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【決定版】医学部の難易度|医学部合格に必要な偏差値

偏差値という重要指標

いまの自分の学力がどれくらいか、医学部受験生の中でのどれくらいに位置づいているのか、を知るための客観指標として、偏差値はもっとも重要です。

医学部合格に必要な偏差値はどれくらいなのでしょうか?

国公立医学部はボーダー偏差値65がボリュームゾーン

国公立医学部でもっとも多いボーダー偏差値は65です。一部で62.5、難関なところで67.5〜72.5といった感じです。偏差値はその定義上、上位何%に入っているかがわかります。

・偏差値62.5:約10%
・偏差値65:約6.7%
・偏差値67.5:約4%
・偏差値70:約2.3%
・偏差値72.5:約1.2%

随分上位であることがわかるかと思います。河合塾の全統記述模試という比較的上位層が受験する模試の中で、これだけの成績を出さないといけないというのはやはり難易度は高いです。

国公立医学部合格者の偏差値内訳

河合塾が2018年に発表した「国公立医学部合格者の偏差値内訳」が非常に参考になるので、松濤舎で独自にまとめ直したグラフを下記に載せます。

参考:河合塾

偏差値67.5以上の比率が高い順に左から並べていますが、各大学の難易度を比較的表していますね。

ボーダー偏差値だけでは見えてこない詳細な情報が得られます。参考にしてみるとよいでしょう。松濤舎でもこちらのデータを色々と分析し(例えば、偏差値62.4以下での合格者が多い大学はどこか、など)生徒に提供しています。

国公立医学部にボーダー偏差値超えは必須か?

国公立医学部において、ボーダー偏差値超えが必須かという質問に対する回答は、”ほぼ”YESです。

国公立医学部にボーダー偏差値超えがほぼ必須である理由(1/2)

まず、国公立医学部の2次試験というのは、単科大学(京都府立医科大学や和歌山県立医科大学など、◯◯医科大学と名のついた大学)を除けば、オーソドックスな問題が多く、全統記述模試のようなオーソドックスな問題が解けるかどうかが、2次試験が解けるかどうかを占うからです。そもそも全統記述模試が解けないのに、個別試験のさらに難しい問題が解けるはずがありません。

国公立医学部にボーダー偏差値超えがほぼ必須である理由(2/2)

もうひとつの理由は、国公立医学部は知識量で合否が決まるからです。その場のヒラメキが問われる大学も一部ありますが(まさに単科大学はそのような出題も多い)、9割以上の大学が事前にきちんと知識を入れてきた人が解ける問題を出題してきます。そのため、全統記述模試が解ける状態になる必要があるのです。

しかし、例外もあります。

国公立医学部のボーダー偏差値を捉える際の注意点

例えば、浪人生で全統記述模試を何度も解いたことがある人は、形式や難易度に慣れてしまい、多少偏差値が高く出やすい傾向にあります。

一方、現役生は10月中に行われる第三回全統記述模試から2次試験まで約4ヶ月もありますので、ここで一気に成績を伸ばせば合格点に達することもできます。特に理科はこの時期から本格的に取り組むので上がります。また、全体的に過去問演習に入ってから成績を伸ばす傾向にあります。

しかし、それも含めてのボーダー偏差値なので(=昨年、第三回全統記述模試を受験したときに当該成績だった人が、その大学に半分合格し半分落ちた偏差値をボーダーと河合塾は設定している)やはり第三回全統記述模試の偏差値は重視すべき指標なのです。

現役生は受験勉強を2年半しかできない

結局、受験期の10月にその後を占えてしまうということは、高校生が大学受験に与えられている期間というのは2年半ということです。高3から勉強を始めたらいいやと思っている人は、実は半年しか対策期間がないのと同義です。特に学力の低い人ほど自分の能力を過大評価し、より少ない期間で学力が上がると考えがちであることが科学的にもわかっています。いい意味で悲観的に考え、早めに対策を始めましょう。

私立医学部もボーダー偏差値65がボリュームゾーン

国公立医学部と同じく、私立医学部もボーダー偏差値65がボリュームゾーンです。一部が62.5、難関大で67.5~70といった感じです。同じ私立大学で比較すると、慶應義塾大学理工学部や早稲田大学理系学部が偏差値65です。

私立医学部にボーダー偏差値超えは必須か?

重視すべき偏差値ではありますが、国公立医学部と比べれば、差っ引いて捉えてよいと言っていいでしょう。

私立医学部にボーダー偏差値超えがほぼ必須である理由

まず、重視すべきである理由としては、それが統計データであるからです。昨年、その偏差値を取った人の50%が合格したラインという事実は事実なので、統計には沿うはずです。

私立医学部のボーダー偏差値を捉える際の注意点(1/3)

しかし、私立医学部の場合、ボーダー偏差値に届かなくても(偏差値40台でも)合格可能です。

まず、推薦型選抜という手があります。ここでは出願者数も少なく、受験者層も一般選抜と比べるとレベルは高くありません。その理由は、出願要件を満たすのが現役・1浪までといった制限があることや、一般選抜で複数大学を受験してより学費の低い大学を受けたいと考えている人が多いからです。

実際、松濤舎からも、第三回全統記述模試で英数理2つで偏差値40台だった生徒が、推薦型選抜で合格しています。

もちろん、内申点がある程度取れている必要がありますし、推薦型選抜でも筆記試験を課す大学も多いので、一定の学力は必要ですが、一般選抜よりも難易度が下がるのは間違いありません。

私立医学部のボーダー偏差値を捉える際の注意点(2/3)

もう1つの注意点は、複数大学が受験できるということです。私立医学部の場合、10校ほど受験する人もいます。すると、たまたまその大学の出題が自分に合っていたということで合格することがあります。例えば、

・偏差値換算する大学において、唯一苦手だった物理が超難化し、物理が不利でなくなり合格した。
・得意な英語が難化したおかげで、英語で高得点が取れ、合格した。
・苦手な理科が易化したため差がつかず、得意な英数で確実に得点し、合格した。

このような例は、枚挙にいとまがありません。いずれも偏差値50台での合格だったりします。

よって、ボーダー偏差値を絶対視しないようにしましょう。

私立医学部のボーダー偏差値を捉える際の注意点(3/3)

記述模試では英作文が200点中40点ほどを占めるのですが、私立医学部の多くは和文英訳・自由英作文を課しません。また、和訳問題も多いのですが、私立医学部によっては選択問題のみの大学も多いです。よって、英語の偏差値が低くても気にする必要がなかったりします。

一方で、記述模試の英語は、文法問題・並び替え問題など、最近は国公立医学部で出題されなくなったものの、私立医学部ではまだ出題されている形式の問題もありますので、こういった出題形式を個別で確認していきながら学力をはかり、適切に対策していくのがよいです。

私立医学部は入試問題が特殊だから偏差値は気にしなくていい、ではない

ということで、私立医学部の場合は偏差値だけで判断するのは違う、という話をしました。

しかし、それでも偏差値が最重要であることに変わりはありません。上記で例に出した生徒も、10校受験して1校合格しただけだったりしますし、同じように10校受験して1校も合格しなかった人もいるわけです。

やはり、合格可能性は統計データに従います。

合格可能性を高めるために、偏差値を出すべく問題集の習得レベルを上げていく勉強をしていってください。