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【決定版】国公立医学部|個別試験の英語勉強法

国公立医学部|長文問題の対策をメインに据える

国公立医学部の英語は、長文問題の配点がもっとも高いです。よって、国公立医学部の英語対策は長文対策に繋がるように設計すると非常に効率的になります。

国公立医学部|英語対策の「3本の柱+α」

英語対策には、3本の柱+αがあります。

1)語彙量
2)多読多聴
3)問題を解くための読み方
+α)文法

1)語彙量がもっとも重要

国公立医学部受験生の英語対策において最も重要なのが語彙量です。多少、文章構造が掴めなくても、単語さえわかれば意味がとれることがあります。

英単語は100万語以上存在すると言われており、すべて覚えることは不可能です。まずは『システム英単語』に掲載されている英単語2,200語、多義語180語を覚えることで偏差値65まで取得可能です。つまり多くの国公立医学部のボーダー偏差値を超えます。

これ以外にも、教科書・模試・文法問題集・長文問題集で出てきた知らない単語は「ストックノート」を作り、貪欲にストックしていきましょう。これで圧倒的に英語が得意になります。

多くの東大生が語彙量を非常に重視しており、ストックするか、多読を通して語彙量を増やしていたと回答しています。

2)多読多聴がベースに必要

国公立医学部受験において英語は、共通テストと個別試験の両方で必要です。どちらも時間がタイトであるため、ベースとして英語を語順通り、日本を介さず理解でき、ナチュラルスピードで読める状態になる必要があります。

そのために必要なのが多読多聴です。多読多聴は、むやみやたらに長文を読んだり、リスニングしたらいいわけではありません。意識的に正しい方法で勉強しなければ、実感レベルで成績が伸びることはまずありません。

下記のように進めましょう。

・リスニングは負荷を高めた長文読解という認識を持つ

共通テスト対策でリスニングがあるから、受験期の秋以降にちょこっとしかやっていない、という人は非常にもったいないです。リスニングは負荷を高めた長文読解と捉えてください。

リスニングすると、英語が流れていくので返り読みしなくなり、スピードも速いため日本語に介さず英語のまま理解できる神経回路が形成され、どれくらいのスピードで読むのが適切かも掴めるようになります。

実際、東大生の多くが2次試験のリスニング対策をすることで、英語の成績が上がったと回答しています。

・音読で音韻処理を自動化する

リスニングしながら、同時に英文を音読しましょう。シャドウイングでもいいのですが、英文を見ないのは難易度が高く、どちらかといえばスピーキングのトレーニングになりますので、パラレルリーディングという、英文を見ながら音に合わせて音読する勉強をしましょう。シャドウイングと同じ効果があることが科学的にもわかっています。

なぜ音読するかというと、人は黙読しているとき無意識に心のなかで音読をしているのですが(=音韻処理)、この処理を速くするためです。音韻処理がボトルネックとなり、黙読が遅くなっているケースが非常に多いです。

実際に音読してみることで、いかに自分の音韻処理が遅いかが意識できるようにもなります。パラレルリーディングを繰り返すことで音韻処理が自動化され、より速く黙読できるようになるのです。これは科学的にエビデンスのある勉強法です。

実際、松濤舎での英語指導で優位に成績が伸びており、非常に有効な学習法です。

・多読多聴には速読シリーズ

多読多聴には速読シリーズ(入門編・英熟語・必修編)を使っています。この3冊を使用しているのは、音源がついているのでパラレルリーディングしやすいこと、語彙が大学入試用になっていることが挙げられます。毎年、合格生からの評判も非常によいです。

・多読多聴の効果

多読多聴してスピーディーに英語が読めるようになると、当然のことながら、時間内に英語長文を解き終えることができるようになります。加えて、精読する時間ができるので、問題で問われている箇所を探すのに時間をかけられ、正答率が上がります。

また、関係ないと思いがちですが、和訳の精度が非常に上がります。なぜなら、まず長文の概要が掴めるようになるので、先に下線部の意味ありきになります。その後、下線部の引かれた単語のニュアンスを適切な日本語に置き換えていくようになるため、ツギハギの和訳ではなく、意味ありきのスムーズな日本語になるのです。

3)問題を解くための読み方

英語が語順通りスラスラ読めるだけでは、時間内に正確に問題が解けるとは限りません。

医学部受験では、問題が解けてはじめて点数がもらえるのです。

多読多聴を通して”ネイティブ読み”ができるようになったら、次は問題を解くための読み方を習得します。

松濤舎では『Rise読解演習』シリーズ(Z会)を使ってスキルを身につけます。このRiseシリーズそのものに秘密があるというより使い方(読み方)が重要です。こちらを参考に使用してみてください。

+α)文法は長文読解できたら問題ない

文法が重要であるのは紛れもない事実ですが、論点はどこまでやるかです。

共通テストに切り替わってからは文法問題そのものは出題されなくなり、国公立医学部の個別試験でも文法問題そのものはほとんど出題されません。重要度が非常に下がっています。

それに、英文法は追求するとキリがなく、しかも文法を極めたからと言って英語ができるようになるわけではないため、以前から英語で高得点を取っている東大生は「文法に時間をかけず、多読多聴する」という方針が定石なのです。

