過去問演習を効果的に行う方法

前提:過去問をやるのは、合格者もやっていたから

過去問演習をする理由は、合格者がやっているからです。もう少し正確に言うと、過去の合格者がやっていて、受験会場の人もやっているから、です。極論ですが、過去の合格者がやっていなければ、過去問をやる必要はありません。

過去の合格者たちがやっていたことを完璧にやれば、同じ試験会場の人たちと比べて、合格に繋がる多くの知識を身につけていることになります。

また「ここまでは受験会場のライバルたちもやってないだろう」という自信にも繋がり、本番でのパフォーマンスに大きく寄与します。

結論:過去問も他の問題集と同じ。知識を身につける

問題集のゴールの1つは、過去問の解答解説を理解するのに十分な知識の習得です。実は、過去問の解答解説が理解できる状態というのは、合格のための必要条件でも十分条件でもありません。必要条件でないのは、過去問はすべて解ける必要はないから。十分条件でないのは、志望校の過去問20年分解いて理解したら合格できるか、といったらそうではないからです。

よって、問題集を十分にやったあとに、過去問も十分にやる、というのは受験に必要なことです。もし過去問演習の時点で「身につけるべきことが身についていいない」と感じたら手遅れです。

とにかく、過去問の解答解説がわかる状態になっていたら過去問には入れるということになります。過去問は、他の問題集と同じ扱いです。他の人もやっているのだから自分も完璧にやり込む対象です。単純知識、手続き的知識をすべて頭に入れるようにしてください。

過去問は時間を測って解く必要はあるか?

必須ではありません。時間感覚を掴むことができたら、時間を測って解くのは1年分だけでもOKです。過去問は問題集と同じく、知識を取り入れるために勉強します。各問題の時間配分を決め、その通りに遂行できたら、それ以上演習をする必要はありません。

問題を見てわからなければすぐに解答を読む、という勉強でOKです。

「過去問が最高の教材」は本当か?

たまに「過去問が最高の教材であり、簡単な問題集を終わらせたら過去問演習に入るべき」という意見を聞きますが、周りの東大生、医学部生で、そのような勉強方法をしていた人は相当マイナーです。

先述の通り、過去問ができることは合格において必要条件でも十分条件でもありません。他の問題集と同様に、知識を得る対象としてやりこむべき、というものでしかありません。

全ての問題が解ける必要はない

過去問の致命的な点は、合格最低点は6−7割であるので本番ではその6−7割が解けたら良いにも関わらず、どれが解けるべき問題で、どれが解けなくても良い問題なのかがわからない点です。

本番で解かなくても良いレベルの問題を理解することに時間を使うのはとてももったいなく、学習効率が圧倒的に悪いです。これが、過去問を使った勉強の一つ目のマイナスポイントです。

また、基本的に配点は公表されていないので、実際にどれくらいの点数が取れているかを把握するのが困難です。6−7割取れたらいいが、この問題は本当に捨て問なのか、と迷ってしまいます。

一般化は自身に任されている

多くの問題集では「この手の問題では、こう考えると良い」といった一般教訓が掲載されています。これを言語化してくれるからこそ、他の問題でも対応ができるのです。また、問題集は上記のような「学ぶべきことの多い問題」のみを集めて作られていますが、過去問はそうではありません。

あまりに早く過去問演習に入ってしまうと、頭打ちになるので注意が必要です。

同じ問題は出ない

そもそも過去問は同じ問題は出題されません。過去問の問題ができたとしても、意味がないといえば意味がありません。過去問ができるようになることよりも、より一般性の高い問題を解き、より応用性の高い知識を身につけておくことのほうが重要です。

過去問演習前に必ず確認すること

合格最低点

合格最低点を確認しましょう。合格最低点が公表されていない場合は、合格者平均点、河合塾の公表しているボーダーを確認し、だいたいの目安となる点数を予想するようにしましょう。

頻出分野、出題傾向

大学によっては頻出分野や傾向が偏っていることが多いです。例えば、毎年確率と積分は出ている、とか、図形・空間系の出題が多い(複素数平面、図形と方程式、空間ベクトル、積分を使った体積問題)など、結構偏りがあります。

解答時間、時間配分

解答時間と時間配分も予め決めておきましょう。ネットで検索すると出てきますので、合格者の意見も参考にするといいでしょう。回答時間よりも10分短くして問題を解くとよいでしょう。

夏休み中に1年分の過去問を解いてみる

浪人生、現役生問わず、8月中に網羅系問題集のひと通りの習得が完了します。このタイミングで1年分の過去問を解いてみてください。まだ全然解けないはずですが、帰着先の典型問題は身についているので無駄にはなりません。最終的には典型問題だけでも十分対応できるので、典型問題のやりこみの甘さを知ることにもなります。また、今後の勉強においてどれくらいのレベルの問題が解ける必要があるのかも感覚でわかるようになるので、プラスで積み上げていく問題集をやる際の効率も上がります。

最終的に過去問に載っている知識も頭に入っている状態にすべきなので、過去問をやるタイミングは網羅系問題集が終わったあとならいつでもOKです。

過去問演習はセンター試験が終わってから本格的に

過去問に本格的に取り組むタイミングですが、国公立受験生でセンター試験後、私立大学で入試本番の1ヶ月前です。この時点で過去問が解けない(合格最低点に届かない)場合は、もはや手遅れになってしまいますので、問題集を十分に進めておいてください。

まとめ:問題集を十分にやった上での過去問演習

結局、問題集で良問を解き、応用性の高い知識をより多く身につけることのほうが重要です。過去問演習は過去の合格者もやってきたし周りもやっているからやるものではありますが、実は合格に大きな影響を及ぼしたという実感は、自分の経験からもありません。

より一般的な知識を問題集を使って事前に身につけておくほうが重要であることは強く認識しておきましょう。