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【決定版】東京医科歯科大の現役合格生が教える「教科書を活用した生物対策法」

はじめに

東京医科歯科大学(医学部医学科)の現役合格者(女性)が生物の教科書をメインに使って対策されていたので、具体的な対策法について執筆いただきました。

東大の生物選択者にも教科書を読み込んで対策していた人は多く、有効な対策法です。問題集や過去問と並行して生物の教科書も活用し、教科書の内容が穴なく入っている状態を目指しましょう。

以下、医科歯科生による回答です。


成績

2次試験の得点源は圧倒的に英語と生物でした。データとしては、11月頭の東進の医進模試で英語と生物は順位が一桁でした(東進医進模試は受験者が少ないので参考にならなそうですが)。共通テストの得点には残念ながら出なかったのでお伝えします。

使った生物の教材

教科書:『生物基礎』『生物』(数研出版)
問題集:リードα生物基礎+生物(数研出版)
資料集:『ニューステージ新生物図表』(浜島書店)

これらの教材は全て学校で配られたものです。

学習履歴

まず、高2の12月までは受験を意識した生物は勉強しておらず、学校の定期テストのためだけに勉強をしていた。定期テストの勉強は、教科書を読んで理解して、重要単語(この時は太線になってるものだけ)を覚えた。配布されるプリントもやったが、教科書の範囲内がほとんどだったように思う。

高2の1月くらいから教科書を読み直そうと思い、生物・生物基礎の教科書を読み終えた。どれくらいかかったか覚えていないが、高3になるまでには読み終えた気がする。読むといっても、単語はもちろん、教科書に書いてあることを(理解したうえで)全て覚える気持ちで頭に叩き込んでいった。

高3から学校の生物が2周目に入った。復習として授業をある程度聞きつつ、演習として、リードαと、入試問題を集めたプリント(先生が作成)を学校に従って始めた。高3はこのように、リードαと入試問題プリントで演習しつつ、知識の抜けは教科書に何度も戻って確認するというやり方だった。他の人より始めるのが遅いが、桜蔭は中高で生物が多く、先生も熱心なため、定期テスト勉強で土台が多少は出来ていたのかもしれない。10月初めに医科歯科に決めるまでは、たまに東大の過去問を解きつつこの勉強方を続けた。

11月に入って、医科歯科の過去問中心にシフトした。医科歯科はかなり知識ベースだったので、過去問を解き、抜けている知識は教科書で確認する作業を繰り返した。この時点で抜けていた知識として、はっきり覚えているのは“クレアチンリン酸”。教科書でも太字になっているのに覚えておらず、怖くなった覚えがある。過去問添削と言っても丸付けだけではなく、問題に関連する知識を先生と復習していた。例えば、“節足動物”を答えさせる問題では、分類をもう一度おさらいした。この時、自分でも「何だったっけ?」というのがあったら、教科書を確認した。また、考察問題については教科書ではあまり学べないため、授業で考え方を教わった。ちなみに、生物の過去問1年分で2時間授業をしていた。

12月からの共通テスト対策やその後の私大対策でも、教科書は知識や定義の確認のために見返した。

共通テスト後は、教科書をもう一度全て読んだ。この時は、流石に生物基礎の簡単なところはほぼ読み飛ばした。この時に読んだ目的は、抜けをなくすためだ。医科歯科の総合得点を上げるには、生物を詰めることがいいと判断した。また、過去問をやって分かったが、教科書外から知識問題が出ることはあまりないため教科書を信じた。教科書の欄外、発展、参考は普通に出るため、この本に書いてあることを覚える、という目標だった。

この時は読むだけではなく、身についていなそうなことを書き上げた。また、カルビンベンソン回路やクエン酸回路など記憶の難所はきちんと読んだと思う。この、知らないことを書き上げる作業は医科歯科本番1週間前くらいに終わり、最後1週間はこの一覧を確認した。書き上げるといっても、全部文字にはせずに、教科書のページ数を控えて何度か読み直した部分もある。