これは医学部受験生にも当てはまります。

では文法はどうしたらよいかということですが、五文型が理解できていれば9割以上の英文が理解できるため、一応Vintageやネクステージといった文法問題集の半分が解けたら終わりとしてOKです。あとは多読多聴に時間を使いましょう

私立医学部を併願しており、その大学で文法問題が出題されるのであれば、文法問題が8割以上解ける状態になるまで追加しましょう。国公立医学部と違い、私立医学部はセンター試験のような文法問題を出題する大学は多いです。

国公立医学部|和訳対策

精読や和訳に時間をかける人が多いですが、それは中高における英語教育で間違った英語観が染み付いてしまっているからです。中高では先生が文章を一つ一つ和訳して解説していくという形式で教えますが、その結果、英語は日本語に訳してから理解するものという間違った英語観が身についたり、一文一文を読むスピードが非常に遅くなっています。

国公立医学部の英語は9割以上の英文が簡単な構造(=五文型)から成るので、長文が読めるだけの文法が身についたら多読多聴しましょう。

多読多聴の結果、和訳ができるようになるのです。

なぜなら、多読多聴で長文全体の意味がザッと掴めており、下線部までザーッと内容が掴めていると、だいたいその下線部の単語的に、どんな内容が書かれているか予想ができます。「こういう意味になるだろう」という意味が先行で、それを軸に英単語のニュアンスから適切な日本語の意味をあてていくような感じです。

イメージとしては、先に団子を並べてあとから串を刺すのではなく、先に串があって、そこに団子を指していったほうが綺麗に並ぶようなものです。

多読多聴の先に和訳対策があると思っている人は少ないですが、多読多聴したあとのほうが圧倒的にナチュラルな日本語が書けるようになるのです。

なお、和訳対策は長文問題集をやっていれば基本的には不要です。やるとしたら共通テスト後に志望校が決まって、志望校で和訳問題が出題されていて、過去問をやった感じ対策が必要なのであれば追加する程度です。多読多聴できている人は、自然と和訳ができることが多いです。

東大・阪大など、和訳問題が多めに出て特別対策が必要な場合は、『TopGrade 難関大突破 英文読解問題精選』が非常にわかりやすく、おすすめです。

国公立医学部|和文英訳・自由英作文対策

国公立医学部の多くが和文英訳・自由英作文のどちらか、あるいは両方を出題します。多くの人が苦手意識を持っているこれらはどのように対策すべきでしょうか?

結論から言うと、英文暗記です。

英語は単語を文法のルール通りに並べれば自然な文章になるわけではありません。自然な英文を覚え、その一部を変えて作らなければならないのです。日本語でも、例えば「着る」という動詞は「衣服などを身につけること」という意味だからといって「マスクを着る」と表現をするのは変なのと同じです。マスクは「付ける」ですよね。このようなことが英語で起こるわけです。

また、日本語の発想のまま英文にするとおかしい表現もあります。無生物主語などは最たる例です。

このようなことから、重要な英文を一定の理屈と合わせて暗記してしまい、それを使い回すのが和文英訳で求められることです。

自由英作文は、和文英訳の延長線上にあります。確実に使える言い回しで英作文を作ります。

使う教材としては『例解 和文英訳教本(文法矯正編)』で、意味を理解しながら英文を暗記します。これで和文英訳対策は十分です。

自由英作文は、よく添削が必須だと思っている人がいますが、重要なのは過去問の解答解説から表現を盗むことです。自分の中途半端な答案を添削してもらっても学習効率が低いので、最後まで表現を増やし続けましょう。自分の答案にこだわるのではなく、間違いない表現をインプットし、それを使っていくのです。

備考|英語問題に占める長文問題数

国公立医学部の英語は長文対策がメインとなるとお伝えしましたが、本当にそうなのでしょうか? いかに各大学の長文の大問を記載します。長文問題が非常に多いです。よって、長文対策を念頭に勉強すると効率的なのです。

大学名年度大問
旭川医科大学20201,2
札幌医科大学20201,2
北海道大学20211,2
東北大学20211,2
弘前大学20211,2
秋田大学20201,2
山形大学20211,2
福島県立医科大学20201,2,3
筑波大学20211,2,3
群馬大学20201
千葉大学20211,2
東京大学20211(B),5
東京医科歯科大学20213,5,6
東京外国語大学20201,2,3
東京工業大学20211,2
一橋大学20211
横浜市立大学20211,2,3
新潟大学20211,2
富山大学20201,2
金沢大学20201,2
福井大学20211,2,3
信州大学20211,2,3,4
岐阜大学20193
浜松医科大学20201,2
名古屋大学20211,2
名古屋市立大学20211,2,3
三重大学20131,2
滋賀医科大学20201,2
京都大学20211,2
京都府立医科大学20201,2,3
大阪大学20212
大阪市立大学20211,2,4
神戸大学20211,2,3
奈良県立医科大学20191
和歌山県立医科大学20202,3
鳥取大学20211,2
島根大学20201,2,3
岡山大学20211,2
広島大学20212
山口大学20201,2
徳島大学20201,2
香川大学20211,2
愛媛大学20201,2
高知大学20201,2,5
九州大学20211,2,3
佐賀大学20213
長崎大学20201,2
熊本大学20211,2
大分大学20211,2,3
宮崎大学20211
鹿児島大学20211,2
琉球大学20201,2