『体系英語長文』の習得レベル
レベル1:設問の8割を解くことができる
レベル2:黙読で長文を読み下し、意味を掴むことができる
レベル3:音読で長文を読み下し、意味を掴むことができる
『体系英語長文』の特徴
本書は16題の長文を通し、53個の読解Tips、22個の文法Tips、12個の設問公式を身につけることができます。
粒度の細かいTipsではあるが、密度が高い
比較的粒度の細かいTipsが数多く載っているのが本書の特徴です。
例えば、22個の文法Tipsには「重要多義語のparty」なども含まれており、少々粒度が細かすぎるように思いますが、こういうものも公式として扱われています。
それでも、他書と比べ1つの問題から得られることは多い題材を選んでいるように思います。
設問を解くためのプロセスが比較的網羅性が高い
設問を解くための知識を12の公式としてまとめています。
多読用として使用するため設問を解くことは重視していませんが、「公式」一覧を頭に入れておけば、自信を持って設問に当たることができるでしょう。
長文問題集なら基本的に載っているコンテンツ
下記コンテンツは、本書にも載っており、他の長文問題集にも載っているものです。よって、これらは本書の特徴にはなりません。
- 英単語まとめ
- 構造解析(一部 or 全文)
- 各設問の解説
- 全訳
- 最新のテーマ/今後も出題されるであろうテーマを扱う
『体系英語長文』の使い方
長文を読みはじめる前に設問と選択肢に目を通します。だいたい30秒くらいで「どんなテーマを扱っているのか」がわかればOKです。
『イチから鍛える英語長文』で身につけた方法で勉強していってください。つまり、SとVを見つけながら、カタマリごとに読み下していきます。SとVが見抜けなかったり、どこまでをカタマリと認識したらいいかわからなくなったら、解説の「構文解析」を読みましょう。また、単語がわからなかったら解説で調べましょう。
設問を解いてみましょう。解説は詳しいので独学でも問題なく理解できます。
「英文解釈」というコンテンツで一部英文の構造解析がされています。目を通し、構造が見抜けているか確認してください。
音読してください。当然、SとVを探しつつ、カタマリを読み下す、という方法は忘れないように。さらに、意味を理解しながら音読することが、長文読解の回路を作ることになります。ただ文字を音声に変換するだけの作業には絶対にしないでください。
単語の意味や構文でわからないことがない状態になったら、あとはSTEP.5を繰り返します。最終的に、音読しながら自然と意味が読み取れるようになったら完了です。
『体系英語長文』に関する前提
本書は、英語長文の多読用として使用します。
あまり知られていない問題集ではありますが、1つの長文から得られるTipsの量は他書を圧倒します。
少し粒度が細かすぎるTipsのようにも思いますが、学んで欲しい知識が明確になっているのはとても良いことです。
『体系英語長文』を勉強する目的
長文読解の多読用です。
各長文には学んでほしいことが多数散りばめられているので、最終的にはそれらの知識が身についた上で音読できるようになっているか確認してください。
最後に:『体系英語長文』の「はしがき」が良い
本書の「はしがき」に書いてある「課題意識」がとても良かったので掲載します。
予備校で長年、英語の指導をしているが、前々から引っかかることがあった。それは、受験生の勉強が何らかの形で偏っているということである。読解は難しいと言って文法ばかりやる者、単語・熟語がすべてだと言って読解をはなから否定する者、構文・構造にのみ関心があって内容理解まで到達できない者、速読の技術に磨きをかけることばかりに熱心な者。さまざまな受験生がいる中で、バランスのとれた者が意外と少ないことに危機感を抱いていた。
大学入試の読解問題は、単に英語が読めるだけでは正解できない。英文の意味を正確に捉えた上で文章の論理的関係を把握し、設問の要求に応えるという総合的な能力が問われる。偏った勉強では太刀打ちできないのである。
最近は英語の参考書や問題集がたくさん出版されていて、その中にはすばらしいものも多々あると思う。ただ、英文を読み設問を解くためのプロセスを体系的に解説したものは少ない。入試で求められる総合的な能力を、実戦的に身につけられる問題集の必要性を感じていた。
(後略)
上記の課題に対して、本書を使うことが100%の解ではないかもしれません。
しかし、課題認識自体は100%正しいです。
間違った認識を持たず、正しい方法で長文対策をしていく必要があります。
『体系英語長文』の長文掲載数
16題
【決定版】英語の勉強方法と年間スケジュール
難関大学受験生向けに、英語の勉強方法と年間スケジュールをまとめました。参考にしてみてください。