとわからないようにしてあるため、知識の定着の確認もできます。
時間がない人は、志望校の頻出分野(「確率」「数列」「空間ベクトル」「複素数平面」「微積分(数3)」など)のみやることもあります。
高1,2生向け
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『1対1対応の演習』をやります。
『Focus Gold』は基本問題も含んでいるため問題数が多く模試前の復習がしづらいのですが『1対1対応の演習』は要点のみを扱っているので復習しやすいです。
また、重要な問題だけを扱っているので、要点を外さず勉強できるようになります。
ただ、あくまでも『Focus Gold』で基本問題から網羅的に勉強しているからこそ意味がある問題集です。『1対1対応の演習』だけをやっても体系的な知識は得られない点に注意してください。
詳しくは下記記事に記載しました。
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