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【決定版】自由英作文の対策法

自由英作文を作る際のポイント(重要順)

1. 自由英作文では、文法ミスをしない

これが何よりも大事です。文法ミスさえしなければ、不自然な論理構造をしていない限り減点されません。三単現のsや冠詞、時制などは書き終わったらすぐ確認しましょう。

また、代名詞でいえる単語を何度も繰り返していると厳しい採点基準ならば減点の対象になりうる可能性があるため、文法ミスのチェックと合わせて確認します。

2. 自由英作文では、表現や語彙が合っているか不安になったら考えずにすぐ他の表現に変える

上のポイントを達成するために重要です。スペルや時制などに少しでも自信がなかったら幼稚でも知っている別の表現に変えましょう。

3. 自由英作文は「主張→理由(や背景等)→主張(まとめ)」の型で書く

作文の基本形はやはりこれです。もっとおしゃれに書いてもいいのですが、伝わりやすさと書きやすさを優先します。

なお、最初に書く結論と最後にまとめ的に書く結論の文構造は、文構造から変えた方が洗練されます(変えなくても減点まではされないと思われます)

4. 自由英作文では、創作をためらわない

以下の東大のような題ならみな自然に創作をすることになると思いますが、意見を求めるタイプ(特にそれが議論になるような高度な題だったとき)の問題ではつい自分の個人的な意見をどう表現できるかに執心しがちです。しかしあくまで点数を取ることのみ考え、それが書きにくい意見であるときはすぐ書きやすい方に転換しましょう。

自由英作文問題とその解答例

東京大学(2019年)の自由英作文の解答例

I propose that we celebrate “Sibling’s Day” around the world. While Mother’s Day and Father’s Day are commonly celebrated around the world, it seems like there is no celebrations for our brothers and sisters. I have an older brother – he always helps my studying and I am thankful but too shy to express it. If there was Sibling’s Day, I would like to buy him a gift and show my gratitude. (72 words)

[解答者コメント]実際に入試で書いた答案を再現しています。東大の英語を解くときは、いつも最初に英作文の問題文を見てから他の問題を解き始めるようにしていました。題を知っていると、無意識化でブレインストームをしながら問題を解くことができます。この年は特に難解・ユニークではない題だったので、安心して思いついたことをそのまま書きました。

[松濤舎追記]英文が非常にナチュラルな点が高得点に繋がったと予想されます。”受験英語感”が非常に薄く、好感が持てる文章だったという評価です。

京都大学(2019年)の自由英作文の解答例

Maintaining relationships would be the most important feature of a camera phone for me. My grandparents live very far away from my home and while we could communicate through phone calls, it had been difficult to see what their life was actually like and to show them my everyday life. However, ever since they got their mobile camera phones, they have always sent me pictures of themselves, their cute dog, and their beautiful garden, etc. every other week or so and I’ve also sent them my own pictures in return. Camera phones have enabled us to connect and communicate more easily even when we were far away from each other. (110 words)

[解答者コメント]3大学の中では個人的に断トツで書きにくかったです。どうすれば100語まで話をふくらませられるかしばらく思いつけず、maintaining
relationshipsという点なら他人との関係性で広げられるな、というところまで構想するのに時間がかかったからです。3つ選択肢がある中でもっとも話を広げやすいと感じたものを選びました。

そもそも「重視する」の書き方に迷う受験生もいたのではないでしょうか。最も簡単な文構造で思いつけそうな“I think(feel) ~ is(would be) important”でももちろん構いませんが、幼稚な印象を受けるのであれば主語を逆転させるのがおすすめです。

[松濤舎追記]京都大学の自由英作文は模試の減点方式の採点とは違い、文章のレベル(語彙レベル等)も評価対象になっているとも言われているため注意が必要です。

大阪大学(2019年)の自由英作文の解答例

Never giving up is very important for achieving something. When I was in an orchestra in high school, we wanted to play this difficult, but beautiful serenade in our concert. At that time, our skills weren’t enough to play it and even our teacher thought we should try something easier. However, as a result of daily hard practice, we became capable of playing the piece and the concert was a huge success. Thus, not giving up is essential for success. (80 words)

[解答者コメント]最も親切で書きやすいタイプの英作文。題もなじみがあるうえに「過去の自分の経験」というところまで指定されています。語数指定がきつい気はしますが削りたければもっと削れるでしょう。

[松濤舎追記]大阪大学の自由英作文は模試の減点方式の採点とは違い、文章のレベル(語彙レベル等)も評価対象になっているとも言われているため注意が必要です。

自由英作文に関するよくある質問と回答

Q1. 自由英作文は和文英訳の延長線上にあるか?

