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【決定版】『考える日本史論述』の使い方とレベル

『考える日本史論述』の特徴

『考える日本史論述』の特徴①

タイトルの通り、覚えるだけでは対応しきれない日本史の論述問題に対して、どのように「考える」べきなのか学べる点が、本書『考える日本史論述』の大きな特徴です。

『考える日本史論述』の特徴②

「実況中継シリーズ」でも有名な石川昌康先生が執筆しており、丁寧かつ分かりやすい解説によって暗記だけでは得られないような包括的な理解が得られます。採点基準も細かく示されており、参考書学習者にはうれしい内容となっています。

『考える日本史論述』の特徴③

手に取ってみると比較的薄く、例題も50題ほどしかありませんが、典型的な頻出問題などを中心に高い網羅性を実現しています。論述で必要な知識、横断的理解、アプローチ方法などを一緒に学べる点が大きな強みとなっています。

『考える日本史論述』が他書より優れている点

本書『考える日本史論述』のカバーする範囲は広いですが、全体的にレベルは高めであるため、最難関大学を狙っている場合には他の論述対策用参考書よりもレベルの高い論点に触れることができる点で差別化されています。

『考える日本史論述』の位置付け

本書『考える日本史論述』は、通史や一問一答はある程度勉強したが論述対策を開始していない人から、論述対策を進めているがアプローチ方法がわからないといった人に適した教材です。

『考える日本史論述』のレベル

大学のレベルは、広く中堅~最難関レベルまでをカバーしており、テーマについても典型的なものが多く含まれています。

ただし、内容そのもののレベルはそれなりに高いため、本格的に論述対策をする人が過去問に取り組む前に学習するのが最適です。

また、大学別に言えば、典型問題しか出ないのであればこの1冊を極めることでかなりの効果が期待されますが、問題の傾向が特殊な大学についてはこの1冊では不十分であり、大学別にテーマの深掘りなどの勉強が必要になります。

いずれにせよ、ワンランク上の論述が求められる大学を志望する人の入門書としてお勧めしたい教材です。

『考える日本史論述』に入るタイミング

教科書と一問一答形式の問題集である程度勉強し、論述対策に移ろうとするタイミングで使い始めます。

共通テストの日本史で7~8割ほどの得点率が理想的です。

また、論述問題を見て、解答のアイデアがまったく思い浮かばないというレベルではあまり効果がないため、単語レベルでも何か思いつくレベルの通史の理解度が前提となります。

論述問題はそもそも用語や時系列の関係など基本的な理解ができていないと、取り掛かるのが難しいだけでなく解説と解答例を理解するのも一苦労します。時間的にも効率が落ちるため使い始めのタイミングに注意しましょう。

問題は分野ごとに分かれているので、通史できちんと理解した分野から随時取り組んでいくのも良いです。いずれにせよ、問題を読んでも全く何も思いつかないというレベルは脱している必要があります。

『考える日本史論述』の使い方

通史と用語学習を終え、問題を見てアイデアが浮かぶレベルに達した分野については、本書での学習が始められます。

論述問題は大学によって出題傾向が著しく異なるため、対策の必要な分野などを絞って、順序を問わず取り組んでしまっても問題ありません。

使い方は様々ありますが、重要なことは自分なりに「1問1問を味わい尽くす」ということです。問題数が限られているため、1問でどれだけの学びを得るかが非常に重要です。ここではその方法を2つ紹介します。

『考える日本史論述』の使い方①「まずは解いてみる方法」

最もおすすめの使い方です。まずは自力で問題を解いてみましょう。

これによって、今の自分の知識量や理解度がわかります。また、自分のアプローチと正しいアプローチがどのくらい違うのかもわかりますし、そのギャップを認識することで解答を覚えやすくなる効果も期待できます。比較的時間が取れる人におすすめです。

