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【決定版】『安達雄大のゼロから始める現代文』の使い方とレベル

『安達雄大のゼロから始める現代文』に関する前提

現代文は文系生にとって、英語と並んで配点の高い科目であることが多く、十分な対策が必要です。

現代文の対策を一言でいうと「①読み方・解き方を知る ⇒ ②問題演習する」なのですが、「①読み方・解き方を知る」に関してはこれまで満足のいく教材が市販されていませんでした。もちろん、ほとんどの高校でも応用性・汎用性の高い読み方・解き方は教えられません。

従来の現代文の参考書には、個別具体的な文章に関する解説はあるが、広く汎用性のある解法が載っていないといった大きな問題点があり、それゆえに「問題集は解けるが模試や入試では解けない(点数が安定しない)」といったことが起きていました。

なぜそうなってしまうかというと、現代文の参考書は具体的な文章を題材にしなければ解説できない&抽象的な話に終始してしまうからです。

しかし、本書『安達雄大のゼロから始める現代文』はそれを匠に回避しています。詳しくは後述します。

とにかく、本書一冊をやったあとに模試や過去問演習を通じて”使える知識”にすればどんな大学でも十分対応できます。現代文こそ「数少ない応用性の高い知識を身につけたら、あとはひたすら運用して自分のものにすること」が求められるのです。

なお、理系にとっての現代文は(東大・京大などを除けば)共通テストでだけ出題される科目なので、総合点に占める割合は低いです。そのため英数理に比べると対策にかける時間は少なくていいのですが、高1,2の模試では「英語・数学・国語」の3教科が出題されます。つまり、否が応でも国語の点数を意識しなければならないということです。

そんな人にも本書『安達雄大のゼロから始める現代文』を推奨します。時間のある高1,2で読んでおけば、模試を通して自然と本書の考え方が染み付き、共通テストの国語を心配するという精神的な負担が圧倒的に減ります。

『安達雄大のゼロから始める現代文』の対象

文系・理系全員が対象の教材です。基本的には本書1冊で足ります。

東大受験生の場合は東大受験用の参考書を一冊追加してもよいでしょう。

共通テストのみでしか現代文を使わない人は、市販教材では『きめる! 共通テスト現代文』のほうが即効性があってよいです。松濤舎ではオリジナル教材『リミット』を推奨しています。

『安達雄大のゼロから始める現代文』の特徴

東大現代文の高得点取得者が行っているのと同じ読解方法が紹介

現代文で高得点を取るコツはたった2つしかありませんそれは「①要約・集約しながら読む、②問いを解析する」です。

実際、本書には「第2回:「読解」の原理原則」として「同じものをひとつにつなげる」「異なるものを分ける」という表現で、本文を要約・集約していく方法に触れています。

しかし、要約できたからといって問題が解けるわけではありません(ただし、要約は超重要です) というのも、選択問題では文章を細かく読まなければ正誤判断できないようなものが存在するからです。また、記述問題では問いに100%答えなければ点数にはならないからです。

この「問いを解析し、精査する重要性」については、本書の「第4回:記述問題の解き方」に詳しく載っています。

とにかく、本書には現代文で高得点を取る人が実践している「①要約・集約しながら読む、②問いを解析する」について詳しく解説されています。

誰でもできる方法論に落とし込んでいる

「①要約・集約しながら読む、②問いを解析する」という認知的作業は、できる人にとってはアタリマエにできるものですが、できない人にとっては高度であり、やれと言われてもできないことが多いのが実際のところです。

そこで本書では「似ている言葉が出たらつなげてまとめる」や「記述の答案は本文中の言葉を使って作り、自分の言葉で成形する」といった超具体的な解答の仕方が指南されており、誰でもできるようになっています。

ブラックボックスになりやすい「できる人の頭の中」がこれだけ言語化されていることには感嘆します。

錯誤肢(間違いの選択肢)のパターンが掲載(5章)

選択問題には間違いの選択肢(錯誤肢)が含まれているわけですが、錯誤肢にはいくつか種類があります。これを知っているだけで「これはこういうパターンの錯誤肢だ」という納得感を持って削ることができます。

この知識は英語の長文問題で選択肢を選ぶ際にも有効です。

本書のように網羅的に紹介している参考書はほぼなく、これだけでも本書を購入する価値があります。

記述の採点方式「パーツ加点方式」について触れている

記述対策の参考書で外せないのは「採点基準(=採点官が見ているところ)」です。採点基準がわかれば必然的にやるべきことが見えてくるからです。

本書には記述の採点方式が「パーツ加点方式」であるため、字数制限の中に必要十分な要素を入れるためには「本文中の内容をベースとしながら自分の言葉でスリムにする作業が必要である」と書いてあります。

用語集が載っている

現代文が苦手な人は、用語を知らないのかもしれません。身近なテーマの文章が出ると平均点が高くなることはよく知られていることですので、用語を知ることで文章が読みやすくなる効果があります。

本書には用語解説だけでなく「背景まで知っておくべき用語」が載っています。人間は文章を読む際に予測しながら読んでいるのですが、用語の背景知識まで知ることで、どのような内容が今後展開されるのかが自然と予想でき、読解の補助となります。

なお、本書の最後には「本書を読み終えた後の現代文の勉強法」で、別の用語集を1冊購入することが推奨されています。本書の用語解説が、用語の重要性を知るきっかけを与えてくれるわけです。

抽象化された文章の解説で、挫折しにくい

従来の現代文参考書が使いにくかった元凶は「具体的な文章をベースに解説すること」にありました。具体的な文章をベースに解説するからこそ、「その問題ではそう考えれば解けるかもしれないけど、他の文章が出たときはどうなの?」と感じたり、実際に応用性の低い知識が紹介されたりもしていました。そもそも文章を読むが面倒で挫折しやすいのも欠点でした。

その点、本書では抽象化した文章を例とすることで、上記の欠点を拭っています。結果的に、応用性の高い知識を容易に手に入れることができるようになっています。

『安達雄大のゼロから始める現代文』に関する注意点

特にありません。

『安達雄大のゼロから始める現代文』の使い方

頭から読む

第1回から順に読み進めていけばOKです。

問題演習編に入ったら問題を解く

問題演習編にも指示がありますが、問題はまずは自力で解き、その後解説を読むようにしましょう。

模試を受験したら再び本書に戻る

模試を解いたら、再び本書に戻って該当箇所を読み、書かれている方法で読めたか確認しましょう。同じように過去問演習後にも本書を読み返し、読み方・考え方を定着させましょう。

『安達雄大のゼロから始める現代文』の習得レベル

レベル1:読み終えた。

*参考書なので通読でOKです。模試や過去問演習後に読み返しましょう。