受験勉強は、大きく3つのフェーズに分けられます。
- 問題集フェーズ
- 過去問演習フェーズ
- 入試本番
それぞれの位置づけや目的、注意点を知っていると学習効率が格段に上がります。本記事を読み、現在位置を踏まえて問題演習しましょう。
入試本番
入試本番に必要なのは、合格最低点を上回るのに必要なだけの知識量です。
大学入試は、その場の閃きやセンスは不要です。重要なのは知識暗記であることを強く意識してください。
必要な知識量には上限があります。
それは、合格最低点が取れるだけの知識量です。言い換えると「過去の合格者がやっていた過去問と問題集を、自力で解けるだけの知識量」となります。
よって、入試本番までに「過去の合格者がやっていた過去問と問題集」が自力で解けるようになっていたら、必要な知識は身についていることになり、合格を確信して入試本番に臨むことができます。
では、過去問と問題集を勉強するフェーズの位置づけと注意点は何でしょうか?
知識には2種類あります。単純知識と手続き知識です。単純知識とは、英単語や古文単語、世界史の人物名、無機化学の物性などです。手続き知識とは、解法や問題へのアプローチ、ケアレスミスしないための注意点などです。
過去問演習フェーズ
過去問演習を、実力試しとして位置づけている人がいますが、間違えています。最初から自力で解ける必要はありません。
入試本番前に、やるべき年数の過去問の解説が自力で理解できる知識を有していたら良いのです。過去問が解ける知識量が身についていることが重要なのであって、”演習力”や”対応力”といった漠然とした能力を身につけるためではありません。
逆に、過去問の解説が理解できないということは、合格最低点を超えるだけの知識量に達していないことを意味していますので、問題集の習得レベルを確認し、復習する必要があります。
なお、「時間配分」「問題を解く順番」といった知識も、過去問演習を通して身につけるようにしてください。
問題集フェーズ
勉強時間の9割以上を占めるのが「問題集フェーズ」です。受験生の11月末までは問題集を使った勉強を行います。
問題集フェーズの最終目標は過去問の解説が十分理解できる知識量を身につけることです。
なお、問題集フェーズは「入試レベル問題集フェーズ」と「網羅系問題集フェーズ」に分けることができます。
網羅系問題集フェーズ
まずは、網羅系問題集フェーズで典型問題を網羅的に解き、知識の土台を固めます。
すべての問題は典型問題に帰着・還元することができます。帰着先の典型問題ができるようにならなければ、その複合問題が解けるはずがありません。逆に、典型問題に帰着できない問題は捨て問です。
網羅系問題集フェーズでは、網羅系問題集が自力で解ける(=瞬殺する)ようになることが目標となります。とてもシンプルです。
入試レベル問題集フェーズ
次が入試レベル問題集フェーズです。
典型問題を網羅的に身につけたら、その後はいくらでも難しい問題集を積み上げ、難問を解くのに必要な知識を身につけていくことができます。
典型問題と過去問には乖離があるので、問題集を積み上げることによって埋めていくのです。
なお、入試レベル問題集フェーズでは、最終的に過去問の解説が理解できる状態になることが目標です。そのために新しい問題集を積み上げ、必要十分な知識を身につけていくのです。
まとめ
入試本番
入試本番前の状態:合格最低点を上回るのに必要なだけの知識量を備えている。すなわち、過去の合格者たちがやっていた過去問+問題集が自力で解ける知識を備えている
過去問フェーズ
過去問フェーズ終了時の状態:過去問が自力で解ける知識を備えている
過去問フェーズ開始時の状態:過去問の解説が全て理解できる知識を備えている
※過去問がすべて自力で解ける状態になっている必要はありません。過去問フェーズ終了時に、自力で解ける状態になっていたらOKです。なぜなら、その状態こそが過去の合格者と同じ状態だからです。
問題集フェーズ
入試レベル問題集フェーズ終了時の状態:やるべき問題集がすべて自力で解ける。すなわち、過去問の解説が全て理解できる知識を備えている
入試レベル問題集フェーズ開始時の状態:網羅系問題集が自力で解ける。すなわち、入試レベル問題集の解説が理解できる知識を備えている状態になっている
網羅系問題集フェーズ終了時の状態:網羅系問題集が自力で解ける
※やるべき問題集とは、志望校の過去問の解説がすべて理解できるだけの知識が身につく問題集のことです。