この方法について、ステップ別に勉強法や意識すべきことをお伝えします。

解いてみる

まずは自分なりに解いてみましょう。

解くときには、ただ知識を列挙するのではなく、出題者の意図を考えながら、それを反映した形で解答をつくることを意識してください。

「これを聞きたいだろうから、これを答える」ということを意識するということです。

教科書などを参照しながら改めて解いてみる

解答や解説を読む前に、教科書や用語集を駆使して自分なりのベストの解答をつくります。これが非常に重要なステップです。

ここで正解に近いものを書けるのであれば、知識不足で書けなかっただけということになりますが、教科書などを読んでも書けない問題については、理解度やアプローチが不足しているということがわかります。

つまり、このステップを経ることで、解けない原因をより詳しく理解することができるようになります。

解答・解説を確認する

ここでやっと解答を読みます。

解答例をしっかりと読み込み理解することはもちろん重要です。解説はわかりやすいですが内容は難しいためしっかりと読みましょう。

さらに重要なのが、知識だけでなく、自分の理解度やアプローチが求められているものとどの程度ズレているのかを認識することです。

解答例はあくまで一例なので、まったく同じにする必要はなく、丸暗記する必要もありません。しかし、解答例にたどり着くための土台となる知識、理解度、アプローチ方法については学習していきましょう。

『考える日本史論述』の使い方②「すぐに解答・解説を読む方法」

時間の無い人や、知識が不十分でも論述の対策を始めないといけないような人にはこのような方法もあります。

論述に初めて触れる人の中には、解答の仕方なども全くわからないという人もいるでしょう。知識が不十分でも論述対策を始めないと間に合わないという人もいるでしょう。

その場合は、まずは読みたいところを次々読んでいくという方法もあります。ステップ別に紹介します。

まずは問題を読み、すぐに解答を読む

学習したい分野について、問題を読んでからすぐに解答を読んでみましょう。

論述がどのような考えに裏付けられて作成されているのか、またどのように個々の単語などがつながっているのかを解答で確認します。どのような知識が不足しているのかも確認しましょう。

通史の勉強を再度行う

問題に関連する部分を、教科書など通史の教材を用いて改めて勉強しましょう。

教科書などには、自分が読んだと思っても見落としている内容がある場合があり、そういった内容も論述の視点から理解できるようになる場合があります。

方法1と同じように解いていく

自分で解くことはどのみち必ず必要です。解けるようになることがゴールだからです。

方法1と同じようなことを意識しながら、解く→自分なりの最高の解答を作る→答え合わせというステップを踏んでいきましょう。

解き始めるのは、解答を読んだ日から3日以上空けるほうが良いでしょう。短期記憶で解答を覚えてしまっていては、自分のどこが弱点なのかを認識できないからです。

『考える日本史論述』と教科書の組み合わせ

難しい論述問題への対策が必要な場合、可能であれば複数社の教科書と組み合わせるのもおすすめです。代表的なのは以下のものです。

  • 『詳説日本史B』(山川出版)
  • 『新選日本史B』(東京書籍)


教科書を複数参照することが重要な理由は、問題が教科書をベースにして出題されているためです。

論述問題は基本的に教科書の範囲を大きく逸脱した内容を問うものではありません。ただし、教科書によってある事項についての書き方や説明が異なる場合もあります。そのため、様々な教科書で確認することでその実体についてより明確な理解が得られる場合が多いのです。

難関大であるほど教科書は重要です。論述問題の根拠探しのためにも、可能であれば2~3冊の教科書を組み合わせることをおすすめします。

『考える日本史論述』の論述問題掲載数

  • 例題:39題
  • 参考例題:7題

『考える日本史論述』の習得レベル

レベル1:問題を見て、解答に用いられているのと同じ人物や出来事が正確に想起でき、記述できる(=解答例を参照し、3~4割程度の得点が取れる)

レベル2:問題を見て、解答例で示されているような切り口や、必要とされている要素を自力で思いつくことができる(=解答例を参照し、5~7割の得点が取れる)

レベル3:問題を見て、解答例で示された切り口や要素が思い付き、さらにそれらを制限字数内で漏れなく記述できる(=解答例を参照し、8割以上の得点が取れる)