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【決定版】『入試数学の掌握』の使い方とレベル

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【決定版】数学の勉強方法と年間スケジュール

難関大学受験生向けに数学の勉強方法と年間スケジュールをまとめました。参考にしてみてください。

『入試数学の掌握』の前にやること

 

 

『新数学スタンダード演習』『数学Ⅲスタンダード演習』まで勉強していることを前提としています。

『新数学スタンダード演習』『数学Ⅲスタンダード演習』の使い方について詳細は下記リンク先をご覧ください。

『入試数学の掌握』に関する前提

『入試数学の掌握』の対象者

『入試数学の掌握』は全員に勧める問題集というわけではありません。

東大、京大、阪大といった「解法やアプローチに複数候補がある問題」が出題される大学を受験する人は『入試数学の掌握』に入ります。

一方、ストレートな問題が出題される、あるいは、ストレートな問題さえきちんと点数が取れれば問題なく合格点に達する大学志望生は、『入試数学の掌握』や『やさしい理系数学』は不要です。

複数の解法を武器として持つと、却って戸惑いを生み、邪魔することがあります。

扱いきれない数の武器を持つくらいなら、一つの解法を十分に使いこなせるようにしたほうが絶対に良いです

全教科のバランスを考えよ

全教科のバランスを考えた際、東大・京大・阪大であっても本書に入らないことがあります。

時間をかけた分が成績に反映されやすく、かつ、安定的に点数が取れるようになるのは英語と理科です。『入試数学の掌握』に進む前に英語と理科の進捗レベルを確認し、低ければ英語と理科を優先するようにしてください。

英語と理科に時間をかけた方が良いと判断した場合、『新数学スタンダード演習』『数学Ⅲスタンダード演習』が終わったらそのまま過去問演習に入るか、『上級問題精講』で頻出分野のみやって過去問演習に入ればOKです。

「はじめに」「本書の利用法」

シリーズ①の「はじめに」「本書の利用法」には次のようなことが書かれています。著者の執筆背景を踏まえて勉強することで学習効率を上げましょう。

  • 教科書は、関数・数列・ベクトルといった範囲割が採用されている。世の中の良問を集めた参考書や問題集も、文科省の決めた範囲割に倣って表面的な分類がなされている。しかし、入試では様々な分野の解法を自由自在に駆使できる力が問われる。本書は、入試数学で頻繁に問われるテーマで分類した参考書である。
  • 大抵の参考書や問題集に書かれた指針には「それ言ったら終わりでしょ」という結論めいたものしか書かれておらず、なぜその解法がよくて他の解法がダメなのかが書かれていない。
  • 東大、京大、阪大といった有名国公立大学の入試問題は複数のテーマを含んでいるからこそ難しく、だからこそ得られるものが多い。本書は一度過去問演習をしたことがある人にとっても、学ぶことが多いように作られている。
  • 典型問題が解けるようになっていないなら本書は使わないほうがよい。それは、下手に手を出すと混乱してしまうからである。
  • 本書の目的は難問を解き崩す力を養い、入試数学を掌握することにある。

3冊で学ぶテーマ

3冊を通して学ぶテーマは以下の8つあります。

Theme1 全称命題の扱い
Theme2 存在命題の扱い
Theme3 通過領域の極意
Theme4 論証武器の選択
Theme5 一意性の示し方
Theme6 解析武器の選択
Theme7 ものさしの定め方
Theme8 誘導の意義を考える

東大、京大、阪大を目指す学生を対象としてはいますが、例えば「全称命題の扱い」や「誘導の意義を考える」といったテーマは全受験生にとって役立つ内容にもなっています。

「この手のテーマの解法は◯通りあり、どれを選択したら良さそうかが予想がつく」状態を目指し、本書を使って勉強しましょう。

『入試数学の掌握』の使い方

  • 『入試数学を掌握』は<鉄則>というコンテンツが最終的に頭に残り、使えるようになることを目指してください。順に読んでいき、例題も30秒ほど考えてみて取っ掛かりがわからなければそのまま解説を読んでいきましょう。
  • CHECK!までいったら、同じように問題を見て30秒考え、解答を読みます。
  • 最終的に自力で完答できる状態になったらいいので、それまではできるだけ手を動かす時間を減らし、頭を動かして解法を頭に入れることに時間を使いましょう。

『入試数学の掌握』の問題掲載数

入試数学の掌握①

Theme問題数
Theme1 全称命題の扱い11
Theme2 存在命題の扱い8
CHECK!25

入試数学の掌握②

Theme問題数
Theme3 通過領域の極意6
Theme4 論証武器の選択5
Theme5 一意性の示し方4
CHECK!21

入試数学の掌握③

Theme問題数
Theme6 解析武器の選択7
Theme7 ものさしの定め方4
Theme8 誘導の意義を考える6
CHECK!27

『入試数学の掌握』の習得レベル

レベル1:例題の50%において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる

レベル2:CHECK!の50%において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる

レベル3:例題の80%において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる

レベル4:CHECK!の80%において、解き方の流れとつまずきポイントを押さえた状態で、自力で答えを出すことができる

『入試数学の掌握』の次にやること

やさしい理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ)
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理Ⅲ・京医・阪医・慶應医を受験する人は『やさしい理系数学』に入りましょう。

それ以外の受験生は『やさしい理系数学』はオーバーワークなのでやる必要はありません。

『やさしい理系数学』に入る前に『入試数学の掌握』を使ったのは、難問には複数のアプローチがあるため、解説を読んだ時に「なぜそう考えるのか」という疑問が湧きがちだからです。

先に『入試数学の掌握』を読んでおいて全アプローチを把握したあとに読むことで、『やさしい理系数学』で登場する複数の解法も頭に入りやすくなることでしょう。

『入試数学の掌握』と『やさしい理系数学』の違い

2冊とも複数のアプローチが考えられる問題に対応できる状態を目標として使用します。適切なものを選ばないと(≒力技で解こうとすると)袋小路に入ってしまう問題への対処は、東大・京大・阪大志望者にとっては必須です。

ポイントは「どういう問題のときに、どういう解法があり、それぞれのメリット・デメリットは何か」も合わせて暗記することです。

『入試数学の掌握』では、<鉄則>というコンテンツで問題パターンごとの複数のアプローチを言語化してまとめてくれています。よって、同様の問題が出題された際にはどのようにアプローチしたらよいのかが理解しやすいです。理解しやすいということは、使える知識になりやすいということです。

一方、『やさしい理系数学』は複数の解法が載っているだけで、応用性を高めるための咀嚼は学習者に任されています。その結果、「どういう問題のときに、なぜその解法を選ぶべきなのか」が曖昧となり、あまり使えない知識になりがちです。複数の解法を提示するだけでは、却って混乱を招くリスクもあります。

よって、『やさしい理系数学』を使うのであれば、先に『入試数学の掌握』を習得してからにしましょう。その方が習得効率も上がります。『やさしい理系数学』を単体で使用することは推奨しません。

「入試数学の掌握か、やさしい理系数学か?」ではなく「入試数学の掌握か、入試数学の掌握+やさしい理系数学か?」が正しい問いです。


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