「知識量」が合格可能性を規定する

合格最低点を超える知識量があれば合格する

大学受験は、合格最低点を超えるだけの知識量があれば合格します。

身につけるべき知識量には上限があり、それは合格者がやっていた問題集と過去問が自力で解けるだけの知識量です。

この知識暗記の重要性に一刻も早く気づくことが、受験勉強においてもっとも重要なのです。

必要なのは、センスでも閃きでもありません。
応用力などの漠然とした「◯◯力」でもありません。

知識量が合格可能性を規定するということを、まずは強く認識してください。

知識には、単純知識と手続き知識がある

知識暗記というと、日本史の人物名や年号、生物の用語などをイメージするかもしれませんが、これらは知識の中でも単純知識と呼ぶものです。単純知識は当然暗記しなければなりません。ただし、単純知識は誰にとっても覚えなければならないことが明示的ですので、特に問題視していません。

問題なのは、もう一つの知識である手続き知識です。これは、数学の解法、化学の計算途中の注意点、現代文の解き方やルールなど、プロセスに関する知識のことで、多くの人はこれを「思考力」「読解力」といったもので表現します。しかし、漠然とした能力を鍛えようとすると、途端に非効率になります。

手続き知識も知識であるということを認識し、長期記憶として定着させようと意識的に学んでいくことが重要なのです。

限られた時間で十分な知識量を得るには効率的な学習が必須

受験勉強の時間は限られています。

浪人生なら1年という限られた時間で、十分な知識を暗記しなければなりません。現役生には最長2年10ヶ月しか時間が与えられていません。

少ない時間で十分な知識を身につけるためには、効率的な学習が必須なのです。

長期記憶するためのエビデンスベイスドな方法で勉強せよ

長期記憶する方法は科学的に研究されていますので、エビデンスベイスドな勉強方法を採択しなければ無駄が生じてしまいます。

例えば、単語の正しい習得方法にはテスト形式の学習分散学習が有効であることがわかっています。そのため、松濤舎ではカード型の単語帳を使った効率的な単語暗記を行ってもらいいます。

また、長期記憶するには理解の伴った有意味暗記が有効で、覚える際に精緻化や体制化といった工夫をする必要があります。

人間は知識を保持することより、取り出すことのほうが苦手であることがわかっているので、普段から問題演習形式で勉強する必要があります。

こういったエビデンスを踏まえた学習をしなければ、努力を成績につなげることができません。

新しい知識の習得に時間をかけよ

限られた時間で新しい知識を習得するためには、できるだけ「知っていることに時間をかける」時間を減らさなければなりません。

そのため、一度できた問題には◯マーク、できなかった問題には×マークをつけ、×マークのついている問題だけを繰り返せるようにするなど、効率的に復習することを前提として問題集を使っていく必要があります。

新しい知識を得ることが勉強。わからなければすぐに解説を読む

「初見の問題を自力で考えて予習してきなさい」という指導をする学校や塾があるようですが、新しい知識を限られた時間内にインプットすることが重要ですので、完全に間違えています。

わからなければすぐに解説を読み、自分の知らない新しい考え方、解き方、知識を身につけていってください。

「過去問の解説が完璧に理解できる知識量」を目指す

入試本番では、合格者がやっていた問題集と過去問が自力で解ける知識量を有していればOKでした。

では、過去問演習に入るときはどんな状態になっていたら良いでしょうか?

過去問は、だいたい入試1ヶ月前から始めますが、初見で解ける必要がありません。過去問の解説が理解できる状態になっていればOKです。過去問の解説が理解できる状態は、指定された問題集が自力で解けるようになっていれば問題なく到達します。というより、過去問の解説が理解できる状態になれる問題集を指定しています。

解くべき過去問の年数ですが、合格者が平均的に解いている年度数を自分も解く必要があります。過去問を通して身につけた知識量も、過去の合格者と同じにするのが鉄則だからです。

「やるべき問題集が自力で解ける状態」を目指す

過去問演習に入る前には、過去問の解説が理解できる状態になってればOKであり、そうなるためにはやるべき問題集が瞬殺できる知識量を持っていればよい、と言いました。

やるべき問題集は、初めから自力で解ける必要は全くありません。最終的に自力で解ける状態を最短で目指すためには、わからなければすぐに解説を読み、新しい考え方を高速インストールしていくほうが圧倒的に効率的です。

新しいことを学ぶために勉強しているのに、既に持っている知識で解こうとする時間は無駄でしかありません

迷いなく勉強できる状態へ

迷いなく勉強できる状態が、効率的な学習には不可欠です。

  • 入試本番前にどうなっていればいいか? 過去問演習時はどうなっていればいいか? それを踏まえて問題集を使った勉強では何を気をつけるべきか?
  • 単位時間あたりに習得する知識量を増やすためにはどのように勉強をしたらよいか?
  • なぜこの問題集を使っているのか? 問題集を使う際の注意点は?
  • 1日あたりにやるべき問題数は?

こうした疑問がクリアになり、勉強する際の勘所を押さえた状態で、目の前の問題集の習得に集中して取り組めるようになることを、松濤舎は目指しています。

知識量以外に必要なのは「ワーキングメモリの鍛錬」

知識量が合格可能性を規定するといいましたが、それ以外にも重要なことがあります。それはワーキングメモリの鍛錬です。ワーキングメモリとは、情報処理を行うための脳のスペースのことです。

例えば、長文読解をする際にスムーズに読むためには、長文読解の方法を知識として知っているだけではダメですよね。スムーズに読むためには、正しい方法で多くの練習を重ねる必要があります。

一般的に「読解力を鍛える」といった漠然とした表現が用いられますし「◯◯力を鍛える」と言うときは往々にして「とにかく量をこなすことが重要」と言われがちです。

しかし、ワーキングメモリの鍛錬には、意識的な学習が必要です。長文読解がスムーズにできるようになるには、下記のような音読を中心とした学習が効果的であることが科学的に知られています。

長文対策に音読が効果的な理由と、正しい音読の方法

知識量を増やすだけでなく、ワーキングメモリの鍛錬を意識的に行うことで、完璧な状態で入試を迎えることができるのです。

※長文読解以外の「ワーキングメモリの鍛錬」方法については、随時追加していきます。

学習とは「意識的な活動」である

知識の暗記にせよ、ワーキングメモリの鍛錬にせよ、学習は意識的に行わなければなりません

漫然と勉強することは今日から辞め、意図を持って問題集を使った勉強をしていきましょう。