自由英作文では、先に日本語で答案を考えてから英訳していますか? あるいは、英語のまま考えて英語を書いていますか?

A. 非常におおまかな部分(京都大学の2019年の問題でいえば、この次は遠くに住む祖父母の話にしよう、など)は日本語で考えているかもしれませんが、書きはじめたら英語で考えています。日本語のプロットをすることはありません。

Q2. 自由英作文で難しい表現は必要か?

間違いない文法で表現する前提で、より難しい表現を使って文法知識が豊富にあることをアピールしようといった気持ちはありますか?

A. 基本的にありません。ミスをしないことに比べると圧倒的に優先順位が低いものの、自信がある場合は豊かな表現を心がける程度です。ただ、文法ミスをしないからといってあまりに単純な文構造にばかり走ってしまうと(関係詞を使えないなど)それはそれで問題になってくるかとは思います。そういうレベルではなく、かっこいい熟語やイディオムを使おうということは本当に考えていないです。

入試ではありえないので問題ないとは思いますが、模試などで採点者のレベルが低いと理解されずに減点されるケースすら見たことがあります。

Q3. 自由英作文で使う言い回しはどう習得したか?

東大・京大と比べ、阪大の答案には「as a result of daily hard practice,」「the concert was a huge success.」といった、少しこなれた言い回しが含まれていました。こういった言い回しはどのように習得されましたか?

A. 意図したものではありませんでした。「after practicing hard every day,」「the concert went very well」などでも同じ点数がもらえると思います。習得に関しては、留学していたこと、個人的な趣味としてアメリカ人のyoutube動画をいつも見ているので口語的な表現は自然に身に付いたのかと思います(受験英作文の上では必要ないと思いますが)

※最後の「まとめ」に、受験生向けの表現ストックの増やし方に記載しました。

Q4. 自由英作文の字数が埋められない?

答案を見て、そもそもWhat(何を書くか)が充実しているように思いました。多くの受験生は、そもそも日本語で聞かれても書く内容が思いつきません。「何を書くか」について意識されていることはありますか?

A. もともと作文や創作に抵抗がないということはあると思います。今回の回答例もすべて創作で作ってみました。英作文を解く練習が負担に感じる方は、問題文を読んで「自分ならどんな話をふくらませるかな?」という組み立ての練習を頭の中でするだけでも作文へのハードルは下がるのではないでしょうか。英文を書く練習は別でした方がいいですが。

自由英作文対策に関するまとめ

まずはじめにお伝えしたいことは、東大2次試験の英語で90点オーバーを取得した東大生であっても、決して難しい表現を使っているわけではないということです。

では、簡単に解けているかというと、そういうわけでもありません。実際、京都大学2019年の問題では構想を練るのが(相対的ではありますが)大変だったと言っています。

自由英作文の難しい点を一言でいえば字数を埋めること*であると言えます。これは、これまであまり語られてこなかったポイントです。

日本語であったとしても自分の考えを述べる機会が少ない上に、自信を持って英語にできるものでなければ、盛り込む内容を再考しなければならないからです。

上記を踏まえ、自由英作文対策は下記のように行うようにしましょう。

  1. 50字〜100字程度の英作文問題を解くことを習慣にする。上記の解答例のように、だいたい3〜5文程度の内容になるから、それだけ盛り込む内容を、まずは創作でもいいので考え出す練習をする。
  2. 上記作業を通じ、自分がよく使う日本語表現をGoogleで調べるなどしてストックを増やす。英文集に載っている有名な英文を覚えるより、自分が普段使っている口語の英語表現ストックを増やすことを意識する。

*なお、東大の英語は語数が少ない点が実は難しいポイントでもあります。字数が少なければコンパクトにまとめる力、字数が多ければ盛り込む内容を考える力が求められるということです。