[推奨]松濤舎の指定問題集です。
【決定版】英語の勉強方法と年間スケジュール
難関大受験生向けに、英語の勉強方法と年間スケジュールをまとめました。参考にしてみてください。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』の対象
受験で英語が必要な人全員が対象です。
昨今、入試科目としての英語は「文章の長文化&平易化」が進んでいます。つまり、一文一文の構造自体はシンプルなのですが、時間内に大意を掴んだり、問われたことに素早く正確に答えることが求められる傾向にあります。
しかし、速読対策だけしていると、複雑な構造の文章読解に対応できなくなったり、難しい文章に対してアレルギー反応が出るといった課題もあります。
そこで、多読多聴による長文対策をメインに据える前提で、比較的複雑な構造を持った文章を読み解く練習もする必要があるのですが、本書はそのような勉強に最適な一冊となっています。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』の前にやっておくべき教材
まずは、下記のような文法問題集の「文法」「語法」編が、8割以上自力で解ける状態にしておいてください。
また、英語学習というと一般には「精読⇒長文」の順で進めがちですが、日本の英語教育は圧倒的にインプット過小であることがわかっています。実際、松濤舎で指導していても、多読多聴のあとに精読/和訳対策を行ったほうが英語の総合点は大きく向上しています。よって、先に下記2冊を行うことを強くお薦めします。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』の特徴
『基礎 英文問題精講』が約16年ぶりに改訂しました
2021年2月28日に、約16年ぶりに改訂版が発売となりました。3訂版もよくできた問題集でしたが、正直なところ欠点があり指定教材としては採用していませんでしたが、改訂により大幅改善されたため、指定教材として使用することとなりました。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』は専門用語が少ない
英文解釈、精読、構造解析用の問題集は多数市販されています。しかし、その多くが文法用語を多用していてとても読みにくいという問題点があります。
前置詞句・句動詞などの名称、S,V,P,Mなどの記号、「〜的用法」などの独自の命名、等々です。
その点、本書『基礎 英文問題精講』は文法用語を使った解説が極力抑えられており解説が読みやすいのが大きな特徴の1つです。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』には構造分析も付いている
構文を手がかりに精読すれば、難関大であっても、ほとんどの大学に対応できます。
しかし、構造解析も載せてほしいというのが本音でした。S,V,O,Cが振ってあったり、カッコ[]がついていれば、複雑な文章の骨子が見抜けるようになるからです。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』から、別冊に構造解析が載るようになりました。そのため、従来は「構文による説明に終始」だったのですが、構造についても勉強できるようになっています。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』は「文脈編」が秀逸
構造解析のための問題集としても申しぶんありませんが、本書は「文脈編」がとても優れています。例えば、
- itが表すもの
- thatが表すもの
- oneが表すもの
などの見抜き方、答えの探し方を網羅的に学ぶことができるのです。
例えば、thatには複数の用法があるわけですが、どのように見抜いたらいいかが整理されています。
京大英語では英訳・和訳だけでなく、指示語問題も頻出です。その対策に「文脈編」は大変有用です。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』は音源付き(無料)
この改訂はとても大きいです。
リスニングは、いわば”負荷を高めた長文読解”です。本書に載っている複雑な文でも英語の語順通りに聞き取れるようになれば、どんな文章も臆することなくスムーズに読めるようになります。
※1. 音源ダウンロードはこちらからできます。
※2. アプリ「英語の友」をイントールしても音源が手に入ります。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』に取り組む前に知っておきたいこと
英語の成績を決めるのは「語彙量×読解量」
英語の成績は、語彙量と読解量で決まります。
長文は語彙の宝庫ですので、一定の語彙量があれば早めに長文読解に入るのがセオリーです。