まとめ

以上のように教科書を使っていた。教科書を読む際は以下のことを心掛けたと思う。

  1. 内容の理解を最優先すること
  2. 単語だけを覚えるのではなくて、全体を人に説明できるように覚える意識
  3. どうしても覚えられない単語は、語呂合わせを使う。例えば、褐藻類はクロロフィルaとc、紅藻類はクロロフィルaというのも語呂合わせを無理やり作って覚えた。(これが必要かは分からないが)
  4. 問題で出た内容だけではなく、少し広げてその周辺も確認する(時間が許せば)
  5. 理想的には、関連付けて覚える。例えば、眼の構造の図で色素細胞層が出てきたら、発生のところで色素細胞は神経堤細胞からと習ったことを思い出す。さらに、神経堤細胞からは交感神経と感覚神経も出来ることを覚える、など

特に②は記述に役立った。医科歯科は記述がとても多い。絶対に全て埋めたかったため、問題で求められていることを理解したらすぐに書き出すようにしていた。このように記述が求められる場では、普段から生物に関する文章を読んでいると、求められている文が書きやすいように思う。生物の記述の言い回しが身につく。また、その意味では赤本の記述の模範解答もよく読むようにしていた。模範解答を読んで、論理的かつ簡潔に答える意識を持つようになった。

もう一つ、医科歯科に特化した教科書での対策として、教科書の図を書けるようにするというものがあった。毎年、医科歯科では絵やグラフを書く問題がでる。過去問の経験上、知識で書くもので教科書外から出た問題は見たことがなかったため、書かされそうな教科書の絵やグラフを一回は書いて、目に焼き付けようとしていた。

最後に、この教科書を一貫してやる方法は自分や医科歯科には向いていたかもしれない。しかし、考察問題が多い東大であればもっと演習を重ねて考察の仕方を学ぶ必要があるイメージが勝手にある。また、共通テスト後の教科書見直しは医科歯科の試験範囲が狭められたから出来たことかもしれない。すべてを完璧にすることは出来ないので、教科書を詰めるのが良かったかは分からない。ただ、試験範囲はあくまで教科書であるため、自分はこれをやろうと思った。

また、私の生物で過去問添削をしていた先生は1個上で東大理Ⅱの方だが、本番数日前に教科書を全部読んだといっていた。もちろん、それ以前からあった実力なのだろうが、生物の大問1、2はともに満点だったようだ。

コメント

私(=松濤舎代表)も生物選択でしたが、教科書を使った勉強はほとんどしていませんでした。生物に対しては苦手意識はなく、東大個別試験では平均点が取れればいいと思っていた程度です。

しかし、東大入学後、他の生物選択者にどのように勉強していたかヒアリングしてみると、教科書を徹底して覚えたと言っている人が多かったのです。東大個別試験では、簡単な知識問題が最初にある以外は「生物を題材としたグラフの読み取り問題」「生物を題材とした論理問題」だったので、私は応用問題を解くことを通して生物の事象に対する理解を深め、より抽象的な「解く際の姿勢」を身につけようとしていましたが、いま考えると非効率な点も多かったと感じています。

教科書を読み込む最大のメリットは「どこまでが教科書に書いてある知識を使って解く問題で、どこからがその場で考えて解く問題か」の線引きができるようになること。

問題集だけを使う勉強法では、「これって知っていないと解けない問題? それともその場で考える問題?」がどうしても曖昧になり、タイムロスしてしまうことがありました。

一方、教科書を読み込んでいれば「これは教科書に載っていたあの知識が入っているか(理解できているか)を、別の問い方で問うているんだな」と、出題者の意図や狙いが透けて見えてきやすくなります。”捨て問”と”解くべき問題”の境界があきらかになる、とも言えます。

物理であれば「理解すべき公式」が限られていますし、化学でも「解けるようになるべき実験」は限られています。そのため、問題集をメインとして”限られたもの”を徹底して潰していけばいいのですが、生物は、いくらでも新しい問題を作り出すことができてしまいます。しかし教科書外からは出題されません(私立では出題されますが、捨ててOKです。教科書範囲内の問題を確実に得点すれば合格点を超えます)

よって、教科書も並行し、教科書に載っている内容は人に教えられるレベルまで頭に入れた状態で入試を迎えられるようにしましょう。