しかし、文章構造が見抜けず単語をつなげて意味をとろうとしたり、和訳を作ったりする人も多いです。そこで、文章構造を正確に読み解き、複雑な文章を正しく読む力をつけるために使用するのが本書『基礎 英文問題精講』です。
「長文⇒精読」の順で学ぶ
本書を仕上げれば、100語前後の比較的複雑な文章は確実に読み解けるようになるでしょう。
ただし、この延長線上に長文読解があるわけではありません。どんな長文も9割以上はシンプルな構造の文から成りますので、まずはシンプルな構造の文の意味を素早く掴む練習が必要です。残り1割の複雑な文章の意味を読み解くための練習を本書を通して行うのです。
一般的には「文法⇒精読⇒長文」という順で進めますが、効果的なのは「文法⇒長文⇒精読」です。本書はあくまでも多読多聴したあとに行うというものだということは忘れないようにしましょう。
受験英語では長文問題が点数の大半を占めます。近年、字数は増加傾向にあり、従来のような「マニアックで複雑な文章を読解・和訳させる問題」から「英語を英語のまま理解しなければ時間が間に合わない問題」に代わりつつあります。
そういった点から、単語暗記と文法知識の習得が一区切りしたら長文の多読多聴に入り、”英語を英語のまま理解できる”ようにするのがメインの勉強となります。
多読多聴が重要とはいえ、未だに多くの模試・入試で「和文英訳」「精読力ためし」の問題が多く出題されるのも事実です。
そこで、多読多聴をベースとしながらも、本書を通し、文法対策の延長として「複雑な英語を読み解く練習」をするのがよいでしょう。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』の使い方
本誌の「文法編」は説明もわかりづらく、網羅されているわけでもないのでスキップしましょう。文法の説明については『総合英語 FACTBOOK』(桐原書店)を読めばOKです。
『速読英熟語』『速読英単語(必修編)』と同じく、まずは音を聴きます。複雑な構文なので、構造を把握した状態で理解することはほとんどの英文で難しいと思いますが、トライしてみましょう。
英文を確認しましょう。
その際、わからない単語があれば、まずは単語帳で調べましょう。単語帳に載っているものであればわかるように印をつけ、単語帳を使った暗記の過程で必ず覚えてください。「語句」にしか載っていない単語はストックノートにストックしていきます。
自力で英文に目を通す際は、文の骨子(特にS,V)を探しながら読みます。枝葉部分に気を取られ、複雑な文章を複雑なまま理解しようとするのは割けましょう。
自力で英文の構造や意味を理解しようとしても、文章構造が複雑なものも多いので、わからないことも多いはずです。そうしたら、「精講」「研究」、そして別冊の「構文編例題 英文分析」をよく読み込みましょう。
日本語には「を」「に」「が」「は」といった助詞がありますが、英語にはありません。そのため英語は、語順が各単語の役割を決めるわけです。どういった語順になっていたらどんな意味になるのかを学んでください。
英文の文法や構造を理解したら、和訳(訳例)と英文を見比べ、
- 単語の意味
- SVなどの骨子
- 文章構造(カンマなどを使った入り組んだ構造)
が理解できていることを確認しましょう。ここで疑問点を残さないようにしてください。
単語の意味も、SVなどの骨子も、文章構造もわかったら、再びリスニングしましょう。
語順通りに、日本語を介さずに、ナチュラルスピードで、英文が理解できるまで繰り返しましょう。
聴き取れなかったり、構造理解が不十分だったと感じたら、躊躇せず前のSTEPに戻りましょう。
音を聴きながら、文章を見て音読することをパラレルリーディングと呼びます。パラレルリーディングをしながら、英語の意味が理解できているか確認します。
音読することは「音韻処理の自動化」につながり、速読に多大な影響を与えます。
ここまでを、70問通して行います。「練習問題」はやらなくてOKです。
「文脈編」「応用問題編」は、問題を解いた後、
リスニング ⇒ 英文確認&解説確認 ⇒ 再度リスニング ⇒ パラレルリーディング
という、これまで通りの流れで進めます。
一周したら最初に戻り、
- リスニングを通して内容理解できている
- パラレルリーディングを通して意味が理解できている
- 問題が解けている
という状態になるまで繰り返します。
『基礎 英文問題精講[4訂版]』の習得レベル
レベル1:リスニングを通して、意味も理解できている
レベル2:パラレルリーディングしながら、意味も理解できている
レベル3:8割以上の問題が解けている
『基礎 英文問題精講[4訂版]』の目次・問題掲載数
構文編
例題40問、練習問題40問
文脈編
文脈編では指示語や関係代名詞、省略表現など、体系立てて説明している問題集が少ないテーマについて、大変わかりやすく解説してくれています。
例題30問、練習問題30問
応用問題編
「構文編」「文脈編」で勉強した内容を、応用問題編で確認することができます。
例題20問